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2025年有名IT企業の技術研修資料から学ぶ教育戦略

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はじめに

近年、多くのIT企業が新入社員向けの技術研修資料を一般に公開しています。これらの資料は、技術トレンドの最前線を捉え、実践的な内容が豊富に盛り込まれているため、新卒採用を行っていない企業や、既存社員のスキルアップを目的とした定期的な教育を計画している企業にとっても、非常に有益な教材となります。

本記事では、実際に研修資料を公開している企業の事例を分析し、それらを自社の教育戦略にどう組み込むべきか、考えるきっかけになればと思って書きました。

なぜ、有名企業は研修資料を公開するのか?

まず、なぜ企業は自社の貴重なノウハウを外部に公開するのでしょうか。その背景には、単なる社会貢献に留まらない、戦略的な意図が存在します。

1.「採用ブランディング
質の高い研修資料を公開することで、自社の技術力や人材育成への熱意をアピールし、優秀なエンジニアに「この会社で働きたい」と思わせる効果が期待できます。

2.「コミュニティへの貢献」です。
資料を無償で提供することで、業界全体の技術力向上に寄与し、自社の技術的なプレゼンスを確立することができます。  

3.「内製ノウハウの整理と再評価」です。
外部公開を前提とすることで、社内で教える人は内容を客観的に、そして体系的に整理し、最新の情報にアップデートすると言うことで、学びにつながります。

公開資料から読み解く、最新の技術トレンド

公開されている研修資料には、IT業界の最新動向が色濃く反映されています。2025年度の資料に見られる特に顕著なトレンドは以下の通りです。

生成AIの浸透

ニフティ株式会社は、前年度の「機械学習」から「生成AI 2025」へと講義を刷新しました。株式会社サイボウズは、AIツールであるDifyやGitHub Copilotの活用ワークショップを研修に組み込んでいます。これは、AIが特定の専門家だけでなく、すべてのエンジニアにとって必須のツールとなりつつあることがわかります。

実践的なハンズオンとチーム開発

株式会社MIXIは、単なる座学ではなく、攻撃・防御両方の視点からセキュリティを学ぶハンズオンや、競技型演習「Git Challenge」などを実施しています。また、株式会社サイバーエージェントも、研修の後半でチームを組んでAIアプリを開発する実践的な演習を追加しています。  

プラットフォームと非技術的スキルの両立

株式会社MIXIは、iOS、Android、Flutterといったプラットフォームごとの開発研修に加え、エンジニアとデザイン職が協力してUI/UX改善に取り組む「モノづくり研修」も行っています。ウォンテッドリー株式会社も、エンジニア向けの技術内容だけでなく、社会人としての心構えに関する資料を公開しており、幅広い視点から人材を育成しようとする姿勢がうかがえます。

動画コンテンツの活用

株式会社MIXIは、研修の講義動画をYouTubeで公開しており、スライド資料と併用することで、より深い学習を可能にしています。

注目すべき公開研修資料の事例

多くの企業が質の高い研修資料を公開しています。ここでは、特に参考になる代表的な企業をいくつかご紹介します。

株式会社サイボウズ

特徴: AIツール(Dify、GitHub Copilot)の活用、Kubernetes、データベース、ソフトウェアテストなど、多岐にわたる技術に加え、テクニカルライティングやアウトプット講座といったソフトスキルも網羅しています 。

株式会社リクルート

特徴: 毎年内容がアップデートされており、2025年版では「モダンフロントエンド開発入門」が追加されました 。また、「エンジニアの全体像」には「AIとの付き合い方」が追記され、技術と心構えの両方を重視しています 。

株式会社MIXI

特徴: Git、データベース、セキュリティ、iOS/Android/Flutterといった多様な技術スタックをカバーしており、多くの資料でハンズオンや動画コンテンツが提供されています 。

ニフティ株式会社

特徴: 先輩エンジニアが内製で行う研修「エンジニア定例」の資料を公開しています 。2025年度版では、特に「生成AI 2025」が新設され、Web開発に関する包括的な知識習得を目指したカリキュラムが提供されています 。  

自社の教育に公開資料を活かす戦略

公開されている高品質な研修資料を戦略的に活用することで、社員の成長と組織全体の技術レベルを同時に向上させることができます。

アウトプットが一番の学習機会

研修で学んだことを自分の言葉で整理し、他者に説明する「アウトプット」の機会を設けることは、学習内容の定着率を大幅に向上させます。他者に教える為、改めてその技術について学び直し、最新トレンドのキャッチアップすることにもなります。
また、発表会という形で、学んだ内容をアウトプットすることは、受動的な学習から能動的な学習へと転換させ、より深い知識の定着にもつながります。例えば、サイバーエージェントでは、受講者が短編ドラマやウェブページを作成して発表する機会を設けています。また、発表後のフィードバックや質疑応答の時間を設けることは、お客さんや上司へのプレゼンテーションの練習にもなり、自身のレベルアップにつながります。  

外部研修に比べて安価に実施できる

外部の専門サービスに研修を依頼すると高額な費用がかかります。これに対し、無料で公開されている高品質な研修資料を利用したり、社内の講師で内製研修を行うことで、コストを大幅に抑えつつ、自社のニーズに合った内容の教育を継続的に実施することが可能です。

最後に

技術の進化が加速する現代において、社外に公開されている高品質な研修資料は、自社組織/コミュニティなどエンジニア業界全体の技術レベルを向上させるための貴重な財産です。

弊社では新卒採用はしてませんが、これらのリソースを戦略的に活用することで、常に変化に対応できる柔軟な組織を構築し、技術者一人ひとりの継続的な成長を支援することができるでしょう。

外部の資料読むだけでも勉強になりますので、読書会という形で、自社に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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