レイヤーの種類
ラスターレイヤーとそれ以外にわけてみる
冴月練氏がAffinityを「レイヤーで世界を組む道具」と表現しているように、Affinityはレイヤーの概念に慣れると一気に使いやすくなる。
まずはAffinityにどんな種類のレイヤーがあるのか、ヘルプで確認しよう。
記事で再掲はしないが、それぞれレイヤーパネルで異なるアイコン表示となる。
この中で、ラスターレイヤー(ピクセル系のレイヤー)に分類されるようなレイヤーがいくつか存在する(といっても、ほぼピクセル特有に入っている)。
| ピクセルレイヤー | マスクレイヤー | パターンレイヤー |
|---|---|---|
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| 塗りつぶしレイヤー | ライブフィルターレイヤー | 調整レイヤー |
|---|---|---|
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ピクセルレイヤーはレイヤーパネル下部のアイコンで新規作成できるほか、オブジェクトなどをラスタライズするなどして作ることができる。
マスクレイヤーもレイヤーパネル下部のアイコンで新規作成できる、ベクターマスクではない方で、ペイントブラシツール等で修正が可能。
パターンレイヤーについては以前の記事で解説した。
残り3つについてだが、何も選択しない状況で新規レイヤーを作ると、1ページ(1アートボード)全体に適用されるレイヤーとなる。
一方、長方形選択ツールなどでピクセル選択範囲を指定した上で新規レイヤーを作ると、その部分だけを適用範囲としたレイヤーになる(調整レイヤーのヘルプ参照)。
ラスターレイヤーであるか確かめるには、そのレイヤーを選択してペイントブラシツールで何か描いてみるとよい。レイヤーに直描きできる。
画像レイヤーとピクセルレイヤー
さて、ラスターレイヤーかと思いきや、その範疇に入らないレイヤーが画像レイヤーである(四角の中に人型アイコン)。
画像レイヤーを選んでペイントブラシツールを使っても、新たにピクセルレイヤーができ、直接画像に書き込むことはできない。

画像レイヤーのままだと、レイアウトソフト上で画像を配置するような挙動となる。
ドキュメント上で大きさを変えても、dpiの値が変化するだけで、ピクセル数は変化しない。


もし画像に直接編集作業を加えたい場合、あるいはドキュメントに見合ったピクセル数にしたい場合は、ラスタライズをする(右クリックメニュー内にある)。

ラスタライズ後はピクセルレイヤーとなる(レイヤーパネルのアイコンの変化に注目)。
解像度がドキュメントの設定値に変化し(今回の場合は薄く72dpiと表示)、ペイントブラシツールで直接編集ができるようになる。

ちなみにインペインティングブラシツール等で直接画像を編集する必要が生じた場合もピクセルレイヤーに変換される(アシスタントを有効にしている場合)。

アートボードと複数ページ
次はアートボードと複数ページの特徴について。
Affinity V2までの場合、以下の表のように3アプリそれぞれで使えるものが異なっていた。
Affinity by Canvaではアートボードと複数ページの両方とも使えるようになった(どのスタジオからでも使用可能)。
| 種類 | Photo | Designer | Publisher | 3 by Canva |
|---|---|---|---|---|
| アートボード | × | ○ | × | ○ |
| 複数ページ | × | × | ○ | ○ |
アートボードにした場合と複数ページにした場合とでできることが若干異なっている。
| できること | アートボード | 複数ページ |
|---|---|---|
| 初期状態から切り替え | ○ | ○ |
| サイズの混在 | ○ | ○ |
| 裁ち落としの設定 | ○ | ○ |
| マージンの設定 | △ | ○ |
| アートボードの追加 | ○ | × |
| 自由な配置 | ○ | × |
| マスターページの適用 | × | ○ |
| 見開きページの設定 | × | ○ |
初期状態から切り替え
初期状態でアートボードも複数ページも選択せずにドキュメントを作成したとする。

ここからアートボードにしたい場合は、アートボードツールから「アートボードを挿入」ボタンを押せばよい。

複数ページにするには、左下のページ送りアイコンを押す(複数ページかアートボードかを選択するダイアログが出る)か、

ページパネルでサムネールを右クリック→ページを追加を選ぶ。

サイズの混在
アートボードの場合は解説するまでもないだろう。アートボードツールで自由にサイズを設定できる。
複数ページのサイズ混在は、ドキュメント設定から行う。
「全ドキュメント」から「選択されているスプレッド」に変更し、サイズ設定をしたいページにチェックを入れ、右側の設定を変更する。


マージンの設定
アートボードを△としたのは、新規ドキュメント設定でアートボードを選んだ場合でもマージンが設定できるものの、最初のアートボードにしか反映されないためである。
複数のアートボードを作った場合、最初のアートボードのマージン線は透明になってしまう(マージン線自体は存在する)。


2つ目のアートボードにマージンを設定しようとしてドキュメント設定を開いても、マージンの項目は現れない。

実用とは言い難いため、使用しない方がよいだろう。
複数ページのドキュメントにアートボードは追加できない
複数ページまたはマスターページの設定されているドキュメントで、アートボードツールを使って新規アートボードを作ろうとするとエラーが出る。

アートボードにマスターページの適用はできない
複数のアートボードを作った状態で左下のページ送りアイコン(右三角)を押すと、最後のアートボードのサイズで新たなアートボードが作られる。
なお、ページパネルを表示させてもマスターページは表示されない。


以上の特性を踏まえた上で、アートボードか複数ページかを適宜選択するとよいだろう。








