この記事はOutSystems AI Agent Hackathon 2025で作成したアプリに関する記事です。
OutSystemsとは?
「OutSystems(アウトシステムズ)」とは、OutSystems社がリリースした、「超高速開発を実現できるローコード開発/運用プラットフォーム」です。
一言でローコードと言ってもそれぞれ得意領域は異なります。
正直、OutSystemsは市民開発には向かないと思います。適材適所で使い分けましょう。
- 市民開発向きのツール(サイボウズさんのkintoneやジャストシステムズさんのJUST.DBなど)
- スプレッドシート感覚のツール(AritableやNocoDB)
- 生成AIアプリ開発ツール(Dify)
- エンタープライズ向けローコードツール(OutSystems,Mendix,Pega)
OutSystems AI Agent Workbenchとは?
公式説明は以下の通り。
業務効率化、カスタマーエクスペリエンス向上、収益拡大をもたらすカスタムエージェントの開発を支援するAgent Workbenchには、3つの重要な機能があります。
- AIモデルとデータの統合: LLM(カスタムまたは事前学習済み)とエンタープライズデータ(構造化または非構造化)の基盤レイヤーを設定することで、エージェントのアクションと意思決定が強化され、大きな成果をあげられるようになります。
- AIエージェントのライフサイクル管理: ローコードならではのアジリティ、エンドツーエンドのセキュリティ、そしてアプリポートフォリオ全体のコンテキストすべてを活かし、エージェントの開発、テスト、デプロイ、監視を行えます。
- AIエージェントのオーケストレーション: マルチエージェントのワークフローやパターンを開発して、一つ上の自動化を実現し、大きな成果をあげることができます。
「正直、よく分からない」と思っていたところ、タイミング良くHackathonが開催されるとのことでしたので、仕事仲間と一緒にHackathon参加となりました。
Hackathon概要
詳細は公式サイトを確認頂くのが良いですが、概要は以下の通り。
テーマ: Agentic AI × Low-Code で未来を創る
AIが自律的に思考・行動し、人の仕事を支援・拡張するアプリケーションを開発。
その中で、Agent Workbenchをどのように活かすかが最大の評価ポイントとなります。
💡 こんなアプリを募集!
・社内FAQやマニュアルをもとに回答する「問い合わせ対応エージェント」
・スケジュール調整を自動化する「業務支援AI」
・営業・教育・開発などのデータを要約する「レポート生成AI」
・学習進捗から教材を提案する「個別学習エージェント」
・ToDoやメッセージを整理してくれる「パーソナルAIアシスタント」
小さなプロトタイプでもOK!
Agent Workbenchの活用方法とアイデアの独自性を重視します。
⚖️ 審査基準
・Agent Workbench活用の有効性:AIが自律的にタスクを実行・支援しているか
・課題設定と解決アプローチの明確さ:ユーザー課題に基づいた論理的な設計か
・実装内容・再現性:他の開発者が参考にできる技術構成か
・インパクト・社会的意義:人や社会に新しい価値・体験をもたらしているか
🧩 提出内容
- デモ動画(3分以内):アプリの主要機能・AIエージェントの動作・Agent Workbenchの活用を紹介
- 説明資料(PDFまたは記事URL)
- ターゲットユーザーと課題
- 解決策・機能概要
- Agent Workbench の活用内容(エージェント設計や連携方法)
- システム構成・技術スタック(外部API, Forge等)
- (任意)OutSystemsアプリファイル(.oml)
本記事が☝️の説明資料となります。
解決したい課題
日本企業では世代間ギャップの広がり・グローバル化・多様性の拡大により、コミュニケーションスタイルの多様化が進んでいる。儀礼的表現を重視する人、簡潔さを求める人、直接的な表現を好む人など、相手の期待値が多様化する中で、一方的で画一的なコミュニケーションでは機能不全を起こす。
