Azureでは「App Service ドメイン」でドメインを購入できます。
普段からAzureを使っているのであれば、かなり有力な購入方法です。ただ、後悔しているポイント(ドメイン移管について)があるので、それも含めてまとめていきたいと思います。
公式による説明は以下のとおりです。(購入画面より抜粋)
App Service ドメインを使うと、Azure Portal からカスタム ドメインを購入したり、管理したりできるようになります。
- ドメイン ライフ サイクル管理の簡素化
- お使いの Azure サービスのためのドメインの購入および管理 (サポートされる TLD: com、net、co.uk、org、nl、in、biz、org.uk、co.in)
- サブドメインの管理と割り当て
- 自動更新機能
- 'プライバシー保護' が無料で利用可能 (co.in、co.uk など、レジストリがプライバシー機能をサポートしていない TLD は除く)
- 最初の 5 日間はキャンセル料無料
- Azure DNS による DNS 管理の簡素化
- Azure へのドメインの '移行' 機能 (近日公開予定)
購入方法は?
リソースの新規作成から「App Service ドメイン」を選んで作成開始です。
入力項目は以下のとおりです。
- 基本情報
- サブスクリプション / リソースグループ
- ドメイン名
- 連絡先情報
- 姓 / 名
- 電子メール
- 国コード / 電話番号
- 住所 / 国 / 州または準州 / 市区町村 / 郵便番号
- 詳細
- 自動更新を有効にする?(なぜか「無効」が選択不可)
- プライバシ保護を有効にする?
上記項目を入力したら作成できます。
プライバシ保護については後述したいと思います。
ドメインの料金は?
すべてのドメインが年間11.99米ドルとなっています。およそ1,800円です。(1$=150円)
Cloudflare Registrarのほうが、1~2ドルほど安いです。
DNSの料金は?
DNSは、「DNSゾーン」によって運用されます。(購入時に自動的に同じリソースグループ上に作成されます)
運用コストは、毎日2.5円くらい、毎月70~80円ほどかかります。
他のサービスと比べて安いのか高いのかは不明ですが、これくらいの金額であれば気にしなくて良いかなと思います。
他のAzure製品との連携は?
かなりラクに連携できます。
例えば、App Service・Functions・API Gatewayなどがインターネット公開で使うサービスとなりますが、いずれも「カスタムドメイン」の設定項目からボタンポチポチでドメインの設定ができます。
この辺の手軽さは、さすがだと思います。
ただし、上記のように連携するのであれば、同一サブスクリプション上にサービスを作っている必要があります。リソースグループは別でも大丈夫だと思います。
登録者情報の保護は?
登録者情報(WHOIS情報)はしっかり隠してくれます。
個人情報はGoDaddyが提供するドメイン連絡先情報に置き換えられて表示されます。(AzureはGoDaddyから仕入れたドメインを販売している?らしい)
プライバシー保護を解除すると、もう一度有効にすることができないため注意が必要です。また、co.uk、in、org.uk、co.in、nlはプライバシー保護を利用できません。
ドメインの移管は?
現状できません。これが最大の後悔ポイントです。
というのも、ネームサーバーの値を変更する方法が用意されていないため、外部のDNSサーバーに移管することができません。より厳密には、既存で設定されているAzure DNSのネームサーバー名4つが削除不可能となっているため、移管に必要なステップを実行できない状況になります。
あとから「CloudflareでセキュリティやCDNもやりたい」となっても、やりようが無いことになります。Azureでドメインを買う前によく検討することをおすすめします。
(この辺は、自分の知識不足もあるので、やり方があればぜひ教えていただきたいです)
まとめ
Azure App Service ドメインは、普通に使うのであれば十分でしょう。管理や設定もラクに行えます。
ただしDNS周りが複雑になっているようで、外部への移管ができないなど使いづらさもあります。個人的には、最初からCloudflareで買っておけばよかったなと思っています。
関連資料
作業手順に関しては公式ドキュメントのほうが理解しやすいのでおすすめです。