はじめに
AIコーディングツールを2つ併用して個人開発をしている。
Amazon Kiro と Cursor、それぞれ得意分野が異なるため使い分けている。
本記事では、実際に個人開発で使った実感をもとに、使い分けの方針とコスト面をまとめる。
ツール概要
| Kiro | Cursor | |
|---|---|---|
| 開発元 | Amazon (AWS) | Anysphere |
| 月額 | $20 | $16(年払い) |
| ベース | VSCode Fork | VSCode Fork |
| 得意 | 設計・要件定義・大規模変更 | コーディング・修正・日常開発 |
| AWS連携 | ◎(ARN認識、サービス構築) | △ |
| クレジット消費 | 重い | 比較的穏やか |
使い分けの実践
Kiro を使う場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| ブレインストーミング | 要件をまとめるところから付き合ってくれる |
| 要件定義 | Spec機能で requirements.md を自動生成 |
| 設計書作成 | design.md を自動生成 |
| ToDoリスト | tasks.md を自動生成 |
| 大規模な機能追加 | 設計書から変更を加えたい場合 |
| AWSサービス連携 | ARNから情報を引き、構築をスムーズに行う |
| 検討課題の整理 | 対策を考えるところから始める場合 |
Kiroの強みは「設計から入れる」こと。コードを書く前段階の思考整理に向いている。
Cursor を使う場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 日常のコーディング | Kiroほどクレジットを消費しない |
| バグフィックス | どこを直せばいいか明確な場合 |
| 軽微な修正 | 十分な品質 |
| リリース作業 | コマンド生成、手順整理 |
| 軽微な機能拡張 | Kiroを使うほどでもない場合 |
Cursorの強みは「日常使いのコスパ」。設計書をKiroで作った後、それを読み込ませてコーディングさせるのが効率的。
併用フロー
1. Kiro: 要件定義 → 設計書 → タスクリスト(自動生成)
2. Cursor: Kiroの設計書を読み込み → コーディング → 修正
3. 手動: テスト → 確認
4. Cursor: リリース
Kiroが作成したドキュメントをCursorに「改善点ある?」と聞くと、全ファイルを読み込んで文脈を共有してくれる。
コスト実績
| 項目 | Kiro | Cursor | 合計 |
|---|---|---|---|
| 月額 | $20 | $16 | $36/月 |
| 年額 | $240 | $192 | $432/年 |
クレジット消費の体感
- Kiro: 土日の2日間で500クレジット消費。設計フェーズで集中的に使うと一気に減る
- Cursor: 同じ2日間で使ってもKiroほど消費しない。日常使いに向いている
コスト最適化のコツ
- 全部Kiroでやると破産する → コーディングはCursorに任せる
- Kiroは「設計フェーズ」に限定して使う
- Cursorは年払いにすると月$16(月払いだと$20)
Claude Code について(検討中)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途候補 | テストの自動化 |
| 現状 | 未課金。Kiro/Cursorで足りている |
| 懸念 | AIのテスト結果を信用しきれない |
| 採用条件 | テスト仕様書をKiroに作らせ、それに沿って実行するなら有効か |
実際に作ったもの
この使い分けで以下を開発中:
- 家計簿アプリ: AWS(Lambda + DynamoDB + Cognito)のサーバーレス構成
- VTuberエンジン: Vulkan + C++20。3Dレンダリング+トラッキング
注意点
- 丸投げは危険 — 設計や方向性の判断は人間がやるべき
- コードの意味を理解する — 理解せずに進めると後で詰む。とんでもない修正をしてくることがある
- AIの出力 ≠ 正解 — AI自身が修正した箇所を即座に別の形に修正することがある。確認必須
- テストは自分の目で — AIがOKと返しても、手動で確認すると問題が見つかることがある
まとめ
| やりたいこと | 使うツール |
|---|---|
| 設計・企画・大規模変更 | Kiro |
| コーディング・日常開発 | Cursor |
| テスト自動化 | Claude Code(検討中) |
月$36の投資で、個人開発の速度が劇的に変わった。
どちらか1つに絞るならCursor。設計から入りたいならKiroを追加する形がおすすめ。