誰でも楽しく法律が読める《法令.app》というWebアプリを作っています。
法律関係の開発をする難しさの1つが「データサイズの振れ幅が大きいこと」だと思います。一行で終わる法律もあれば、数百万文字(!)もある法律もあります。テキストの処理に苦労していたら、630ページもあるPDFが添付された省令が出てきたりします。(巨大PDF対策については、またQiitaで書きます。フォローお願いします!)
レジ打ちの「イス」は、実は義務だった?
ニュース記事:“座るレジ係”増加中…実は立ちっぱなしNGでイスの設置は義務 客の理解進み変わる接客
根拠法令を読んでみましょう。労働安全衛生規則 第615条です。(文言にこだわる法律で、何でイスが「いす」なんでしょう・・ひらがなに完全に埋もれてテキスト検索で苦労したじゃないか、、)
事業者 は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。
さて、毎度ベンチマークに使って申し訳ないE-Gov法令検索の当該ページを見てみます(リスペクトしてます!1)。これはPCの表示ですが、スマホでも同じく、「目次」から表示されます。
ブラウザのテキスト検索で「第六一五条」と入れれば確かに最速ですが、他の箇所にヒットもするので「ピンポイントで探す方法」で考えます。目次は便利です。「ゆる言語ラジオ」の堀元さんが「目次こそ人類の偉大な発明の1つ」と言っていた(ような気がします)。
しかし、目次がすでに長い。スマホでもPCでも5画面スクロールしたところでやっと出てきます。
ユーザーの確認を待たずに問答無用でジャンプする
スマホアプリのAND六法さんの実装から多大なインスピレーションを受けています(「パクって」ないです!「モチーフ」を発展させました汗)。
現在はストアからなくなっていますが、当時の「定番の法律アプリ」だったと思います。無料版の機能はシンプルでしたが動作は速い方で、何より「条番号検索」機能が素晴らしかった。使い方の説明はいっさいなし。下の番号を押すと「押した番号らしき条番号にジャンプ」します。
マロン:じゃあ、2桁以上だとどうなるの?押す度に行ったり来たりしちゃうのか
ひばり:ちゃんと入力を待ってくれる。全部の桁を入力「できるであろう時間」が経過したら勝手に飛んでいく!それはもう「問答無用で」ジャンプするよ
マロン:間違えたらどうするの?
ひばり:打ち直す
マロン:何を打ったか確認しながらやれば大丈夫か・・
ひばり:何を打ったか表示されない。なんならボタンの反応も無い。
マロン:不親切すぎない?
ひばり:慣れれば速い。スマホで「キーボードが割り込んでくるストレス」に比べたら誤差の範囲。そして、だんだん楽しくなってくる!
《法令.app》では入力を確認する表示と「プログレスバー」を付けました、(AND六法の「Sっぽさ」も魅力でしたが、少しソフトにしました)。「次の数字」を入力するとカウントダウンはリセットされます。
小ネタすぎて「ゲーミフィケーション」とまで言えるかは微妙ですが、少しでも楽しく速く操作できるといいので他の機能にも増やしていきたいと思います(トップページでは、アクセスの度にランダムにオススメ法令を見せるなどの「ちょっと楽しい」仕掛けもあります)。
ぜひ一度試してみて下さい!
すごい人がいるものですね
AND六法の作者さんは現役の弁護士さんのようです。
次回紹介するSmartRoppoのカルアパ(@lawyer_alpaca)さんも弁護士さんのようです。能力もそうですがバイタリティがすごいですね!
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「E-Gov法令検索」の、充実した法令APIやアクセシビリティ、そして使わせてもらった元データのXMLファイルを読むと、(XMLを評価する知識はないんですが)膨大な検討とコストがかけられたことが察せられます(人力でやった部分も多いのでは・・ゾッとします・・)。「巨人の肩に乗って」楽しく開発させて頂いています。 ↩