📝 はじめに
この記事で書くこと
この記事では、SpaceFN(スペースファンクション) というキーボードレイアウト技術の基本概念について解説します:
- SpaceFNの基本的な仕組みと歴史
- なぜSpaceFNが優れているのか(メリット・デメリット)
- どんな人におすすめか
対象読者
- 60%キーボードユーザーで、矢印キーやファンクションキーへのアクセスを改善したい方
- ホームポジションから手を動かさずに効率的に作業したい方
- プログラマブルキーボード初心者で、実用的なカスタマイズから始めたい方
- キーボードの生産性向上に興味がある方
前提知識
- 特別な前提知識は不要です
- QMK/VIA対応キーボードをお持ちの方はすぐに実践できます(Part 2で解説)
- 通常のキーボードでもソフトウェアで実現可能です
🎯 背景・動機
なぜSpaceFN
60%キーボードとは、フルサイズキーボードからテンキー、ファンクションキー行、矢印キー、ナビゲーションキー(Home/End/PageUp/PageDown)を省いた、
約60%のキー数で構成されるコンパクトなキーボード。
省スペースで美しいデザインが魅力ですが、矢印キーやファンクションキーへのアクセスに課題がある。
- 矢印キーが遠い: 右下隅まで手を伸ばす必要がある
- Fnキーとの組み合わせが面倒: 2つのキーを同時押しする必要がある、Fnキーの位置が問題
- ホームポジションが崩れる: 頻繁に手の位置を移動させる必要がある
SpaceFNの魅力
分割キーボードやエルゴノミクスキーボードに興味を持ち調査していたところ、「スペースバーを多目的キーとして活用する」 というSpaceFNを見つけました。
高価な専用キーボードを買わなくても、今使っているキーボード、
ノートPCのキーボードでも設定だけで生産性を向上できるという点に魅力を感じ、導入を決めました。
SpaceFNとは
SpaceFNは2013年にspiceBarによって提案されたキーボードレイアウトの概念で、スペースバーを多目的キーとして活用するアイデアです。
基本コンセプト
スペースバーを二重機能キーにして、短押しと長押しで異なる動作をさせる
- 短押し(タップ): 通常通りスペース文字を入力
- 長押し(ホールド): 新しいレイヤーを有効化
このシンプルなアイデアが、キーボードの使い勝手を根本から変えます。
SpaceFN実装時のレイヤー
スペースを押しながら右手のホームポジション付近で:
- IJKL: 矢印キー(↑←↓→)
- UO: Home/End
- HN: PageUp/PageDown
- 数字行: F1〜F12キー
なぜSpaceFNが優れているのか
メリット
✅ ホームポジションから手を動かさない
- すべての重要な機能が指の届く範囲に
✅ 両手の親指で利用可能
- 左右どちらの親指でもスペースバーを押せるため、任意のキーと組み合わせ可能
✅ 学習コストが低い
- 基本レイアウトは標準のまま、追加機能として習得
✅ すべてのキーボードで使える
- プログラマブルキーボード不要、ソフトウェアで実現可能
✅ 標準キーキャップが使える
- 特殊なキー配置ではないため、交換用キーキャップの入手が容易
✅ 分割キーボードの代替として機能
- エルゴノミクスキーボードのサムクラスター的な使い方が可能
デメリット
❌ スペースバーの自動リピートが効かない
- 長押しでレイヤー切り替えになるため連続スペースは入力不可
- 対策: SpaceFNレイヤーに別のスペースキーを配置(例: Space+B)
❌ スペース入力がキーリリース時に登録される
- タップか長押しかを判断するため、わずかな遅延が発生
- 通常の使用では気にならないレベル
どんな人におすすめか
SpaceFNは以下のような方に最適です:
✅ 60%キーボードを使っているが、矢印キーが遠いと感じる
✅ ホームポジションから手を動かしたくない
✅ プログラマーやライターで、ナビゲーションキーを頻繁に使う
✅ 複数のキーボードを使い分けるため、標準レイアウトを維持したい
(実践編)へ
概念編はここまでです。実践編では、以下の内容を解説します:
-
SpaceFNの具体的な設定方法
- QMK/VIA/Vial対応キーボードでの設定
- Windows/macOS/Linux向けソフトウェアでの実装
-
実践的なレイアウト例
- オリジナルレイアウト、拡張版、Vimスタイルなど
-
実行結果とつまずきポイント
- 実際の使用感と回避策
- まとめと次のステップ