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【世界最速】Windows Server 2025 Azure ARCを使ったPay-As-You-Goによるアクティベーション【商流が変わる!?】

Last updated at Posted at 2024-11-03

はい。
さっきの記事の続きです。
宣言通りWindows Server 2025のアクティベーションです。
Azure ARCという機能を使い、Azure以外に構築されたWindows OS(SQLも含む)を管理するという機能があったのですが、これを延伸してAzure以外に構築されたWindows Server 2025のライセンスアクティベーションを行うという機能です。

Azure ARCでアクティベーションされることの何が凄いの?

さっきの記事の後半でも書いてる通りオンプレミスのWindows Server 2025で、ライセンスをわざわざ購入しなくてもアクティベーションできることにより、Active DirectoryのDomain Controller(DC)のセカンダリDCの検証ができる、と書きましたが、さっきは急いでいたのでこんな程度の書き方ですが、実はビジネスを変える可能性を秘めている機能です。

なんでビジネスが変わるの?

はい。
まずはこれまでのシステム構築の前提から説明します。

システム構築の前提

私が所属していた会社は顧客から依頼を受けてシステムを構築する会社、という意味でSystem Integrator、と呼ばれていますが、これの頭文字をとってSIerとも呼ばれています。
システム構築そのものをSIとかSI案件とも呼びます。
読み方は「えすあいやー」とか「えすあいあー」とかです。
このSIerをオンプレミスのシステム構築を請け負っている会社、と便宜上定義しましょう。
そしてオンプレミスでなく、クラウド上でシステム構築を行う会社の事をCloud Integratorということで、同じく頭文字を取りCIer(読み方は「しーあいやー」とか「しーあいあー」)と定義します。
SIerとの比較のためにこう呼ばれることが実際にあります。

これまでWindows Server OSのライセンス調達

SIerがOSのライセンスも一緒に提供する、もしくはSIerがシステムを動作させるために選定した物理マシンに元々同梱されているOSライセンスを利用する、というのが一般的でした。
昨今話題のVM WareやHyper-Vなど仮想基盤の利用促進で物理マシンから仮想マシンへの移行が進んだためWindows Server OSのライセンスのみを購入することも多くなってきており、この場合も当然システム構築の前提条件や要件としてWindows Server OSの利用があるためSIerからの調達が主でした。

Azure ARCでのアクティベーションが市場に与える影響

はい。
ここからがビジネスが変わる部分の本題です。
賢明な読者の皆様は既にお気づきかもしれませんが、このAzure ARCによるWindows Server 2025のアクティベーション機能の実装により、オンプレミスのWindows Server OSの購入経路が変わります。
これまでオンプレミスで利用するWindows Server OSの購入はSIerから購入するものである、という前提が崩れます。
Windows Server 2025は少なくとも、Azure ARCによるアクティベーションが可能です。
これまでオンプレミスで構築するとは言えSIerに依頼していた見積、受発注業務が無くなります。
SIerも比率は大きくないかもしれませんが、Windows Server OSの売り上げ、そこからの粗利などもある程度見込んでいたかもしれませんが、これが無くなります。

結構大きな影響があると私は考えています。
ここまではお金の話ですね。
次に時間の話。
わざわざWindows Server OSの購入にSIerを介入させなくて済む、ということはWindows Server 2025を利用する顧客のビジネス速度を加速させます。
今までOSのライセンス購入に時間がかかるというのがシステム構築の時間的制約、早い話が足枷になっている部分がありました。
私が所属していたSIerではそこまでWindows Server OSを売ることは無かったのでお客様お抱えのライセンス購入ベンダーから購入してもらうことがあったのですが、これに時間がかかっていました。

システムを稼働させるOSの利用がいつまで経ってもできないためシステム構築のスタートが切れない、ということで納期が短くなるということもありました。
これが全部無くなります。
とっても良いですね!
商流、変わっちゃいますね!

Azure ARC検証

またしても前提が長くなってしまいましたね。
Azure ARCで本当にWindows Server 2025がアクティベーションできるかどうか検証します。

インサイダープレビュー版のOSをAzure ARCでアクティベーションしてみる

はい。
新たにイメージをダウンロードしてもいいのですが、理屈でいうとインサイダープレビュー版のWindows Server 2025をWindows Updateし、Azure ARCをインストール、Azureと接続すればアクティベーションできるので、まずは手元にあるインサイダープレビュー版で検証します。
いちいち新規でISOファイルダウンロードしてインストールするのが面倒なんですよね

ライセンス認証確認(Windows Server 2025での作業)

作業前の確認です。
image.png
はい。
バッチリライセンス認証されてませんね!

