本エントリは Engineering Manager Advent Calendar 2024 のシリーズ1の23日目の記事ですよ!
この記事は筆者が最近業務しながら感じていることをとりとめもなく書き連ねる記事です。居酒屋トークくらいのものなので、よろしければお付き合いください。
あんた誰?
わたしはこういうものです。
- 独立系開発会社でソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを開始
- ガラケーサイトとか作ってました
- ベンチャー系の受託開発会社に転職。なぜか代表取締役社長を経験する
- スマホアプリとか作ってました
- めちゃめちゃいろんな失敗をする(主にワイルドなやつ)
- 広告系スタートアップの創業に関わる。なぜか代表取締役社長を経験する
- DSPとか3PASとか作ってました
- めちゃめちゃいろんな失敗をする(だいたいワイルドなやつ)
- インターネット広告代理店のオプトに会社ごと移籍する。CTOという役職をもらう
- 営業の強い組織に内製ソフトウェア開発組織を作るというミッション
- はじめての中規模〜組織作りでうまくいったりいかなかったりする
- キャディという製造業系スタートアップにEMとして入社
- しばらく採用活動しなくていいかな…というくらいにはやる
- 参加時120人くらい(うちエンジニア25人くらい)→ 退職時600人くらい(うちエンジニア80人くらい)
- Sotasという化学業界向けスタートアップのアーリーフェーズにVPoEとして入社
- 入社後5ヶ月目でのエントリ
- [イマココ]入社して1年と5ヶ月くらいになりました
右も左もわからず、頑張ってエンジニアリングしてきたけれど、いつしかマネジメント系の仕事ばかりになってきていて、今はまた(一時的に)エンジニアリングに回帰している、そんな感じ。
スタートアップでやっていくには根拠のない自信が必要
根拠のない自信の大事さみたいなものを最近感じています。
スタートアップは何もないところからはじまります。一方で、何かを変えるぞ!という気概を持ってはじまるのがスタートアップです。
その何かを変えるぞ!という気概を支えるのは、結局のところ根拠のない自信だったりすると思うんですよね。
根拠のない、と言いましたが、もちろん打算や戦略は必要です。ただ、スタートアップが何もないところから短期間で何かを変えようとすることは、不確実性のかたまりで、打算や目算はあるかもしれないけれど、明確な裏付けには乏しい、結局のところはっきりとした根拠はない程度のものであると思っています。
ちなみに、「根拠のない自信」という言葉については、「根拠のない」というところに自覚的になることが重要だと思って、この言い方をしています。
明確な根拠があり、達成・実現できる自信がある、そんな自信が持てるなら非常にすばらしいですが、自信というものは厄介な部分もあり、本当は明確な根拠がないのにあると勘違いしていまう、そういったケースの方が取り返しのつかない失敗につながりやすいと思っているのです。
そこをあえて「根拠のない」と明言してしまうことで、たくさんの不確実性があることに自覚的になり、危機感を保ちつつ、それでもやるんだという気概につなげる、そんなニュアンスを込めて「根拠のない自信」と言っています。実際に本当に根拠がなさすぎるときもあるけどNE!
toB SaaS スタートアップでの例え話
例え話をします。あなたは開発担当者です。
営業がお客さんと話をつけてきて、○○って機能があれば契約してくれると言ってきました。本当に契約をしてくれるのかな?と思うものの、他の話よりは確度がありそうなので、頑張って他の開発タスクも調整して、○○って機能を短期間で提供しようとなりました。
〇〇って機能の開発は、ちゃんとやったら結構かかるけれど、設計を工夫して短期間で終わる範囲に留める方向で進めました。とはいえ、○○って機能のイメージも人によってちょっとずつ違ったりもして、その辺の調整もしたりしなかったりしながら、ちょっとだけはみ出たけど何とかほぼ期日にリリースすることができました。
その後はどうなると思いますか? 思いつくパターンを上げてみました。
(単純化のために何とかリリースまでは漕ぎ着けられたパターンに限定しました)
- 機能のリリースをネタに、無事営業が成約までこぎつけてくれた
- お客さんは非常に喜んでくれているようだが、継続検討中でまだ成約には至っていない
- 成約には至ったけれど、端折った設計がリリース後に火を吹き、障害が発生した
- リリースはできたけれど、お客さんの意向が変わり失注になった
- 機能イメージのズレがリリース後に発覚し、作り直しになった
- 機能はなんか違うし、お客さんの意向も下がるしで、全体的に話が流れてしまった
どのケースもありうると思います。
というか、実際にいずれのケースも私は経験したことがありますw
失敗に対して恐怖心が強い人だと、もう嫌になってしまうケースもあるかもしれません。
ただ、いずれのケースもですね、何かしらの学びや得るものはあるので、無駄ではありません。
人生に無駄など存在しません。(根拠のない自信)
スタートアップは、こうして何度も何度も失敗をしながら、ラーニング・アンラーニングを進め、プロダクトマーケットフィットや、その後の事業成功へとつながっていくものだと思っています。
一方で、何度も繰り返し失敗をする経験をし続けるには、いつかうまくいくはずだ、という根拠のない自信が必要になると思います。
できるかぎりの創意工夫と準備をしながらも、決して不確実性がゼロになるわけではありません。それでも実行に移すには、創意工夫と準備の精度もさることながら、根拠のない自信をもって結果にこだわり注力することが必要になると思っています。
不確実性については、この例え話で言うとこういったものがありました。
- 本当に契約につながるのかという不確実性
- 顧客が望む形の機能が提供できるのかという不確実性
- 手段やリソースの不確実性(設計や開発手法、スケジュール、人的リソース)
これらに知識と経験で立ち向かっていくわけですが、どれだけ用意周到に計画を詰めたとしても不確実性がゼロになるわけではなく、うまくできる保証などないなかで、結局は「やればできるはず、やってみよう」となるのは根拠のない自信が根っこにある、そんな気がしています。
といった形で、スタートアップには根拠のない自信が必要だという話をしていくと、そんな自信満々な人しかスタートアップはやれないんじゃないの?こわい!っていう感想を持ってしまう人もいると思います。
根拠のない自信の持ち方
大人の年齢になったばかりのころに、若さゆえの全能感を感じたことはありますか?
