こんにちわ。
麗らかな土曜日の昼下がり、皆様如何お過ごしでしょうか?
自宅サーバのリプレース
会社で
「いや~、今年は10月までに自宅サーバのリプレースも控えてるんで、お金かかるんですよね~。」
と言うと、
「自宅サーバをリプレース?意味がわからないです。」
と反応されます。
そりゃそうですよね。
しかしこの自宅サーバ含めた検証環境が私を私足らしめている一つの大きな要因なんですよね。
良く言うと自己投資です。
資格試験の勉強やセミナーに参加して自己研鑽するのと同じ類の時間の過ごし方、お金の使い方ですね。
なんで「今年の10月までに自宅サーバーのリプレース」なの?自宅環境なのにリプレースする必要性と期限を切る意味はどこにあるの?
実は自宅に置いてあるサーバ、Dell T110Ⅱがかなり古く、CPUの世代が古すぎてWindows 11がKVM上でデプロイできない、という悩みがありました。
皆様ご存知の通りWindows 10は今年10月14日でEoL、EoSを迎えるため、今年10月までにKVMの基盤となっているT110Ⅱをリプレースする必要があったのです。
別にリプレースしなくても良くない?
まぁそうなんですよね。
CPUの世代が古いと言いつつも、皆様ご存知かもしれませんがCPUの世代チェック(とTPUのチェック)を無効化するコマンド(レジストリ値)があるので、これを試しに実行してみたところ現行機種のT110Ⅱ上のKVMでもWindows 11は動きました。
じゃあ別にリプレースする意味ないやん
このCPUとTPUのチェック無効化には一つ落とし穴があり、「Windows 10からのインプレースアップグレード時のみでないと有効にならない」という制限がありました。
これはKVMのOSとして使っていたUbuntu20.04との組み合わせの問題もあるので恐らく複合要因ですがUbntu20.04を今のT110Ⅱのままアップグレードするとなった場合、それなりに時間がかかります。
時間がかかるということはデータセンターのように通信や電源の継続が担保された環境ではない(言うても自宅ですからね。)ためリスクが大きいと判断し、見送っていました。
なのでUbuntuのバージョンアップとWindows 11のクリーンインストール環境の確保という意味でサーバのリプレースは実施した方が良いという結論に至りました。
別に毎回Windows 10インストールしてインプレースアップグレードすれば良いやん
もう一点問題があり、コア数不足で仮想マシンが最大でも4台以上は起動できないという制約がありました。
実質安定して動作するのが3台までなので、Active Directoryの検証を行う際スペック不足に引っ張られて検証作業に手間がかかったり、最悪検証ができません。
もうT110Ⅱでは性能的に限界だったんですね。
で、どんな機種にしたの?
はじめは現行機種であるT110Ⅱの後継機種であり現行の最新機種であるT160にしようかと思い見積したんですが、欲しいスペックだと60万円超えました。
他にも2世代くらい前のR730という2Uのサーバも検討したのですが、サーバや各種ネットワーク機器を置いてある場所にギリギリ入るのですが、排熱や配線の取り回し、サーバからの騒音(ファンの風切り音)を考慮するとあまり現実的ではありませんでした。
こういった各種条件をChat GPTさんに相談しながら機種を絞って検討した結果、HP製のZ440が良いのではないか、と結論付けました。
で、手に入ったの?
先日某所でかなり安くHP製のWorkstation、Z440を落札しました。
現行機種であるDell T110Ⅱと新機種であるHP Z440のスペックを表にして比較してみましょう。
機種名 | T110Ⅱ | Z440 |
---|---|---|
CPU | Xeon E3-1200(Sandy Bridge) | Xeon E5-2680(Sandy Bridge EP) |
コア数 | 4 | 14 |
スレッド数 | 4 | 28(Hyper Threding有効) |
最大メモリ | 32GiB | 128GiB |
接続ディスク最大数 | 4 | 2 |
このまとめの表を作って初めて知ったのですが、どちらもSandy Bridgeという名前が冠せられているのですね。
知らずに買ったのですが、T110ⅡのCPUとZ440のCPUとは後継機種のような扱いのようですね。
違いはどうなの?リプレースするメリットはあるの?
やはりスレッド数の違いが大きいですね。
仮想マシンがたくさん立てられます。
先にも述べたように現行機種だとオーバーコミットしても2コアの仮想マシン4台立てると1台はシャットダウンする可能性が非常に高い、という不安定な環境でしたが、このZ440だと余裕で4台は同時に動作させることが可能です。
で、動いたの?
はい。
目論見通り動作しました。
ディスク無しの機器を落札したのですが、元々ディスクは現行機種T110ⅡについているSSDのディスク2本をそのまま移植するつもりだったので何の問題も無く、その分安く手に入ったと思います。
ディスクを接続しようとしてみたところ、ディスクのケーブルが足りなくて仕方なくT110Ⅱから移植しました。
移植は仮組という事で時間を稼ぎつつAmazonさんでケーブルを調達、その間にUbuntu20.04での動作確認とCPU、メモリの認識、NICの設定変更などを試しました。
結局最終形態は?
はい。
OSに関してはUbuntu20.04 LTS→22.04LTS→24.04LTSとLTSの最新版までアップグレードしました。
NICが2枚付いていたので1つをホストOS用に占有、もう1枚のPCIスロットへの追加NICをKVM専用としました。
この形態で無事KVM、ファイルサーバ、共に動作しています。
元々サーバリプレースの主原因だったWindows 11のデプロイはできたの?
はい。
無事できました。
Windows 10からのインプレースアップグレードではなく、ちゃんとWindows 11のisoファイルから直接デプロイ可能でした。
次回以降、Z440+Ubuntu24.04+KVM+QEMU環境でのWindows 11デプロイ記を書いていきたいと思います。
旧機器はどうするの?
どこかで検証機として動作する予定です。
本日はここまで。