手短に

環境変数に~を入れないでくれーーー

問題

CircleCIではjobにworking_directoryを設定しない場合、~/projectつまり/home/circleci/projectで作業が行われる。
例えばcheckoutするとこの直下に置かれるなど。（hogeリポジトリ直下にsrcディレクトリがあると、checkoutすれば/home/circleci/project/hoge/srcではなく/home/circleci/project/srcになる）

その値は$CIRCLE_WORKING_DIRECTORYによって参照できるが、デフォルト値は上のように~/projectである。
しかしこれを使ってcd $CIRCLE_WORKING_DIRECTORY/srcなどとcommandに書くと、/bin/bash: line 0: cd: ~/project/src: No such file or directoryなる不可解なエラーに遭遇する。
cd /home/circleci/project/srcと書き換えたり、sshして手で実行すれば普通に成功するのに、なぜcircleciは失敗するのか？

原因

通常export $DIR=~/srcなどとするとbashは~を解釈した状態で環境変数を設定する。（tilde expansion）
しかし"で囲むとそれが無効化されて、export $DIR="~/src"は~そのものが環境変数の値として入る。

$ export DIR1=~/src

$ echo $DIR1
/home/circleci/src

$ export DIR2="~/src"

$ echo $DIR2
~/src

そして~の展開は、それが環境変数に入っている場合は行われないようなのだ。

$ cd $DIR1  # 成功する

$ cd $DIR2
bash: cd: ~/src: No such file or directory  # ~がそのまま！

$CIRCLE_WORKING_DIRECTORYの値も丁度このように~自体が入ってしまっている。それにより~が解釈されず、単に~という名前のディレクトリとして扱われてしまっている。

CircleCIには展開済みの値を入れてほしい気がするがどうなのだろう。

対策

cd /home/circleci/project/src（展開済みの値を使う）
working_directoryを必ず設定する
eval cd $CIRCLE_WORKING_DIRECTORY/src

1は意味が失われるし2は忘れた場合に分かりにくそうだし3はevalが気乗りしないしで一長一短という感じがする。
いや忘れてもcdなどしようとすれば気づくはずだし、2がベターだろうか。