この記事を書くきっかけ
この記事はインターンで関われない多くの学生に向けて、「もっと早く知りたかった」を一人でも減らしたくて書いています。
自己紹介
hymという名前で活動しております。
大学ではCSを専攻しており、コンテナ基盤におけるファイルシステムの研究をしていました。新卒から CCoE → SRE として、AWS・GCP、そして Kubernetes をメインに仕事をしています。
趣味の一環で、クラウドネイティブ系コミュニティの実行委員や、OSS系のカンファレンスの現地のボランティアスタッフとしてカンファレンス運営にも関わっています。そんな「参加者」と「運営側」の両方を経験してある一定のバイアスがかかった意見だと思って読んでください。
テックカンファレンスの魅力とは?
一番の魅力は、「会社のエンジニアとしてではなく、一人のパソコンオタクとして会話できる・それが許される環境」だということです。
隣の席で知り合った人、X で繋がった人、憧れのエンジニア、お世話になった本やブログの著者。そういう人たちと直接話せます。感謝や挨拶を伝えてもいいし、技術についてもっと深く聞いてみてもいい。それをしても厄介者扱いされない、むしろ歓迎される。これがテックカンファレンスです。
自分自身、研究で何度も読み返したブログの著者に、直接お礼を伝えられたときは「来てよかった」と心から思いました。
もう一つの魅力は、怠惰かつ勤勉に勉強できること。
- 勤勉にやることは「カンファレンスに足を運ぶ」だけ
- あとはセッションを聞くと、知らない知識や考え方が自然と入ってくる
しかも、ただ座って聞くだけではありません。ハンズオンで実際に手を動かして学べるものもあります。自分自身、あるカンファレンスのハンズオンで Argo CD による GitOps や Progressive Delivery に触れ、それが今のデプロイ周りの仕事の土台になっています。
「エンジニアは日々勉強」とよく言いますが、行くだけでこれだけのインプットができるって、かなり魅力的じゃないですか?
さらに、勉強会やカンファレンスで登壇するとなれば、本気で技術と向き合い、資料を作り、人前で話す。ここまで勉強をシステム化できる場は他になかなかありません。テックカンファレンスは、エンジニアにとって最高のお祭りだと思います。
なぜ学生のうちに行くべきか
大学やサークルの繋がり、そして就活サイト。学生が普段アクセスできる情報は、範囲も深さもかなり限定的です。
その点、テックカンファレンスは違います。
- 言語や OS など、自分が興味のある分野から派生した様々な知見が集まる
- ブース・登壇・参加者として、いろいろな企業が集まっている
- 将来のロールモデルになるエンジニアも集まっている
カンファレンスの多くは学生向けではなく、現役エンジニア同士で交わされる話です。でも、だからこそ価値があると思っていて、学生向けにフィルターを通していないぶん、現場の解像度そのままに、これからのキャリアを考えられると思っています。
知らない知識や知見を得て視座を広く持って就活を臨んだり、その場で初めて知った会社の取り組みに惹かれてエントリーしてもいい。気になる企業のエンジニアが「どんな課題を、どう解決したか」を語るのを聞けば、自分がそこで働く姿をぐっとリアルに想像できるはずです。
自分の就活の反省
誤解のないように言っておくと、新卒で入った会社はクラウドを横断的にやらせていただいたことや社内やグループ内のコミュニティ運営といった自分のやりたいことを最大限サポートしてくれる、最高に運が良い就活でした。
しかし、これは「たまたま運が良かっただけ」だと思っています。
当時の自分は、やりたいことが曖昧なまま、少し行き当たりばったりで就活をしていました。「やりたいことから逆算してキャリアを描ける人」と、「やりたいことの解像度が低いまま飛び込む人」とでは、その後の歩み方の確実性がまったく違います。
生成AIを使う時と同じで、人間は自分が知っているもの以上のキャリアを描くことはできません。これが、自分が学生にカンファレンスへの参加を強く勧めたい一番の理由です
でも、自分なんかが行っていいの?と思う方へ
「知識がなさすぎて場違いなんじゃないか」「一人で誰とも話せず終わるんじゃないか」。そう思う気持ちはよく分かります。でも、参加者と運営の両方を経験した立場から言うと、むしろ逆です。
登壇者も運営も、学生や新しく入ってくる人を歓迎しています。全部を理解しようと気負わず、座って聞くだけで十分。そして「知らないこと」は、引け目ではなく繋がりの入り口になります。「さっきのあれ、どういう仕組みなんですか」と聞かれて嫌がるエンジニアはまずいません。質問ひとつが会話のきっかけになり、気づけば知り合いが増えています。
実際、自分はインフラが専門ですが、TypeScript のカンファレンスで、ask the speaker(登壇者に直接質問できる時間)を使い切るまで話し込んだり、今話題のサプライチェーン問題どう対応しているか当事者の方々に疑問を投げかけたりと専門外で知識が少ないからこそ使えるきっかけがあると思います。
学生、未経験はハードルじゃなくて、会話のきっかけを作る武器になるのでぜひカンファレンスでどんどん話しかけてください。
最後に
いきなり大きなカンファレンスでなくても構いません。connpass で見つけた勉強会からでも十分です。大事なのは、実際にエンジニアとして働いている人と話せる機会を、自分から作りに行くこと。
そこで得た「働き方の解像度」が、やりたいことから逆算したキャリアの第一歩になります。
某熱血教師のように『エンジニア志望はカンファレンスへ行け!』と大声で言いたいところですが(笑)、まずは気軽な気持ちで一歩を踏み出してみてください。