「検討します」という表現も、相手によって「NO」と解釈されたり「検討中」と受け取られたりする。本質的な課題は、相手のコミュニケーション特性を理解せずに自分の型を押し付けることにある。儀礼を重んじる相手には丁寧に、効率を重視する相手には簡潔に、文化的背景が異なる相手には明確に伝える「使い分け」の能力が求められている。
多様な組織における円滑なコミュニケーションの実現を目指したプロダクト、それが日本語から日本語へ、伝わる翻訳アプリです。
ターゲットユーザー
1. 多様化する日本企業の中で、外国人社員への指示に苦慮する40歳代管理職
「難しいですね」と断ったつもりが「では簡単な方法を考えます」と返答された、「検討します」と保留したら毎日進捗を聞かれる——日本的な婉曲表現が通じない外国人部下とのコミュニケーションに悩む。直接的に「NO」と言えない自分と、明確な指示を求める部下との間でストレスを抱えている。
2. 正しいコミュニケーションを模索することに疲弊した20代若手社員
上司には儀礼的に、先輩には敬意を込めて、同僚にはカジュアルに、外国人社員には明確に——相手によって異なる「正解」を探し続け、メール一通書くのに30分悩む。世代・文化・役職によって異なる期待値の中で、自分のコミュニケーションが適切なのか常に不安を抱えている。
解決策 - 嫌なことこそAIにお任せ
自然体での発信を実現
- 長年の習慣を変える必要なし
- 自分らしいスタイルでメッセージ作成
AIによる自動最適化
- 婉曲表現 → 外国人向けに明確な表現へ変換
- カジュアル文 → 上司向けに適切な敬語へ変換
- "検討します"→ 相手に応じて"実施予定なし" or "検討中" を明示
双方向のストレス解消
- 発信者:相手に合わせる負担から解放
- 受信者:察する必要なく正確に理解
誤解のない職場環境の構築
- 文化的背景の違いを技術で橋渡し
- 世代間ギャップを自動調整
- 多様性を活かすコミュニケーション基盤
「日本語から日本語へ、伝わる翻訳アプリ」の機能概要
1. ContextAnalyzer(文脈分析AIエージェント)
ユーザーが入力したメール本文と送信先のプロファイル情報を照合し、テキストがターゲットとの間で生み出す潜在的なコミュニケーションリスクを分析しレポートします。
2. GreatTranslator(文章変換AIエージェント)
ユーザーが入力したメール本文と送信先のプロファイル情報を照合し、より適切なメール本文を提案します。
3. リスクレベルに応じたメール送信可否判定機能
文脈分析AIエージェントのリスク評価の結果リスクレベルが低い場合は、ユーザーによる確認無しでメール送信、リスクが高い場合は、ユーザー確認を求めます。
4. プロフィール管理機能
より適した分析と文章変換を行うために、送信相手先単位に各プロフィール属性を管理します。
- 世代
- 年齢
- 役職
- 国籍
- 好きなコミュニケーションスタイル/嫌いなコミュニケーションスタイル
Agent Workbench の活用内容(エージェント設計や連携方法)
ContextAnalyzer(文脈分析AIエージェント)
システムプロンプト
あなたは「日本語から日本語へ、伝わる翻訳アプリ」システムの一部である、
専門の「文脈分析AIエージェント」です。
あなたの目的は、ユーザーから提供された「未加工テキスト(Raw Text)」と、
変換ターゲットである「相手プロファイル(Target Profile)」のデータ(世代、国籍、役職、コミュニケーションスタイル)を厳密に照合し、
そのテキストがターゲットとの間で生み出す潜在的なコミュニケーションリスクを分析することです 。
未加工テキストの真の意図、具体的な状況、
およびターゲットに対する潜在的な誤解や心理的安全性の欠如につながるリスク要因を特定し、
**リスクレベル(1〜5段階)**を評価してください。
分析結果は、**以下の厳密なJSON形式**でのみ出力してください。
JSON以外の説明や追加のテキストは一切含めないでください。
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JSON出力形式:
{
"AnalysisReport": "具体的な文脈・リスク要因の詳細な分析(200文字程度で、なぜそのリスクレベルになったかを記述)。",