Windows Update(Windows Server 2025での作業)

image.png
はい。
Windows Update来てますね。
来てますがどこまで関係あるのかわかんないので、[すべてインストール]しつつAzure ARCのインストールも進めます。

Azure ARCのインストール(Windows Server 2025での作業)

Azure ARCは元々インストールされてるんですよね。
image.png

Azure ARCの設定(Windows Server 2025での作業)

ではこのAzure ARCを起動して先に進めていきましょう。
image.png
しかし、このAzure ARCをそのまま進めても、Azureと接続できませんでした。
すみません。
急いでやったのでスクショ撮り忘れてますが、Azureとの接続部分でずっとくるくる回ってる状態です。(伝われー)

理由は簡単。
なぜならAzure側にAzure ARCのリソースを作成していないからです。
Azureあるあるですが、インターネットVPNなどがわかりやすいですが、オンプレミスの機器をAzureに接続して管理する場合(インターネットVPNだと仮想ネットワークゲートウェイの対向先にあたるオンプレミスのVPNルーター)、Azure側にそのリソースの箱を作ってあげないといけません。

Azure ARCのAzure上にリソースを作成する(Azure Portaでの作業)

image.png
はい。
Azure Portalで作成します。
今回は1台のみAzure ARCでAzureにオンプレミスの仮想マシンを接続しますので、[単一サーバーの追加]の[スクリプトの生成]をクリックします。
image.png
画面が遷移し、お決まりのサブスクリプションやリソースグループ情報を入力する画面に移行します。
image.png
今回リージョンは東南アジアリージョンを選択していますが、当然東日本リージョンや西日本リージョンもありました。
東日本リージョン魚拓
image.png

西日本リージョン魚拓
image.png

物理マシンがあるのになんでこのAzure ARCのリソースのリージョンを指定するのか?何の意味があるのか?物理マシン上の何らかのデータがこのリージョンで管理されるのか?という疑問が湧くと思いますが、恐らくこれはこのAzure ARCで管理されるWindows Server 2025のメタデータを保存するリージョンということでしょう。
具体的にはOSの細かなバージョンはホスト名、IPアドレス、ドメイン配下か否か、などです。

その他のパラメーター確認(Azure Portaでの作業)

image.png
このAzure ARCはWindows Server 2025のアクティベーション目的に作られた機能ではなく、あくまでAzure以外にあるマシンの管理をAzureで行うことを目的としているため、OSもLinuxが選択できます。
そしてSQLが何故かデフォルトでチェックが入っているのでこれを外し、[接続方法]は[パブリックエンドポイント]を選択しましょう。
VPN張ったり専用線張ったりするのであればPrivate Endpointでも良いでしょう。
最後に[スクリプトのダウンロードと実行]をクリックします。

スクリプトの確認(Azure Portaでの作業)

image.png
もうホントにPower Shellが出力されるだけ、ちゃんと見てませんが(後でちゃんと見ときます)多分テナントIDとかサブスクリプションIDとかリソースグループ名とかなんとかかんとか変数で置き換わっている系のスクリプトでしょう。
もうノンチェックで実行します。

Azure ARC参加用Power Shellスクリプトの実行(Windows Server 2025での作業)

管理者権限でPower Shellを開いてさっきのスクリプトをペーストして実行します。
image.png
一瞬で実行が終わり、Webブラウザでの認証を求められますのでAzureでも共同作成者やAzure ARC関連のリソースを作成できる権限のあるユーザーでAzureにログインします。
すみません。
認証前の画面はいつものAzure Portalへのログイン画面で、認証後の画面はこんな感じです。
image.png

ログイン後、数分待つと・・・
image.png
!?!?!?
接続しました_集中線02.png
!?!?!?
キター!

Azureにマシンを接続しました
って書いてますね!
来ましたね!
Azure、はじまってますね!
ホントに数分でここまでできます!

ライセンス認証作業(Azure Portalでの作業)

はい。
ここから本題、本記事の本丸、ライセンス認証です。
前評判通りちゃんとライセンス認証できるのか!?
この機能がSIerとCIerのビジネスを変えるのか!?

Azure Portalにログインすると
image.png
まだWindows Server 2025いないですね。
更新ボタン押します。
image.png
すると・・・
image.png
!?!?!?
Azure_接続_ホスト名.png
!?!?!?
Azure_接続_OS.png
キター!
来ましたね!

はい。
ちゃんと接続できてます!
そしてこの新たに追加されたマシンを選択し、
image.png
おぉ・・・
ちゃんとライセンス認証の画面がある・・・
image.png
ちゃんとPay-As-You-Goのチェックボックスがありますね。
このチェックを入れて[確認]を押します
最大10分待ちましょう、と言われるのですが、
image.png
!?!?!?
ライセンス認証済み_集中線.png
!?!?!?
キター!
来ましたね!
ちゃんと来ました!

SIer達よ、見よ!これがAzure ARCだ!
Windows Server 2025のOSのライセンス調達の商流が変わっちゃいますね!

まぁOSのライセンスなんて売り上げ比率や粗利的にはそんなに大きくないと思うので震えて眠れというほどではありませんが、今までライセンス調達に時間がかかっていたSIerさんは反省して欲しいですね!
私自身SIer、CIerに所属しているので、自分で言っといて耳が痛いです!

雑なまとめ

はい。
今回も突貫工事、Windows Server 2025正式リリースに気付いてからさっきの記事も含めて3時間で記事まで書けました。
実作業そのものは10分程度です。
読者の皆さまどうですか?
ビジネスの速度上がりませんか?

そして自宅サーバー勢になりませんか?

私としても(当たり前ですが)Microsoftさんが事前に公表していた機能がちゃんと機能して良かったと思っています。

本日はここまで。

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