はじめに
「もう少し仮説を持って考えてから動いてほしい」
上司からこういうフィードバックをもらうようになって、しばらく経ちます。
自分でも薄々気づいてたんですよね。エラーが出たらすぐ Claude Code にそのままペーストして「なんで?」って聞く。問題が起きたら「どこに原因があるか」を自分で考える前に AI に丸投げしてしまってる。
これって、AI をうまく使えてるんじゃなくて、ただ AI に依存してるだけだなと。
で、こういう思考の浅さって「気をつけよう」と思うだけじゃなかなか変わらないんですよ。意識だけで行動パターンを変えるのは難しい。だったら、仕組みで強制してしまおうと思って、Claude Code の skills 機能を使って思考強化ツールを自作してみました。
Claude Code の skills 機能とは
skills は、よく使うプロンプトをスラッシュコマンドとして登録できる機能です。
~/.claude/skills/ ディレクトリの下に SKILL.md を置くだけで、Claude Code から /スキル名 で呼び出せるようになります。~/.claude/ 配下に置くことで、どのプロジェクトからでも共通で使えるのが便利なポイントです。
~/.claude/skills/
└── thinking-critic/
└── SKILL.md
今回作ったのは、自分の「思考の浅さ」を矯正するための skill です。
作った skill:/thinking-critic — 全ての発言の思考深度を自動採点
これが一番過激なやつです。
スラッシュコマンドで呼ぶというより、CLAUDE.md に常時起動する設定として組み込むイメージで作りました。全ての発言・質問・依頼に対して、回答の前に思考チェックを挟みます。
どんな仕組みかというと、こうです。
採点される軸はこの5つです。
| 軸 | チェック内容 |
|---|---|
| 問題定義 | 問題が具体的に定義されているか |
| 仮説 | 原因について仮説を持っているか |
| 検証 | 実際に試して確認したか |
| ゴール状態 | 完了条件が明確か |
| なぜ分析 | 「何を」ではなく「なぜ」を問えているか |
評価は ✅/⚠️/❌ で、総合評価は「浅い / 普通 / 深い」の3段階。
イメージとしてはこんな感じで出力されます。
## 🧠 思考チェック
| 軸 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 問題定義 | ❌ | 「なんかうまくいかない」は問題定義になっていない |
| 仮説 | ❌ | 原因の仮説がない |
| 検証 | ⚠️ | エラーログは確認済み |
| ゴール状態 | ❌ | 何をもって解決とするか不明確 |
| なぜ分析 | ❌ | 症状だけ報告、原因を掘っていない |
**総合評価**: 浅い
**次回の改善ポイント**: エラーが起きたら「なぜこのエラーが出るか」の仮説を1文作ってから質問する
毎回これが出てくるので、「また浅いって言われた…」となるんですけど、それが狙いではあります。習慣化のために省略しない設計にしてます。
「小さいタスク・簡単な質問でも毎回やる」というのがポイントで、これをやることで「仮説を持つ」というのが体に染み付いていくはず(という目論見)。
使ってみた感想
劇的に変わった、とは正直言えないです。
ただ、じわじわ変化してきていることはあって‼️
毎回「問題定義・仮説・ゴール状態」を評価されるので、Claude Code に何かを聞くとき、無意識のうちに「あ、問題は何だっけ」「どこが原因だと思う?」「解決したらどういう状態になってる?」を考えるようになってきました。
現状の課題と、次にやろうとしていること
ただ、一つ大きな課題があります。
発火タイミングが安定しない。
/thinking-critic は CLAUDE.md に記載することで常時起動させる想定で作ったんですが、実際には毎回発火するわけじゃないんですよね。Claude Code の仕様上、CLAUDE.md の内容がそのままコンテキストに乗るため、会話の流れや状況によってスキップされることがあります。
「毎回・必ず実行」という設計原則が守られないと、習慣化のツールとしては機能しないんです。
で、今検討しているのが hooks を使った実装。
Claude Code には PostToolUse や Stop などのタイミングで任意のスクリプトを実行できる hooks という仕組みがあります。これを使えば、スキルの発火を Claude の判断に依存せず確実に実行できる。さらに、毎回の思考チェックの結果を Obsidian に自動で記録して、自分の思考パターンの変化を追えるようにしたいと思っています。
イメージとしては、こういう流れです。
まだ検討段階ですが、これができると「仕組みで強制する」という当初の目的により近づけるかなと。
まとめ
Claude Code の skills 機能を使って、思考強化ツール /thinking-critic を作りました。
✅きっかけは上司からの「思考が浅い」というフィードバックで、「意識を変える」じゃなくて「仕組みで強制する」という発想です。
👉劇的な改善はまだないですが、毎回採点されることで「問題は何か・仮説は何か・ゴールは何か」を考える意識はついてきました。課題は発火タイミングの不安定さで、hooks + Obsidian 連携で解決を検討中です。
👤AI をうまく使えているかどうかの差って、結局「AI に聞く前に自分でどれだけ考えているか」だと思ってます。AI に丸投げしても答えは出るけど、それだと自分の思考力は上がらない。仕組みで強制することで、少しずつでも変えていきたいなと思っています。