多くの人にとって、それは長くは続かないものであったと思いますが、もしそういった経験があるのなら、根拠のない自信を持つのはそれほど難しいことではないでしょう。
実現したいと思える何かに向かって、少しの覚悟と思い込みを決めるだけです。誰かに少し背中を押してもらってもいいでしょう。
そうでないタイプの人は、そもそもスタートアップとかに興味を持たないかもしれないけれど、だとしても少しでも何かを変えたい、あるいは変わりたいと思うのなら、少しずつまずはやってみるところからはじめてみるのが良いと思います。
小さな挑戦と小さな成功は、意外と自信がつくものです。ちょっとだけ難しい目標を立てて、その結果にこだわること。それだけで小さいけど大きな一歩を踏み出すことにつながると思います。
個人的に一介のマネージャーとしてはこういうケースをサポートすることが重要なことだと思うし、やりがいも感じます。身近にそういったマネージャー的な人がいるのなら、ぜひ相談してみましょう。喜んで手伝ってくれると思いますよ。
もし相談できる人がいないのなら、ここから相談してみるといいらしいっすよ!(急に宣伝)
そして、根拠のない自信をもって何かにチャレンジすることは、それほど大きいリスクがあるわけではないと思っています。
さすがに命に関わる仕事のような失敗できない仕事だと難しいですが、そうでないならダメで元々、むしろやってみないことの方がリスクが大きいくらい、と思えるようになったら、根拠のない自信を持てていると思います。
根拠はないけれど、リスクも意外とないかも
根拠のない自信をもって言い切ってしまいますが、スタートアップで根拠のない自信を持ってチャレンジを続けることは、それほどリスクのないことだと思っています。
株主の皆様には怒られるかもしれませんが、自分のお金でやっているわけではないから、失敗しても無一文になるわけでも、借金を背負うことになるわけでもありません。
また、失敗続きだと辛いですが、失敗から学びを取り入れることを続けていれば、10回チャレンジしていれば1回くらいは何かしら小さな成功だったり可能性を感じる実りはあるものです。
仮に、その事業が完全に失敗に終わって、会社がなくなることになったとしても、その経験をもとに次の働き口だってすぐに見つかると思います。
すでに大活躍をされている方なら、スタートアップに転職すると年収が下がるケースの方が多いとは思いますが、今の状況をこの先何十年も維持していくことに憂いがないならともかくですが、そうでないなら生涯年収の期待値であればスタートアップは高くなる可能性もありますし、できあがった仕組みの中では得づらい経験ができることもプラスです。
そう考えると、根拠のない自信をもってスタートアップにチャレンジすることは、リスクがないばかりか、やらなければ機会損失になりうる。そんな風に思えてくるのではないでしょうか?(根拠のない自信)
みんな根拠のない自信を持とう
結局は、未経験だったり、不確実性の高い挑戦には根拠のない自信がつきものです。
逆にいうと、根拠のない自信がなくてもやってみようと思えるものは、そういった挑戦とは言えないのかもしれません。
だから、小さなことでも大きなことでも、打算や計算はありつつも、根拠のない自信をもってぶつかっていく、それをやってはじめて見える景色があるのではないかと思っています。
もちろん、そういった挑戦をすることが全ての人類にとって必要だとまでは言いませんが、一度きりの人生、根拠のない自信を振りかざして、いろんなことにチャレンジしていったほうが面白いのではないか、少なくとも私はそう思っているということなのでした。
さいごに
本エントリは Engineering Manager Advent Calendar 2024 のシリーズ1の23日目の記事ですよ!
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