結論
一般的にエンジニア界隈では(とりわけSIの文脈でない場合)資格・資格勉強に意味はないと言われがちですが、少なくとも自分にとっては有用でした。
なぜ書くか
- 合格が発表されてすぐに合格記という形で書かれた記事は多いですが、実際に合格してから時間が経って実際のところどうだったの、という観点の記事はあまりみたことがなかったため
- 自分用の振り返り
- 記事執筆時点で新卒3年目の12月(入社して2年9ヶ月)
合格時期
- 基本情報技術者試験合格 2022年10月(新卒1年目秋)
- 応用情報技術者試験合格 2023年10月(新卒2年目秋)
試験をふりかえる
基本情報・応用情報とも駆け出しエンジニアである1・2年目で合格することができていますが、筆者はどちらとも2回目の受験で合格しています。両方とも1回目で受かっていたほうがもちろん格好いいのですが、筆者はそうではありませんでした。今になって改めて思う合格要因・不合格要因を下に挙げてみます。
基本情報技術者試験
1回目不合格要因
- 申し込み・学習開始時期が遅かった
- 2022年4月に入社し、入社後5月実施の試験を受験
- IPAの基本情報技術者試験が春秋の2回からCBT方式に切り替わる最後の年であったため、受験するなら春か秋かの2択ということで、ダメ元で申し込み
- 学習時間およそ1ヶ月~1ヶ月半、端的に学習時間不足
- 2022年4月に入社し、入社後5月実施の試験を受験
2回目合格要因
- 端的に学習時間が足りていた
- 新卒1年目で絶対に取得しておきたいという執念
- 実際、2回目の試験前3ヶ月位はやや燃えプロジェクトにいて月残業40H弱あったのですが、隙間時間で勉強するようにしていました
- 昼ご飯を食べながら頭にとにかく詰め込んでいました
今思えば
- 無理に春合格を目指さず、秋に向けて学習を進めるのでもよかったかもしれません(現在基本情報はCBT方式で受験できるため、春試験・秋試験という縛りはないですが)
- 入社による環境変化・仕事・新生活そのものの負荷も自分が思っている以上にあると認識しておいてよかったかもしれない
- 欲を言えば、入社前から勉強を始めておくべきだった
- 今は学生時代に基本情報・応用情報を取得される学生の方も少なくないと聞きます、よいと思います
お世話になった参考書・サイトなど
- 年度は違いますが、キタミ式
- 読んでよかったです
- 基本情報技術者 過去問道場
- やりこみました
- 年度は違いますが、午後対策
- 学習記録を見返したところ、結局10時間程度しか着手していませんでした
- らくらく突破Java
- 学習記録を見返したところ、ほんの少しだけやっていました
応用情報技術者試験
1回目不合格要因
- 単純に日々のリソースの割り振りが難しかった
- 通勤時間往復3時間の日々、残業、慣れない業務
- 片道1時間半の通勤時間を使って勉強するものの、くたくたの日々…
- タスクへの優先順位付けが下手だった
- 思うところあり、この頃は可処分時間の配分の多くを英語学習に割いていた
- まだまだですが、この頃作った土台のおかげで2024年5月にはTOEIC700点を取得できました(やっとこですが)
- にもかかわらず、応用情報もいけるんじゃないかと思っていた
- 仕事・プライベート・応用情報・英語、両立したいものがさまざまあるなかで、時間と自分の精神的リソースの配分を考えられていなかった
- 思うところあり、この頃は可処分時間の配分の多くを英語学習に割いていた
- 基本情報でネットワークの勉強を全捨てしたツケがきた
- これは完全に自業自得なのですが、個人的にネットワークの分野が非常に苦手で、基本情報ではほとんどネットワークの分野を勉強せずに合格しました
- が、応用情報はご存知のとおりセキュリティ分野が重めに出題されるため、ネットワークがわからないことで学習に詰まる場面が頻出
- 結局のところ、ネットワークの基礎に立ち戻って学習し直す必要が生じました
- インプットを飛ばしてアウトプットに注力していた
- 適切なインプットがなければもちろん問題を解くことは難しいのですが、基本情報は過去問道場の繰り返しで合格できていたため、応用情報も過去問道場から着手していました
