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すてに過去の Advent Calendar で紹介しましたが…

AKS068 で 親指シフト という記事を先日公開したが、私が普段常用している入力方式は、漢字直接入力(漢直)のTUT-Codeである。

TUT-Code については、こちらを参考にしてほしい(更新が止まって25年も経過しているが、奇跡的に残っている)。

Windows で TUT-Code を使う方法は、9年前の Advent Calendar 企画(Qiita でなく Adventar だが)の際に紹介している。

その後、 Google サイトの仕様変更でファイルがリンク切れになってしまったり、交ぜ書き辞書を公開して下さる人が出てきたりしたので、加筆して再度記事として公開する。

Windows で TUT-Code を使うには

漢直WS

一番簡単な方法は、 漢直WS をインストールするやり方だろう。

かつて 漢直 Win として公開されていたもの。
開発が止まってしまい、有志がメンテナンスしていた時期もあるが、現在は OKA Toshiyuki 氏が発展的に 漢直WS という形で公開している。

GitHub のページの通りインストールし、設定の主テーブルファイルを「TUTR-Code」にする。
この TUTR-Code 定義は、オリジナルのものに加え、後ほど説明するストロークが追加されたバージョンであり、より使いやすくなっている。
tut_1.png
tut_2.png

漢直WSにも変換辞書が同梱されており、漢字変換や交ぜ書き変換がある程度行える。
一般的な IM のしくみを取っておらず、Windows のバージョンによってはソフトとの相性問題が発生する可能性がある。

Google 日本語入力

一方、漢字変換は普通に行いたいという人は、 Google 日本語入力の方が使いやすいだろう。環境設定で TUT-Code の打鍵に対応したローマ字テーブルを読み込むと使えるようになる(MS-IME や ATOK のローマ字テーブルは漢直非対応)。
ローマ字テーブルは別途用意する必要があるが、ローマ字テーブル(romantable.txt)と記号用辞書ファイル(dic.txt)をZIP形式で圧縮し、以下のリンク(Google ドライブ)からダウンロードできるようにした。

ローマ字テーブル単体のリンク(Google ドライブ)はこちらから。

上記の TUT-Code ローマ字テーブルはオリジナルの TUT-Code に加え、

  • 下記拡張ストローク1~4
  • rle = ヴ(鏡像反転ストロークの独自追加分。 rlrとなるところ、かなの4ストロークと衝突するため3打鍵目をeに移動したもの)
  • rlrk ・ rld = あ゙ 

を定義している。
必要のない定義はローマ字テーブル編集画面から削除してよい。

ローマ字テーブルの読み込み方は

  • タスクトレイの 入力文字表示( 等)を右クリック
  • プロパティ
  • Romaji Table Customize...
  • Edit
  • Import from file...
  • 置き換えて良いので OK
  • ファイルを選択

の順に操作する。

記号用辞書ファイルは、スペースキーによる記号入力がうまくいかない場合にユーザー辞書へインポートして使う。ローマ字テーブルのみで支障無く記号が出せる場合、使わなくてよい。

tsf-tutcode

Grok に質問を投げたらこの IM をおすすめされた ので名前だけ紹介。
2022年にもメンテナンスリリースがなされていて Windows 11 に対応している。
ベースが SKK なので少しクセがあるかも。

TUT-Code を使いやすくする工夫

拡張キーストローク

オリジナルの TUT-Code は拗音等のストローク数が多くなるため、空いているキーストロークを使って拗音等の打鍵数を少なくする提案がいくつかなされている。

1. 拗音等の短縮ストローク

m(as)m 氏が TUT98.COM で提案した拡張ストローク。

. , l m o / y ; n p
rl ファ フィ フュ フェ フォ ブァ ブィ ブュ ブェ ブォ
rlr ヴァ ヴィ ヴュ ヴェ ヴォ プァ プィ プュ プェ プォ
el キャ キィ キュ キェ キョ ギャ ギィ ギュ ギェ ギョ
ele クァ クィ クゥ クェ クォ グァ グィ グゥ グェ グォ
sl シャ シィ シュ シェ ショ ジャ ジィ ジュ ジェ ジョ
dl チャ チィ チュ チェ チョ ツァ ティ テュ ツェ ツォ
dld ヂャ ヂィ ヂュ ヂェ ヂョ ヅァ ディ デュ ヅェ ヅォ
tl ヒャ ヒィ ヒュ ヒェ ヒョ ビャ ビィ ビュ ビェ ビョ
tlt ピャ ピィ ピュ ピェ ピョ - - - - -
al ウァ ウィ ウゥ ウェ ウォ ニャ ニィ ニュ ニェ ニョ
ql リャ リィ リュ リェ リョ ミャ ミィ ミュ ミェ ミョ

2. 鏡像反転ストローク

かぜはるか氏発案。4ストロークかなを3ストローク化。
以下の表は森田祐二氏が一部改変して Touch16+ としたもの。

tld tle tlr tlg tlf dlr alu eld elg

3. 拗音等の短縮ストロークの鏡像反転ストローク

上記2つの合わせ技。

x c s v w z t a b q
rl ヴァ ヴィ ヴュ ヴェ ヴォ プァ プィ プュ プェ プォ
el クァ クィ クゥ クェ クォ グァ グィ グゥ グェ グォ
dl ヂャ ヂィ ヂュ ヂェ ヂョ ヅァ ディ デュ ヅェ ヅォ
tl ピャ ピィ ピュ ピェ ピョ - - - - -

4. 拡張3ストローク記号

m(as)m 氏が TUT98.COM で提案した拡張ストローク。3ストローク漢字の3打鍵目にスペースを打鍵することで記号を入力できるようにしたもの。

  • 左(Q~T/A~G/Z~B)1打鍵目に対しては、2打鍵目TGVB→3打鍵目スペース
  • 右(Y~P/H~;/N~/)1打鍵目に対しては、2打鍵目YHNM→3打鍵目スペース

合計120の記号を収容していた(TUT98.COM のドキュメントに対応表があるが、NEC特殊文字の罫線等を使っているため一部の文字は読み取れない)。
Google 日本語入力で実装する際は最終打鍵にスペースを用いることができないため、拡張3ストローク記号を実現するには2打鍵目と3打鍵目を同じキーにするとよい。
今回配布する Google 日本語入力用 TUT-Code ローマ字テーブルには以下のキーストロークを定義した。

wvv avv svv zvv xvv cvv
wbb abb sbb zbb xbb cbb

5. 漢字拡張コード(参考)

ken1noguchi 氏による漢字拡張。
2打鍵目と3打鍵目を同一キー(左→TGVB→TGVB,右→YHNM→YHNM)にすることで漢字63文字を追加している。
私が配布するものには入れていないが、 ken1noguchi 氏の配布している TUT-Code ローマ字テーブルには収容されているので、興味がある人はそちらも試してみてほしい。

交ぜ書き辞書を使う

一部の漢字は漢直のキーストロークで打てるが、それ以外の漢字は変換機能を使って出したいという場合に、交ぜ書き辞書と呼ばれるものを使うとより入力がしやすくなる。読みがな→漢字ではなく、漢字かな混じり→漢字という定義がされた辞書である。

漢直WSで交ぜ書き変換は : キーに割り当てられている(設定画面で変更可)。

Google 日本語入力用の交ぜ書き辞書も、 OKA Toshiyuki 氏が公開している。

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