転職したときのことを思い出してみた
元々、私はSIerとして働いていた。
そのとき、転職先として選んだのは同業他社ではななかった。
なによりも、「受託開発」という立場から逃げたかったのだ。
転職をするときに気を付けていたこと
自分が得意な分野
自分が得意なものはなにか?を書いた。
この部分については、長年某フリーランス向けサイトで営業活動をしてきた賜物だと思っている。
自分をある程度客観的に見て、相手に刺さるであろうポイントを列挙した。
特に、その企業の使っているスタックに近いものをピックアップした。
SIにありがちな業務経歴書をそのまま出しても長いだけなので、
読んでほしいものだけをピックアップした。
たとえば、Javaを利用しているのであればJavaのプロジェクトをピックアップしたし、
Reactを使っている企業であればそれをピックアップ・・・という感じ。
結果として、まともに使ってないGoがメインになっているとは大声では言えない
その業界を目指す理由
とにかく、SI/SESからは離れたかった。
自社サービスを展開している企業を狙った。
そのためにも、「その業界を狙っているんだ」という意思を明確に出すことを意識した。
(その企業というよりも業界、というレベル。)
実際、SIからの転職ということもあり、志望動機についてはどの企業でも聞いてきた、と記憶している。
転職から約1年後・・・
なぜか求人をチェックし、面接する側の人間になっていた。
人生とは不思議なものである。
エンジニア転職で自分がさらにチェックするようになったこと
自分は「何を考えて何ができるか」
端的に言うと得意分野は何か?というところである。
特にSI/SES出身者にありがちなのが、「参画していたプロジェクトの情報」のみを記載していること。
これも転職時に勘違いしていたポイントであったが、「前職でのプロジェクト経験そのもの」はあまり判断されない。
「そのプロジェクトで何を考えて何をやったか」を重視する。
実際、自分がいろいろと面接を受けた際もこの手の質問はあった。
自分が面接する側にまわった瞬間、これは非常に重要だと気づいた。
だって書類からは分からないんだもん。実際にその人のスキル(プログラミングとかではなく、人としてのスキル)がどの程度なのかをしっかりと見極める必要があると気づいた次第。
ウォーターフォールの悪魔
余談になるが、仮に「要件定義から試験まで経験しました」という人がいたとする。
さて、この人は実際に要件定義で何を実施したのだろうか。
実際には前面に立って調整をしていたかもしれないし、実は書類を作っていただけかもしれない。
それでも、完成品を知っているだけで全然違うので経験したという事実は重要である。
その上で、どこまでこの人が「デキる人」なのかをしっかりと見極める必要があるのだなぁ・・・と感じた。
業界への理解・志望動機
これは、SI/SESから自社サービス系の企業へ転職する際に見落としがちなポイントである。
特に業界チェンジをする場合、「なぜその業界を選んだのか」ということが書かれていないことが多い。
自分はとてもそこを気にして書いたので、書いていない人が多いことに驚いた。
本当に要員面談のつもりか?というような職務経歴書のひともいっぱいいた。
特にハイスキルのひとの場合、大量に内定をもらうことになると思うので、どこまで自分ところに本気なのかが分からない。
逆に、志望動機があればスキルアンマッチでも育成枠として推すことも辞さない。
そうなると、希望年収とスキルが少しでも嚙み合ってないとお祈り・・・となる可能性がある。
業務外でがんばっていること
エンジニアとして大成するためには、自分で学習する意欲が必須であると考えている。
もちろん、業務時間内だけでキャッチアップできるならそれでも良いが、やっぱりキャッチアップできるための下地が必要である。
結局、そうなると情報収集のクセをつけているとか、遊び半分で新技術を触ってみたりしている人に来てほしいなぁ、と思っているところである。
副業している人とか最高だと思うんだよね。
逆に、あまり気にしないところ
退職理由
割とどうでもよかった。
理由そのものを気にするのは、「明らかに転職スパンが短いとき」である。
流石に、短いスパンで転職を繰り返すジョブホッパーみたいな人は日本では好まれない傾向がある。
ジョブ型ではなくメンバー型採用をしている以上、すぐに辞められるリスクは看過できない。
逆に言えばそれくらいのもので、エンジニアの転職なんざ人間関係か待遇面がほとんどでしょう。
(もちろん、その待遇にはキャリア形成も含まれるのでそこは考えたいところ)
人柄
やべーものはもちろん弾くが、正直会話してみないとわからない。
エージェントが言う「コミュニケーション能力が高く物腰が柔らかく~」という表現は、不動産の「日当たり良好」と同程度、と考えても差し支えない気がしている。(言い過ぎ?)
しょっちゅう見る単語である。というか、そもそもエージェントが扱う人材でコミュ力なかったら、まともに企業を紹介してもらえないのでは?という疑惑もある。
ポートフォリオ
出してくる人の方がレア・・・というのもあるが、
成果物がある人はそれ以前に「強い」ことが多いので、そこにたどり着く前の時点で魅力的な場合が多い。
そうなると、結果としてポートフォリオは補足事項になってしまう。
個人的にはそういうのが好きなのでむっちゃ見るけど、結果としてポートフォリオの有無そのものが評価に響いたことははかった。
さいごに
長々と書いてしまったが、一番大事なのは「一緒に働きたいと思わせること」であるとあらためて気づいた。
どんなに優秀な人でも、チームに合わなかったら挙げられる成果も上げられなくなる。
SIやSESであれば現場を変えればチームも変わるのでそこはなんとでもなるが、
だいたいダメな人はどこに行ってもダメだったりするので弾かれるのかもしれない。
というわけで、
変に取り繕うことをせず、素の自分を出して率直に答えていくこと
が一番大事だと思います。