IntelliJ IDEA 2026.2で、地味だが開発者コミュニティには大きな変更があった。
LSP Client APIのオープンソース化。
LSP Client APIとは何か
LSP(Language Server Protocol)は、エディタと言語ごとの補完・診断機能を切り離す仕組みだ。
これまでは、エディタごとに言語サポートを個別実装する必要があった。LSPが登場したことで、一つの「言語サーバー」を作れば、対応するどのエディタからも使えるようになった。
IntelliJ IDEA 2026.2では、この言語サーバーと通信する側の「LSP Client」の実装が、JetBrains製品全体で使われている安定版・実戦投入済みのものへと切り替わり、オープンソース化された。IntelliJ系のIDE、Android Studio、そしてIntelliJ Platformをベースにした他の製品すべてが、同じ土台を使えるようになる。
なぜオープンソース化が必要だったのか
背景には、プラグイン開発者側の切実な事情がある。
JetBrainsのブログでは、あるSwiftプラグイン開発者の例が紹介されている。既存のLSPクライアントの選択肢が自分たちのプラグインに合わなかったため、ゼロからLSPクライアントを自作したという。
IDEバージョンをまたいでどう振る舞うか、エディタとどこまで深く統合するか——そこまで制御したい場合、既存の選択肢では足りなかった。「過剰な作り込み」ではなく「そうする以外の方法がなかった」というのが実情だったようだ。
今回のオープンソース化は、まさにこのギャップを埋めるためのものだ。
Android Studioにも波及する
これまでAndroid Studioでは、LSP統合が使えなかった。理由は、LSP統合がIntelliJの商用IDE拡張の一部であり、Android Studioが使っているオープンソース版のIntelliJ Platformには含まれていなかったからだ。
今回のオープンソース化によって、この壁がなくなる。JetBrainsはGoogleのチームと連携して、Android Studioへの対応を進めているという。この対応は2026.2だけでなく、2026.1.4の安定版ビルドにも計画されている。
プラグイン開発者への影響
すでにJetBrainsのLSP APIを使っているプラグインは、名前の変更を含む更新に注意する必要がある。一方、LSP4IJや自作のLSPクライアントを使っているプラグインについては、JetBrainsは「ただ移行するために移行するな」と釘を刺している。最小対応IDEバージョン、Android Studio対応、機能カバレッジ、カスタマイズの余地、リモート・分割モードでの必要性を確認したうえで判断すべき、としている。
オープンソース化は「みんな乗り換えるべき」という話ではなく、選択肢が増えた、という位置づけのようだ。
まとめ
- IntelliJ IDEA 2026.2で、LSP Client APIがオープンソース化された
- 背景には、既存の選択肢では対応しきれずLSPクライアントを自作するプラグイン開発者の存在があった
- Android Studioにもこの対応が波及する予定で、Googleと連携が進んでいる
- 対応は2026.2だけでなく2026.1.4安定版ビルドにも計画されている
- 既存プラグインは「ただ移行するために移行するな」と案内されている
IDEの機能を自社の中だけに囲い込むのではなく、共通の言語サーバー基盤に載せて外に開く動きが進んでいる。
参考:
「JetBrainsを使い倒す」 シリーズでは、
PyCharmをはじめとするJetBrains製品をレビューしたり情報を発信していきます。
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