##1.「Teamsに投稿した共有ファイル埋もれがち問題」とは
わたしの職場ではリモートワークが推進されており、チームメンバー間のコミュニケーションは主にMicrosoftの「Teams」を使用しています。
チームメンバーは4名で、各々が他のメンバーに共有したいファイルをチームのチャットに投稿していくので、過去に投稿した重要なファイルが埋もれてしまい、必要な時にすぐに取り出せないのです。
共有しているファイルの中にはタスクの進捗に応じて都度更新が必要だったり、定例のミーティング(毎朝もしくは毎週)でチェックしているファイルが含まれているので、この状況に頭を悩ませていました。
##2.解決手段
今回は、毎朝の定例ミーティングで必ず全員が目を通すファイルを毎日探さなくてもいいように、解決を図りました。
###2-1.自動化したフロー
- Teams上で共有されているExcelの最新ファイルを指定時間にダウンロード
- ダウンロードしたファイルを添付+原本URLを記載したメールを作成
- 作成したメールを、チームミーティング(毎朝9時15時開始)の前までにチームメンバーに送信
###2-2.自動化した結果
チームミーティングの開始前に必要な情報が盛り込まれたメールが届くようになりました。
###2-3.今回使用したツール
- Integromat
- 連携したツール① OneDrive(for Business)にアップロードされたExcelファイル
- 連携したツール② Outlook(2016)
Integromatとは
Integromatはwebサービス間の協調動作を行うためのサービスで、
IFTTTのようなタスクランナーサービスです。
・分岐や繰り返し、エラーハンドリングなど複雑な処理を行う事ができる
・データストアを持つ事ができる
・データ処理用のビルトイン関数がある(文字列操作や数値計算など)
というのが特徴です。
引用:Integromatの使い方 @nendocode
Teamsでアップロードしたファイルはどこに保存されているのか?
チャネルにアップロードしたファイル:SharePoint フォルダー
チャットの会話で共有されたファイル:OneDrive for Business フォルダー
にそれぞれ保存されているようです
###2-4.Integromatで作成したシナリオ詳細
####全体
「Microsoft 365 Excel」と「Microsoft 365 Email」のモジュールをつなぎ合わせています。
####各モジュール設定詳細
#####①Microsoft 365 Excel側の設定
#####②Microsoft 365 Email側の設定
各モジュールに、Microsoftアカウントを接続する場合にはサインインが必要です
「Add」のボタンから「Connection name」に適切な名称を設定するとサインインの画面へ遷移します
##3.試運用後の利用者からの反応
※内容補足のため一部加筆修正しています
###3-1.感想
- 毎朝実施しているMTGの中で使用する際、毎回ファイルを探して開く必要があり面倒だったが、便利になったと思う。
- ファイルが埋もれるので、頻繁に見るファイル(の表示)を固定出来る方法が無いか調べる予定だった。
- 朝確認したい時なかなか映らないときがあるので…これがあれば助かります
###3-2.改善要望
- メールでの通知時刻はミーティング開始時間直前が良い。始業からミーティング打ち合わせまでにファイルを更新することがあるので
- htmlのタグが若干おかしいの修正
- リンクの表記は「こちら」でなく、ファイル名にしてリンクをつけてほしい。(自分で見に行く時の参考になる。ファイル更新された場合、正しい遷移先かわかりやすい)
⇒上記はすべて修正して翌営業日から反映させました
- 大体毎週金曜日に関係者宛に同じファイルをお送りしているのですが、同じようにこの日のこの時間で決めて自動配信してもらえるとすごく嬉しいです。
⇒今後調整予定
- ネットが重くてすぐにリンク先が開かなかった。毎回(ダウンロードやアクセスに時間がかかる)遅いと、使わなくなっちゃいそう。
⇒添付ファイルで対策はしてみたものの、それ以外の良い解決案思い浮かばず…
###3-3.その他要望
- (月曜日のミーティングで使用するファイルも)毎週金曜の16:00にタスク管理用のファイルを送り、サーバーにあるものを更新するよう案内して欲しい
⇒Power Automateを使用したフローを作成し運用開始(Teamsへリマインドメッセージを投稿)
- 協力会社も宛先に加えたら、担当者の仕事がひとつ減るのでは?
⇒今後調整予定
- 別のツールから抽出したTO DOリストがメール本文に飛ぶとうれしい(ちょっと違う?)
⇒実現方法について模索が必要そう…
##4.作成&運用してみて感じたこと
作成したシナリオ自体は簡単なものですが、実際に使った人から出た改善案を反映させ、実用性を高めることができました。なにより、ポジティブな反応をもらえたのが、とても嬉しかったです。自分の思い込みで作りこみすぎず、早い段階でアウトプットしておくことで、ユーザーの要望を反映させやすいことを身をもって実感できました(ずばりプロトタイプ作成の良いところですね)。
周りに活用してもらうものに仕上げていくためにも、利用者の意見は貴重な情報です。今後も周りの声に耳を傾けながらこのようなサイクルを回していけるよう、フットワーク軽くアウトプットしていきたいな、と思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。