やりたかったこと

docker-composeでdjangoコンテナとmariadbコンテナを構築し、djangoコンテナからmariadbコンテナのDBにアクセスできるような環境を作成したかったのですが、少し手間取ったので手順を備忘録としてまとめておきます。

環境

Raspberry Pi OS (32bit)で試しています。

pi@master:~ $ uname -a
Linux master 5.10.103-v7l+ #1529 SMP Tue Mar 8 12:24:00 GMT 2022 armv7l GNU/Linux

pi@master:~ $ docker --version
Docker version 20.10.17, build 100c701

pi@master:~ $ docker-compose --version
docker-compose version 1.21.0, build unknown

各コンテナのIPアドレスとポートフォワードの設定は以下のようになっています。それ以外のdocker-composeの設定詳細については割愛します。

djangoコンテナ
- IP : 172.100.0.2 (172.100.0.0/24)
- ポート : 8888:8888
mariadbコンテナ
- IP : 172.100.0.4 (172.100.0.0/24)
- ポート : 3306:3306

mariadb設定内容

mariadbコンテナで実施する設定内容です。

mariadbを外部から接続できるようにする

/etc/mysql/mariadb.conf.d/50-server.cnfを編集し、bind-addressの設定をコメントアウトする。

# Instead of skip-networking the default is now to listen only on
# localhost which is more compatible and is not less secure.
bind-address		= 127.0.0.1  # ← この行をコメントアウトする

サービスをリスタートする。

service mysql restart

netstat -atnを実行して、tcp6のローカルアドレスが:::3306となっていればOK。

外部接続用ユーザの作成と権限設定

mariadbにログインして以下のSQLを実行する。

/* DB作成 */
create database django;

/* ユーザ作成と権限設定 */
create user 'django'@'172.100.0.%' identified by 'password';
grant all on django.* to 'django'@'172.100.0.%';

/* ユーザのパスワード設定 */
set password for 'django'@'172.100.0.%' = password('password');   -- 例：パスワードを"password"に設定

/* 確認 */
select user, host from mysql.user; -- django | 172.100.0.% が出ればOK

django設定内容

djangoコンテナで実施する設定内容です。

settings.pyの修正

DATABASESの設定をmysql用に変更する。
docker-composeでhostnameをmariadbに設定しているため、HOSTはホスト名のmariadbで設定している。

DATABASES = {
    'default': {
        'ENGINE': 'django.db.backends.mysql',
        'NAME': 'django',
        'USER': 'django',
        'PASSWORD': 'password',
        'HOST': 'mariadb',
        'PORT': '3306',
        'OPTIONS': {
                'init_command': "SET sql_mode='STRICT_TRANS_TABLES'",
                },
    }
}

ここまでの設定でdjangoコンテナとmariadbコンテナ間の通信が可能になっているはずです。
djangoコンテナ内でpython manage.py dbshellを実行してmariadbコンテナのDBに接続できれば成功です。

ホストからdjangoコンテナで起動したアプリケーションにアクセスする

Windowsのブラウザ → コンテナが起動しているRaspberry Pi → djangoコンテナ
という関係性になっている場合の話になります。

Windowsのブラウザ → コンテナが起動しているRaspberry Pi
docker-composeで8888ポートをフォワーディングすることで接続できます。
コンテナが起動しているRaspberry Pi → djangoコンテナ
Raspberry Piのホストからdjangoコンテナへのアクセスを許可するよう設定が必要です。
djangoのsettings.pyのALLOWED_HOSTSの項目を修正します。今回は全許可で設定しています。

ALLOWED_HOSTS = ['*']

後はアプリケーション起動時にpython manage.py runserver 0.0.0.0:8888とすることで、8888をlocalhostではなく全ホスト向けで立ち上げることができます。
これで、WindowsからRaspberry Pi上で起動しているコンテナにアクセスできます。