0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

ソフトウェア開発の品質規範を論文執筆に移植した、ツール非依存のAIエージェントスキル集

0
Last updated at Posted at 2026-08-16

論文執筆、また徹夜ですか?_x.com.jpg

論文執筆の作業(探す・読む・書く・確かめる)を、AIエージェント向けスキルとして整理し、公開しました。この記事では、設計の対応関係と導入手順を書きます。

  • リポジトリ: https://github.com/hideshi/scholarly-agent-skills
  • ライセンス: MIT
  • 対応言語: 日本語 / 英語
  • 想定環境: Cursor、Claude Code、Antigravity など、エージェントスキルを読める環境。導入スクリプトは Python 3 の標準ライブラリで動きます

スキルは執筆の支援までです。生成文・出典・投稿の正確性は保証しません。内容の責任は、書くご本人にあります。

作った理由

海外の大学院で修士論文を書いていたとき、文献は増えるのに引用の可否で止まり、数値の出典を見失い、用語の定義が章ごとにずれていました。

ソフトウェア開発では、同じ種類の失敗を減らす型があります。テストを先に書く。ユビキタス言語で語を揃える。主張と根拠を突き合わせる。その型を、論文の作業順に並べたのがこのスキル集です。

日々の生活が科学技術と人文科学に支えられているので、ITエンジニアなりの恩返しとして公開しています。

設計

特定のエディタ用フォルダだけを正本にはしていません。skills/rules/ を共通形式で置き、各ツールへ展開します。論文リポジトリ側は Git サブモジュール、またはシンボリックリンクで参照します。

ソフトウェア側の型と、スキルの対応は次です。

開発側の型 論文側でやること スキル
キックオフ / 完成の定義 問い・読者・提出先を1ページに落とす research-plan-workshop
ユビキタス言語 用語の定義揺れを先に止める scholarly-concept-modeling
仕様ギャップ分析 先行研究の到達点と自説の差を書く literature-gap-analysis
TDD 想定反論を先に置き、それを越える本文を書く counter-argument-tdd
不変条件監査 主張と一次情報・引用が対応しているか見る claim-evidence-gate
トレーサビリティ 本文の引用と参考文献を1対1で見る citation-traceability-audit
ハンドオーバー セッションをまたいで「今どこまでか」を残す session-research-handoff

文献検索は OpenAlex、arXiv、Crossref、Semantic Scholar を使います。PDFは Markdown と図版に分けて残し、あとから検索・引用できるようにします。外国語論文は対訳と用語表を残して読みます。

全部を一度に回す必要はありません。今つまずいているところだけでも使えます。カタログの全文はリポジトリの skills/ja/README.md にあります。

導入

論文用の Git リポジトリを用意したうえで、サブモジュールで入れる例です。

git submodule add https://github.com/hideshi/scholarly-agent-skills.git .scholarly-agent-skills
python3 .scholarly-agent-skills/scripts/setup_submodule.py --lang ja

同じマシンで複数の論文リポジトリから参照する場合は、シンボリックリンク用のスクリプトもあります。詳細は README を見てください。

文献検索など、外部 API へアクセスする処理では、実行者本人の連絡先メールが必要です。OpenAlex / Crossref の polite pool 向けに User-Agent へ載せます。ドキュメント用の example.com や空欄では、HTTP を送らず終了します。リポジトリに個人メールをコミットしないでください。

export SCHOLARLY_CONTACT_EMAIL="ご自身のメールアドレス"

Semantic Scholar を頻繁に使う場合は、任意で SEMANTIC_SCHOLAR_API_KEY も渡せます。

自分で使った例

私はこのスキル集を使い、次の論文を公開しました。個人の公開例です。スキルを使えば同じように論文を公開できる、という意味ではありません。

数値や引用は、一次情報を取りにいき、リポジトリ内に残してから本文へ書いています。AIに任せて終わり、にはしていません。

おわりに

完成を保証する道具ではありません。手元の研究に合わせて、直したり足したりして使ってください。

※MITライセンスには、著作権表示の維持など所定の条件があります。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?