"IdentifiedIntent": "未加工テキストの真の意図(例: 注意・指摘、依頼・お願い、謝罪)",
"SituationContext": "ターゲットにとっての状況(例: 初めてのミス、繊細な話題、Z世代部下への業務指示)",
"RiskLevel": "潜在的誤解リスクの評価(1から5の整数値。5が最高リスク)",
"PotentialRiskPoints": [
"ターゲットにとってのリスク要因1(例: 専門用語が多すぎる、曖昧すぎて伝わらない)",
"ターゲットにとってのリスク要因2(例: 文化的配慮に欠ける表現、高圧的なトーン)"
]
}
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シーケンス
GreatTranslator(文章変換AIエージェント)
システムプロンプト
あなたは「日本語から日本語へ、伝わる翻訳アプリ」システムの一部である、
専門の「文章変換AIエージェント」です。
あなたの唯一の目的は、提供された「未加工テキスト」と「ユーザープロファイル」の情報を基に、
以下の明確な目標を達成することです:
1. **潜在的リスクの解消:** 分析レポートで特定された**リスクレベル**(特にリスク3以上の場合)、
および**潜在的リスク要因**(例: 高圧的、曖昧、文化的配慮欠如)を、**完全に解消**する。
2. **文化的・世代間の最適化:** ターゲットプロファイル(世代、国籍、コミュニケーションスタイルなど)に合わせ、
テキストをより**心理的安全性の高い、建設的かつ適切な距離感**を持つ日本語表現に変換する。
3. **意図の明確化:** 元のテキストの「IdentifiedIntent」(例: 注意・指摘、依頼・お願い)を、
婉曲表現を避けつつ、ターゲットに**最も明確かつ伝わる形で表現**する。
**注意事項:**
* **出力は、最適化された最終的な日本語のメッセージ本文**のみとしてください。
* JSON形式や、変換以外の説明、コメント、分析結果の再確認、挨拶などは一切含めないでください。
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**例:**
* **入力:** 「お前、これ間違ってるよ。すぐやり直せ。」
* **目的:** Z世代新入社員(リスク5)向けに、感情的摩擦を避けた建設的な指導メッセージに変換する。
* **出力:** 「{{ OriginalText }}について確認させてください。ここをこう修正すると、よりプロジェクトの目的に合致し、さらに良くなりますよ。最初は誰でも間違えるので、気にせず、一緒に完成させましょう。」
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シーケンス
効果と今後
プロダクトの効果
今回はHackathonということで、お手軽にメール送信を想定した機能としましたが、チャットベースの方がより利用イメージが広がったかな、と反省しております。
様々なギャップが拡大している中、相手に合わせたスタイルでコミュニケーションすることが大事なのは当然。一方で、多様でスピーディな環境において、全員に対してそれぞれの嗜好を理解し、最適な表現を導き出すというのは非現実的なのも事実。
そういう点に改めて気づけたという意味では、意味のあるプロダクトだと考えています。
今後(本当に作りたかったモノ)
- chat履歴やHRシステムと連携して、受信者プロフィール情報を自動で充実、調整する機能
- 発信者側のプロフィール(他人からどう見られているか)も加味して、リスク判定&添削する機能。誰が発信するかによっても、受信者側の評価は変化する。
- 添削結果の評価機能と評価結果を次の添削に反映する機能。
- リスク高の発信が続いている場合、周囲にアラートを通知する機能。
まとめ
結局、AI Agent Workbenchとは何なのか、まだよく分かってません。
- 「ただのスケルトンじゃない?」
- 「『自律的』の部分を担っっているのは、WorkbenchじゃなくてWorkFlowの方では?」
ただ、とりあえずチームでワチャワチャやれたので、楽しかったです!
参加してくれたチームの皆様、ありがとうございます。


