サブスクリプションビジネスにおいて、料金体系を決めることはとても重要なビジネス判断の1つです。安すぎた場合、ユーザー数を獲得することができてもマネタイズが困難になるリスクが生まれますし、高すぎた場合はそもそも申し込み数が減少してしまう可能性があります。
「ユーザーごとに価格を決定する」
B2Bむけのサービスなどで、ユーザーごとにカスタマイズや必要な機能が異なる場合には、あえて一律の価格を設定せずに提供することがあります。この場合、ユーザーが利用したい機能や人数・プロジェクト数などの数量といったユースケースに合わせて価格を個別に提示します。この方法は、パーソナライズされた体験・サービスを提供するタイプのサービスなどでも、応用することが可能です。
Stripeでパーソナライズした価格(インライン料金)を提示する方法
StripeではSubscription APIまたはCheckout Sessions APIを利用して、ユーザーごとにカスタマイズされたアドホックな料金を設定することができます。APIリクエストのうち、料金IDを設定するprice
の代わりに、price_data
パラメータにデータを渡しましょう。
インライン料金を設定する際は、APIリクエストのprice_data
パラメータに詳細な価格情報を設定します。
以下では、月額5,000円のサブスクリプションを作成する例を、Subscription APIそしてCheckout Sessions APIそれぞれで実装しています。どちらのAPIリクエストでも、unit_amount
で金額、currency
で通貨、product
で商品ID、recurring
で課金間隔を指定しています。この価格データは常に動的に変更できます。
Subscription APIを利用した実装例
const subscription = await stripe.subscriptions.create({
customer: 'cus_xxxxxxxxxxxxx',
items: [{
- price: 'price_xxx',
+ price_data: {
+ unit_amount: 5000,
+ currency: 'jpy',
+ product: 'prod_xxxxxxxxxxxxxx',
+ recurring: {
+ interval: 'month',
+ },
+ },
}],
});
Checkout Sessions APIを利用した実装例
await stripe.checkout.sessions.create({
success_url: 'https://example.com/success',
cancel_url: 'https://example.com/cancel',
line_items: [{
- price: 'price_xxx',
+ price_data: {
+ currency: 'jpy',
+ product: 'prod_xxxxxxxxxxxxxx',
+ unit_amount: 1000,
+ recurring: {
+ interval: "month",
+ }
+ },
+ quantity: 1
}],
mode: 'subscription',
})
オーダーメイド商品など、一回きりの注文をサポートしたい場合は、こちらの記事もご覧ください。
👉 Stripe Checkoutで事前に料金を登録せず(アドホック)に決済ページを作成する
大口顧客への特別オファーにも
この機能はAPIだけでなく、ダッシュボードのサブスクリプション更新画面からも利用できます。このため、複数のプランを契約して頂いている大口顧客に対して、特別オファーを提示するような場面にも使うことができます。
クーポンを利用した割引機能と組み合わせることで、顧客に満足してもらえるオファーやキャンペーンを様々な形で企画することも可能です。
Stripeの料金モデルを活用して、ビジネスのマネタイズをより柔軟に
Stripeでは、さまざまな料金モデルをサポートしています。また、今回の記事で紹介したように、そのユーザーだけの料金プランをアドホックに作成するインライン料金機能も用意しています。これによって、従来の固定プランでは対応が難しかった要件にも、きめ細かく対応することが可能です。
Stripeの機能を最大限活用し、満足度の高い顧客体験を提供しましょう。
関連ドキュメント