はじめに
「情報工学科の学生たるもの,自作PC程度も組めないまま大学生活を終えてよいのだろうか」
そんな思いが,今回の自作PC計画の出発点だった.
はじめまして.某大学情報工学科2年の階乗です.今回は,私の100%生成AI頼りの絶望的な自作PC製作記にして,初めてのQiita記事です.
無論,情報工学を学ぶ人が必ず自作PCを経験しなければならないわけではありません.プログラミングや情報科学を学ぶだけなら,市販のノートPCでも十分です.
それでも個人的には,CPU,メモリ,ストレージ,電源といった部品が,実際にどのようにつながって一台のコンピューターになるのか,自分の手で確かめてみたいと思っていました(あと,それらを机でガリガリ勉強するだけなのが,あまりにもつまらなすぎて頭がおかしくなってしまいそうだったからです).
一方で,10万円以上するゲーミングPCを組み,高画質・高フレームレートでFPSを楽しみたい,というわけでもありません.私は小学生のとき,FORTNITEが下手すぎて友達からハブられていましたしね.ガハハハ.はあ.
というか,一気にぽんと10万円を出せるような財力と胆力は私にはありません.
とどのつまり,欲しかったのは性能ではなく,安価さと経験です.
そこで,中古パーツを中心に,Ubuntuが動作してLinuxやサーバーの勉強だけに使えるPCを約3万円で作ることにしました.
ここまでは私のアイデア.ここから先のパーツ選び,購入,組み立ては,ほとんど生成AI任せです.ほんま,この時代に生きていてよかったなあ.
そもそも何が分からなかったのか
調べる前の私は,「CPUやメモリをマザーボードに取り付ける」という大まかな流れこそ知っていました.しかし,実際の作業,各パーツのおおまかな価格帯,そもそも何を買えばよいのか……分からないことだらけでした.
初心者向けのまとめサイトも,私にとっては玉石混交でした.役に立つものもあれば,情報過多でよく分からないものもある.それらを何個も確認して比較するのも,しんどい.
分からない用語,会社名,商品名.やりたくもない暗号文の解読をさせられているような気分で,なかなか頭が働きませんでした.
「では,詳しい人に聞けばよいのでは?」と思う人もいるかもしれません.でも私には,大学に同学科の友達がいません.SNSの人に無知蒙昧さをさらして堂々と質問することもできませんでした.もうオシマイの人間です.
……
そんなオシマイの人間にも,何度でも優しく教えてくれる存在がいました.生成AIです.チャッピー,ほんまありがとな.
ChatGPTだけに頼るのも不安だったため,GeminiやClaudeにも,同じ計画や質問を確認してもらいました.最後には製品の説明書や現物のラベルも見ましたが,そこまでたどり着くための案内役は,ほぼすべて生成AIでした.
購入と組み立て
構成
最終的に動作した構成は次のとおりです.
| 種類 | 製品 | 状態 | 価格 |
|---|---|---|---|
| CPU・クーラー | AMD Ryzen 5 2400G,AMD純正クーラー | 中古 | 3,980円 |
| マザーボード | ASRock B450 Pro4 | 中古 | 7,500円 |
| メモリ | SK hynix DDR4-2400 8GB | 中古 | 3,500円 |
| SSD | TOSHIBA THNSNJ256GCSY 256GB | 中古 | 3,000円 |
| ケース | ZALMAN T8 | 新品 | 3,173円 |
| 電源 | 玄人志向 KRPW-BD650W/85+ | 新品 | 4,973円 |
| 電源コード | FUNZUR 2m,3P-2P | 新品 | 989円 |
| 熱伝導グリス | AKEIE シリコングリス | 新品 | 399円 |
| SATAケーブル | SATA 3.0,50cm | 新品 | 315円 |
| インストール媒体 | KIOXIA USBメモリ 64GB | 新品 | 2,164円 |
| 合計 | 29,993円 |