- が、脳内に体系的理解がなかったため、結局のところ問題を解いても断片的な知識でのインプットとなってしまっていた
2回目合格要因
- 逃げていたネットワークと向き合った
- 体系的なインプットを行った
- 学習時間が足りていた
なお、余談
応用情報技術者試験は午後が難関であると巷ではよく聞きますが、個人的には午前の理解が深まっていて、かつ元々読解が得意な人はほとんど午後試験の勉強なく午後も合格できる水準に達すると思います。私は応用情報の午後試験対策は、最終的に10時間程度でした。
今思えば
- 可処分時間、および、自分の体力と精神力とを把握できたらよかった
- とはいえ、業務量や疲労など変数が多くて見積もりが難しいのも事実
- 英語学習か応用情報の学習か、せめてどちらかに絞れていたらよかったようには思う
- よくも悪くも「えいや」で申し込みがち
- 申し込んでしまうとその時点で金銭的負荷・精神的負荷が発生するにも関わらず…
- よくも悪くも「えいや」で申し込みがち
- 基本情報で苦手分野から逃げたらダメ、ゼッタイ
- 結局ツケが回ってくることになります
お世話になった参考書・サイトなど
- 年度は違いますが、キタミ式
- でも正直これは読まなくてもよかったかも
- 応用情報技術者 ポケット攻略本
- これのおかげで合格しました
- 知識の体系的インプットがストレスなくできて、非常によいです
- この本を1冊理解・覚える気概で勉強したら合格できると思います(個人の意見です)
- ネットワークのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる本
- ネットワーク苦手民でしたが、とてもわかりやすかったです
- 応用情報技術者 過去問道場
- まあまあやりました
- 年度は違いますが、午後対策
- 問題はあまり解いていませんでしたが、どういう構成の問題が出題されるかは全体的に目を通していました(得意そうな分野の把握など)
学習期間を思い出してみて
- 実際のところ、やはり暗記要素が強いのは否めない
- 手を動かして開発を行うというところからは外れる
- 基礎の涵養という側面が大きい
- 先々でも書いてきたが、自然言語・論理的思考が比較的得意である自覚のある人は、基本情報・応用情報ともに午後対策はあまり重点を置いてやらなくても大丈夫だと個人的には思う(※とはいえやるに越したことはないです)
- その分、インプットする時になぜそうなるのか、その背景は何か、今まで学習してきた何と繋がっているのか等考えて理解しながら問題を解いていく必要はある
- 苦手分野からも、極力逃げないこと
- 特に苦手分野がセキュリティの土壌に関連する場合、逃げちゃダメ
- 応用情報の午後問題に関しては、実務経験1年半程度でも経験から解ける構成の問題もあった
- 勉強しつつ、仕事も当然頭を使っていること前提の出題
合格してから1~2年が経った今思うこと
- 実務ですべての知識を試験で出題されたまま使うことはもちろんそうないが、体幹のように知識を支えてくれていると感じる瞬間は結構ある
- システム構成や自分が普段触れることの少ない技術について話に出された時も、最低限概略がわかる
- エンジニアとして会話をする最低限のプロトコルみたいなものがインストールされた感覚
- 「取得しなくてもこのくらい知識は当然身につく」という話があるが、たしかに日頃から好きで全般的に触っている人は知っていて当然な範囲な気がします(個人の意見です)
- とはいえ、自分の基礎を鍛えたい・網羅的に知識を育てたいと思っている人には、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験ともに非常に合っていると思う
- IPAの試験は、何だかんだ言われつつよく考えられていると思う
以上、基本情報・応用情報を合格した1年後に思う、両試験を勉強してみてよかったことでした。一個人の体験談ですが、ご参考になれば幸いです。
🔗参考Link
書籍検索用
昔のことなので詳細忘れてしまいましたが、このあたり、参考にさせていただいていた記憶があります