この記事は Opt Technologies Advent Calendar 2016 の23日目の記事です。
今年(2016)の AWS re:Invent で Rekognition という GCP Cloud Vision と同領域のサービスが発表されました。
ということで、ほんの少し触った程度ですが、色々な点から比較してみたいと思います。
以下全て2016/12/24時点での情報です。
サービスの特長
紹介ページより
AWS Rekognition
- 物体およびシーンの検出
- 顔分析
- 顔の比較
- 顔認識
日本リージョンではまだ使えません
GCP Cloud Vision
- ラベル検出
- 有害コンテンツ検出
- ロゴ検出
- ランドマーク検出
- 光学式文字認識(OCR)
- 顔検出
- 画像特性
比較
- 物体検出系は Cloud Vision の方が細分化されているっぽい
- それぞれの分析結果と確からしさのスコアがセットで返ってくるのはどちらも一緒
- 顔分析系に対するアプローチは若干異なるが、表情分析に相当するものはどちらもにもある
- 機能面で明確に違うのは以下かも
- Rekognition -> 顔の比較(類似度算出)ができる
- Cloud Vision -> OCRができる
Quick Start
AWS Rekognition
AWS Console に GUI があって、即座に試すことができる。
機能は以下の3つ。
- Object and scene detection (物体およびシーンの検出)
- Facial analysis (顔検出および顔分析)
- Face comparison (顔比較)
API も AWS SDK のほか、 AWS CLI からも簡単に試すことができる。
GCP Cloud Vision
GUI はないが、 Quick Start のページで API を試せる。
分析タイプは7種類。
- FACE_DETECTION
- LANDMARK_DETECTION
- LOGO_DETECTION
- LABEL_DETECTION
- TEXT_DETECTION
- SAFE_SEARCH_DETECTION
- IMAGE_PROPERTIES
API を直叩きしてもいいし、もちろん GCP SDK からも使える。
比較
- 物体検出はあまり違いがわからなかったが、用途との相性が大きい部分かも
- 顔分析は精度は良さそうだが、どちらもあまり変わらないように見える
- AWS Rekognition
- GUI便利。非エンジニアに使ってもらうにもいいかも
- Face comparison は割りと精度良さそうだし、他に同じことができるサービス無さそうでスゴイ
- GCP Cloud Vision
- OCRは手書きでなければ実用的っぽい
- アダルト検出が必要な場合、ピンポイントでハマることはあるかも(精度は試せてない)
料金
AWS Rekognition
画像分析枠 | 処理画像 1,000 枚あたりの料金 |
---|---|
1 か月あたり画像処理* 100 万枚まで | 1.00 USD |
1 か月あたり画像処理* 100 万枚超 1,000 万枚まで | 0.80 USD |
1 か月あたり画像処理* 1,000 万枚超 1 億枚まで | 0.60 USD |
1 か月あたり画像処理* 1 億枚超 | 0.40 USD |
その他オプション料金もある。
GCP Cloud Vision
1,000 ユニットの価格。ユニット数は月単位の使用量に基づいて計上されます。だそうです。
機能 | 1~1,000 ユニット/月 | 1,001~1,000 ユニット/月 | 1,000,001~5,000,000 ユニット/月 | 5,000,001~20,000,000 ユニット/月 |
---|---|---|---|---|
ラベル検出 | 無料 | $1.50 | $1.50 | $1.00 |
OCR | 無料 | $1.50 | $1.50 | $0.60 |
有害コンテンツ検出 | 無料 | 現在のところ、ラベル検出を利用している場合は無料* | ||
顔検出 | 無料 | $1.50 | $1.50 | $0.60 |
ランドマーク検出 | 無料 | $1.50 | $1.50 | $0.60 |
ロゴ検出 | 無料 | $1.50 | $1.50 | $0.60 |
画像特性 | 無料 | $1.50 | $1.50 | $0.60 |
比較
- Cloud Vision の方が全体的に高いように見えます
- というか Rekognition が価格優位性をしっかり意識したプライシングを出してきているように見える
まとめ
割りと繰り返しの内容ですが、
- 顔比較やるなら Rekognition
- OCRやるなら Cloud Vision
かなあ。価格差はC向けサービスをやるのでなければ気にする程ではないと思った。