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AIにとって「軽い」プログラミング言語をHello World で比較する

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Last updated at Posted at 2026-07-19

この記事は 「Pythonって、たぶんそういう意味じゃない」シリーズ の番外編です。
Python歴5年以上、メインで使い続けてきた変態が書いています。

この記事は 個人の経験に基づくポエムです。
環境・用途・経験によって異なる場合があります。

AIにコードを書かせるとき、言語によってコストが違う。

そう気づいたのは、単純な疑問からだった。
「Hello World」を書かせるだけで、言語ごとにどれくらいトークン数が違うんだろう。

OpenAIの最新5.x系トークナイザーで、主要な言語の「Hello World」を実際に測ってみた。

結論:同じ「Hello World」でも、5倍差がある

先に結果を出す。

順位 言語 Tokens Characters
1 Python 6 22
1 Swift 6 22
1 Lua 6 22
1 Ruby 6 20
1 Bash 6 20
6 Elixir 8 24
6 JavaScript / TypeScript 8 29
6 PowerShell 8 28
9 C# 9 35
10 PHP 11 30
11 Rust 12 44
11 Kotlin 12 43
11 Dart 12 41
14 Scala 14 52
14 Haskell 14 45
16 Go 20 76
17 C 25 83
18 Java 26 117
19 C++ 29 96
20 Zig 30 97

最少のPython・Ruby系が6トークンなのに対して、最多のZigは30トークン。5倍の差がある。

なぜここまで差が出るのか

理由は単純だ。言語仕様として、書かなければいけない「お約束」の量が違う。

Pythonはprint("Hello, World!")の一行で完結する。
一方でJavaは、クラス定義・publicの宣言・staticなmainメソッド……と、
「Hello World」を出力するためだけに何行もの構造が必要になる。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Hello, World!");
    }
}

このお約束の部分は、内容として意味のある情報を運んでいない。
AIにとっても人間にとっても、毎回同じことを書かされている「コスト」になる。

トークンが少ないと、何が嬉しいのか

AIにコードを生成させるとき、入力と出力のトークン数がそのままコストと速度に直結する。

  • トークンが少ない → 生成が速い、コストが低い
  • 同じ文脈量なら、より多くのコードをコンテキストに詰め込める
  • シンプルな構文ほど、AIが「何をすべきか」を見失いにくい

言語のトークン効率は、そのままAIとの相性の一部になる。
もちろんこれだけで「AIに向いている言語」が決まるわけではないが、無視できない要素だ。

上位グループに見える共通点

上位の言語を並べると、ある傾向が見える。

Python・Ruby・Lua・Bash・Elixir——いずれも「最小限の記述で動く」ことを重視した言語だ。

型注釈が必須ではなく、クラス定義や public/private の宣言も強制されない。
「書きたいことをそのまま書く」という設計思想が、そのままトークン数の少なさに現れている。

逆にJava・C++・Zigのような言語は、
安全性や明示性を重視するぶん、お約束の記述量が増える。
これは言語の欠点ではなく、設計思想の違いだ。

Rustが意外と多かった理由

個人的に意外だったのはRustの12トークンという結果だ。

fn main() { println!("Hello, World!"); }と、構文自体はそれほど長くない。
それでもPython勢の倍のトークンになっている。

fn main() {
    println!("Hello, World!");
}

fnprintln!のマクロ記法、波括弧の構造——
Pythonにはない「型」や「構造」を明示する部分が、トークン数に反映されている。

まとめ

  • 同じ「Hello World」でも、言語によってトークン数は最大5倍違う
  • 差の正体は、言語仕様上の「お約束」の記述量
  • Python・Ruby系は最小限の記述で動く設計思想が、トークン効率の良さに直結している
  • トークン効率は「AIとの相性」を測る一つの軸になる

「AIが得意な言語」という言葉は、たぶん一つの意味じゃない。
今回はその中の「トークン効率」という一面を覗いてみた。


「Pythonって、たぶんそういう意味じゃない」 シリーズでは、
こういう"なんとなくで語られがちなPython"を言語化していきます。

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