JetBrains AirのWindows版が、数か月前のmacOSパブリックプレビューに続いてリリースされた。
JetBrains Airとは?
2026年3月に登場したデスクトップアプリ。開発者がコードを一行ずつ書く代わりに、AIエージェントにタスクを任せられる。従来のIDEというより「Agentic Development Environment(ADE)」と呼ぶべきもの。
Fleet の後継であり、VS Code と直接競合する戦いに勝ち目がないと判断したJetBrainsが、2025年12月に静かに終了させた実験的エディタの後を受けて生まれた。
期待しながら実際に触ってみた。わかったことを正直に書く。
結論から言うと
| 項目 | 評価 | 詳細 |
|---|---|---|
| 日本語対応 | ❌ | 入力・コード編集ともに不可。表示のみ可能 |
| モデル選択の自由度 | ◎ | BYOKでClaude/Codex/Geminiを自由に使い分け可能 |
| Fleetの滑らかなUI | △ | あの入力モーションは見当たらなかった |
| コード実行 | △ | PyCharmのようなネイティブ実行はできない |
| 料金 | ◎ | 現時点で無料 |
日本語が一切打てない
重要:日本語の入力が一切できない。
プロンプトの入力欄はもちろん、コードエディタ内でも日本語を打ち込めない。
表示・閲覧はできるが、書き込む側は完全に英語前提の作りになっている。
JetBrainsのAI関連プラグインについて、公式は「現在IDEの言語設定にかかわらず英語のみでテキストを生成する。ローカライズは今後の課題リストに入っているが、まずコア体験を磨きたい」と説明している。
Airも同様の段階にあると考えられる。
日本語でコメントやdocstringを書く開発者にとっては、現状だと実務段階ではない。
画面構成
左側に「New Task」のパネル、右側にエディタという構成。
PyCharmやVS Codeのレイアウトに近く、操作面での違和感は少ない。
ファイルツリーも表示され、プロジェクト全体を把握しながら作業できる構成になっている。
良かった点:BYOKで複数モデルを自由に使える
現時点でAirは無料で使える。JetBrains AI ProまたはUltimateの契約があれば内蔵エージェントにフルアクセスできるが、Anthropic・OpenAI・Googleに直接接続するBYOK(Bring Your Own Key)のオプションも用意されている。
特定のベンダーに縛られず、使いたいモデルを自分の判断で選べるのは大きい。
JetBrainsは「最高のモデル・プロバイダー・エージェントは、今日のものが来月もそうであり続けるとは限らない」という考えのもと、単一ベンダーのロードマップに依存しないIDE体験を意図的に構築している。
残念だった点:Fleetのあの滑らかさは、なかった
正直に言うと、ここが一番期待外れだった部分だ。
AirがFleetの後継と知っていたこともあり、
入力時のあの滑らかなモーションを期待していた。
でも実際に触ってみると、そのアニメーションは見当たらなかった。
期待していた分、肩透かしを感じた。
コード実行はPyCharmのようにネイティブではない
PyCharmのようにコードをネイティブに実行する機能はない。
最低限の補助とリファクタリングはあるようだが、本格的な実行環境としては作られていない印象を受けた。
公式の説明によれば、Airは「ターミナルでエージェントを動かすことと、フルIDEで作業することの間のギャップを埋める」ための環境であり、タスクを実行し、結果をレビューし、メインのコーディングワークフローを集中させた状態に保つことを目的にしている。
AI特化で、軽い編集や監督作業に最適化されたツールだと考えると納得がいく。
本格的な開発はPyCharmやIntelliJ系の既存IDEに任せて、Airは「タスクをエージェントに任せて結果を確認する」用途に振り切っている可能性がある。
CursorやWindsurfと何が違うのか
同じようなAI特化エディタとして、CursorとWindsurfが先行している。
| JetBrains Air | Cursor | Windsurf | |
|---|---|---|---|
| ベース | 独自(ADE) | VS Codeフォーク | VS Codeフォーク |
| JetBrains系IDEとの統合 | ◎(本家) | ✕ | ◯(プラグイン経由) |
| モデル選択 | BYOK対応 | 内蔵モデル中心 | 内蔵モデル中心 |
| 料金 | 現状無料 | $20/月〜 | $20/月〜 |
JetBrainsの深いJava開発の実績とIntelliJの人気を考えると、JetBrains Airはチームに強く響く可能性がある。すでにJetBrainsのエコシステムに投資している開発者にとっては、正式リリース時に最もシームレスなAIネイティブへの移行を提供するかもしれない。
CursorはVS Codeフォークなので「使い慣れたVS Code+AI」が欲しい人向け。
Airは「JetBrains系IDEの世界観のままAIに寄せたい」人向け、という棲み分けになりそうだ。
現時点でのまとめ
- 日本語入力は未対応(閲覧のみ可能)
- BYOKでCodex・Claude・Geminiを自由に使い分けられる
- Fleetのような滑らかなモーションはない
- コード実行はネイティブではない。「IDE」ではなく「ADE」として設計されている
- 現時点では無料、CursorやWindsurfとは設計思想が異なる
現時点で日本語メインの開発者が実務に使うのは厳しい。 プレビュー版という位置づけなので、今後のアップデートに期待したい。
正式リリースに向けてどう変わっていくか、引き続き追っていきたい。
「JetBrainsを使い倒す」 シリーズでは、
PyCharmをはじめとするJetBrains製品をレビューしたり情報を発信していきます。
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