前回
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第4回の今回は、M5Stack Core 2で収集した「気圧」「気温」「湿度」をAzure側もおくるために、まずはAzure側で準備することを紹介します。
Azure IoT Hub について
M5Stack Core 2などのIoTデバイスからのデータ収集を行うとき、次のような仕組みが必要です。
- 通信をセキュリティで保護
- スケーリング
- 正常性を監視
- 可用性
具体的な実現方法については、今回は触れませんが、これらの仕組みを考慮しながらクラウド上に独自の収集ロジック用サービスを構築するには、高度な知識が必要になってきます。
オンプレミスなシステムであれば独自の通信路の維持管理なども含めてかなりの規模の開発や運用管理が必要となったでしょう。
しかし、これらの仕組みが含まれたAzure IoT Hubを使うことで、ゼロから設計および構築をしなくても一気に用意することができます。また、運用自体の負荷も利用しているAzure全体の運用の中に組み込むことで、運用負荷が著しく増加するということもありません。
IoT Hubの使用プロトコルについて
Azure IoT Hubは、MQTT (Message Queueing Telemetry Transport)、Http、AMQP (Advanced Message Queuing Protocol)など様々なプロトコルに対応しています。
今回のサンプルでは、「小さい」「大量」のデータを「低遅延」で「双方向」に通信できるMQTTを使います。
Azure IoT Hubを準備するには
Azure IoT Hubを使用するためには、まずは、Azure IoT Hub自体を作成して、そこに接続するデバイスを定義していきます。
Azure IoT Hubを作成する
Azure IoT Hubの作成は、Azure管理ポータルでリソースを作成するだけで簡単にできます。
Azure管理ポータルにサインインしたら、[リソースの作成]で「IoT Hub」を検索し、[作成]をクリックしてリソースを追加します。
プランで無料を選択する
Azure IoT Hubの料金プラン (課金額) は、作成時や作成後に指定できます。無料プランは、IoT Hubでは「F1:Freeレベル」という表記になります。
スケーリングが1だったり、「Defender for IoT」も有効にできなかったりといくつかの制限はありますが、無料プランでも基本的な機能は備えていますので、動作確認や数台を接続して試験するような場合に便利です。
Azure IoT Hubにデバイスを定義する
IoT Hubが作成できたら、その中に「IoTデバイス」を定義します。
[IoTデバイスの追加]をクリックして、「デバイスID」「認証の種類」を選んで、[自動生成キー]にチェックを入れて追加をすれば、IoTデバイスからIoT Hubに接続するための接続文字列が生成されます。
次回は
Azure側の準備が整ったので、次回は、M5Stack Core 5からAzure IoT Hubに「気圧」「気温」「湿度」を送信するためのプログラム(スケッチ)を紹介します。
さらに詳しくAzure IoT Hubを学ぶには
Azure IoT Hubを学ぶ一番の近道は実際に使ってみることです。1日8000メッセージ(IoTデバイス1台だけ接続するならデータ送信間隔は約12秒)という上限はありますが、IoT Hubには無料プランもあるので課金を気にせず試せます。
また、もっと系統的に学びたいということであれば、Microsoft Learnもお勧めします。
Learn: Azure IoT Hub の概要
Learn: IoT デバイスをクラウドに安全に接続する
Learn: Azure IoT Hub を使用してデバイスをリモートで監視および制御する
資格を取得する
Learn: 試験 AZ-220: Microsoft Azure IoT Developer
Learn: Microsoft Certified: Azure IoT Developer Specialty