素材サイトを眺めていたら動かしたくなるイラストがあったので、試しに動かしてみようと思います。
完成品はこれです。
今回のアニメーションはおおきく2つに分けられます。
A)車が走っているアニメーション(vol.1)
B)車が現れるアニメーション(vol.2)
今回は、vol.1として「車が走っているアニメーション」について解説します。
素材の用意
どのパーツをどのように動かすかを決めて、どの部分をパーツに分けるかを判断します。
今回はタイヤと本体、路面に見立てたスマートフォンは別々に作る必要がありそうです。
大まかに以下の3つに分けられます。
1)タイヤ
2)タイヤ以外の車体
3)スマートフォン
素材が用意できたらAfterEffectsを使ってアニメーションを作っていきます。
アニメーションの作成
まず、車が走る基本的なアニメーションを作成します。
1.新規コンポジションの作成
①AfterEffects(以下AE)を開き、新規コンポジションを作成します。(コンポジションの設定は、デフォルトのままで構いません)
②AEのコンポジション内に車の画像やイラストをインポートし、パーツごとにレイヤーを分けて最終的な絵になるように配置します。
2. 走っている感じのアニメーション設定
車が走っている感じを表現するのに3つのアニメーションを追加します。
(A)走っている表現のために流線(スピード線)をつける
(B)タイヤを回転しているように見せる
(C)窓に映る光を前から後ろに流す
(D)車体を上下に揺らす
上記の中の(A)と(B)のアニメーションはパスのトリミングというアニメーションを使用します。
(A)流線のアニメーションの作成
線を描いたたらトリムパスを使ってアニメーションを追加します。
線のレイヤーを選択した状態で、ラベルの左にある>を開くと、右の方に「追加▶」という項目が表示されるのでクリックするとメニューが開くので「パスのトリミング」を選択します。
開始点と終了点のレイヤーの両方に始点と終点にキーフレームを打ちます。
今回は開始点(線の右端)は0~98.8%まで、終了点は0~100%でキーフレーム打ち、終了点のレイヤーのキーフレームだけを後ろにずらすことで右から左へ流れるような線のアニメーションを作ることができます。
パスのトリミングというアニメーションは応用が効くので、他にも以下のようなアニメーションに応用できる基本的なものなので色々応用が効きます。
無料の『Trim-Pack』というプラグインもあるので、これを使用するとワンクリックで上記のトリムパスアニメーションを設置することができます。興味ある方は下のリンクからダウンロードして下さい。
(B)タイヤを回転しているように見せる
「(A)流線のアニメーションの設定」と同様の方法で、タイヤの中の白い線を動かすことで、タイヤが回転しているようにみせるアニメーションを作成します。
タイヤの形に沿った同心円の線を描いて、そのレイヤーにパスのトリミングでアニメーションをつけると、タイヤが回転しているようにみえるアニメーションになります。
タイヤを回転させる。真横からのアングルではないためタイヤを回転させることはできません。
3Dオブジェクトとして回転させることはできますが。今回そこまで手間をかける必要はないのであくまで走っている感を表現するためにタイヤの流線を動かすことで回転しているように見せます。
(C)窓に映る光を前から後ろに流すアニメーション
下図のような窓に写りこんでいる光(白い部分)を、サイドウィンドウの場合は前から後ろへ、フロントガラスの場合は右から左に移動させることで走っている感じを表現します。
窓より大きい光の塊(矩形でもなんでもOK)を作ったら、それを右から左へ移動するアニメーションを付けます。このままでは窓からはみ出てしまうので、窓のレイヤーをマスクとして設定することで窓枠の外は表示されなくなります。
【マスクの方法】
窓に映り込んでいる塊のレイヤーを選んで、右側にある「トラックマット」の項目で「マット」を選択すると、この窓の形がマスクとして適用されます。
(D)車体を上下に揺らす
このアニメーションは単純にbodyレイヤー(車体のレイヤー)の位置(position Y)を以下のように下(624px)→上(615px)→下(624px)というように移動させるだけです。この動きで車体がゆれている動きを表現します。
以上4つのアニメーションを設定することで車が走っていることを表現します。
次回(vol.2)では この車を出現させるアニメーションを解説します。