中古で購入したRyzen 5 2400GとASRock B450 Pro4.
ガチで3万円に収まるんか……という感じでした.なんならUSBメモリも新しいものを……と追加しちゃったのですが,それでもほとんどぴったり.うーん天才か?俺は AIはほんとにすごいですね^^
モニターやHDMIケーブル,キーボードなどは実家にあったものを借用しました.モニターに関しては,使われていなかったテレビです.もったいないんでね.
中古品はすべてメルカリで購入しました.パーツ間の相性についてもまったくの無知だったので,生成AIに相談しつつ,「説明がしっかりしているもの」,その次に「安いもの」という優先順位で選びました.
結構チキったか?とも思いましたが,何度も買い直す面倒より安全を優先した次第です.それでも目標金額には収まりました.
(なお,後述する発煙した中古電源2,200円まで含めた実際の支出は32,193円です.中古電源については返品・返金を依頼しているため,上の表には含めていません.)
組み立てや,中古品が届いた後の状態確認についても,ほぼすべて生成AI頼りでした.
- まず確認すべき場所を聞き,指示された部分の写真を撮る
- 写真だけでは判断できなければ,追加で必要な画角を聞く
- どのケーブルをどこに挿すか分からなければ,コネクターの文字とマザーボード全体を一緒に撮って確認してもらう
さすがに説明書くらいは読みましたが,初心者には説明書を読んでも分からないことが多々あります.「説明書のどこを見ればよいのか」から聞けたのは,非常に助かりました.製品の型番がわかっていればネットに上がっている説明書からもAIは教えてくれます.
中古電源からの発煙
当初は費用をさらに抑えるため,2,200円で中古のFSP500-50ERN(500W)を購入しました.
商品説明では動作品とされていました.しかし,初めて通電したところ,数十秒ほどで電源ユニット内部から煙が発生しました.
あー,終わったわと思いましたね.
すぐに電源を切り,ACケーブルをコンセントから抜きました.発煙した電源は再通電せず,分解もしていません.
少なくとも目視ではマザーボードに焦げ付きは確認できませんでした.ただ,この時点ではほかのパーツが無事なのか断定できませんでした.
そこで新品の玄人志向KRPW-BD650W/85+へ交換しました.再び電源を入れるのはなかなか怖かったのですが,今度は正常にUEFI画面が表示され,その後Ubuntuも起動しました.
組み立て完了
その後も,I/Oパネルがうまくはまらない,マザーボードのネジ穴が合わない,ケースのガードが邪魔で端子へ手が届かない,SSDをどこに固定すればよいか分からない.細かな問題が次々に出てきました.
さらに,完成後に再起動するとSSDが認識されず,毎回UEFI画面が開く問題も発生しました.原因は,SSDの固定位置によってSATA端子が圧迫され,接触が不安定になっていたことでした.

SSDの固定位置とケーブルの取り回しを確認していたときの様子.
それらも一つずつ写真を送り,確認し,挿し直し.最終的にはケースへ固定した状態でUbuntuが起動するところまでたどり着きました.

完成後,Ubuntu 26.04 LTSの起動とネットワーク接続を確認した.
現在は日本語入力と大西配列も導入し,いろいろ試しています.
自分だけで説明書を読んだり調べたりするだけでは,分からないことがあるたびに確認しては違う機種の解決方法で失敗したり,萎えたり,だれたり,落ち込んだり,めげたり,しょげたり,泣いちゃったり,がんこちゃんに慰めてもらうしかない.そんな絶望的な状況にあったと思います.
生成AIたちに感謝感謝.
まとめと,これからやりたいこと
3万円で完成したのは,高性能なゲーミングPCではありません.
しかし,CPUを取り付け,グリスを塗り,メモリを挿し,電源を配線し,UEFIから起動デバイスを選び,Ubuntuをインストールするところまで,自分の手で経験できました.
中古電源から煙が出たことも,ほかのパーツが無事だったから言えることではあります.とはいえ,まあ,いい勉強にはなったのではないかと思います.
今回の約3万円は,単にPCという完成品を買う費用ではありません.コンピューターの中身を実物で学ぶための教材費であり,経験のためのよいお金の使い方だったと考えています.
今後はこのPCを使い,Bashスクリプトによる定型作業の自動化,独立した検証用ネットワークの構築,WebサーバーやGitサーバーの運用などができたらいいなあ,と思っています.
ということで,約3万円で自作PCを作りました.
3万円なら,頑張ればひねり出せるという大学生も多いと思います.高性能なPC,ゲーミングPCではなく,PCを組む経験そのものが欲しい人.私のように友達や協力者がいないけれど,ゼロ知識でもPCを安価で作りたいんだ!という人の参考になれば幸いです.はじめてのQiita記事で見苦しい文章だったかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
