2026年6月23日にPyCharm 2026.1.3がリリースされた。
メジャーアップデートではなくバグ修正中心のリリースだが、
地味に「あれ直ってた」というものがいくつかある。
コードの型チェック・補完まわり
docstringのコードブロックが表示されない問題が修正
reStructuredText形式のdocstring内にPythonのコードブロックを書いても
レンダリングされなかったバグが修正された。
def my_function():
"""
Example usage:
.. code-block:: python
result = my_function()
print(result)
"""
ドキュメントをきちんと書く人には地味に嬉しい修正だ。
空のリストリテラルで型推論がAnyになる問題が修正
def func[T](items: list[T]) -> T: ...
result = func([]) # 以前はAnyになっていた
空のリストを渡したときに型がAnyに崩れてしまうバグが修正された。
型チェックを厳密にやっている人には影響が大きかった修正。
Concatenateが分散推論に考慮されない問題が修正
高度な型ヒントを使っている場合の型チェッカーのバグ修正。
Concatenateを使った複雑な型定義で型推論が正しく動かなかった問題が解消された。
Jupyterノートブック
バージョン管理のステージングエリアでJSONが表示されていた問題が修正
ノートブックの変更をGitのステージングエリアで確認しようとすると、
整形されたビューではなく生のJSON形式で表示されていたバグが修正された。
Markdownセル内のテーブルが崩れていた問題が修正
JupyterノートブックのMarkdownセル内で表を書くと
カラムが正しく揃わなかったバグが修正された。
LSPと外部ツール
PyrightとRuffの診断が完全に動かなくなっていた問題が修正
これが今回一番重要な修正だ。
直近のアップデート後にPyrightとRuffの診断が完全に停止するという致命的なリグレッションが修正された。
「最近リントが効いてない気がする」と思っていた人はこれが原因だった可能性がある。
Ruffのルールにホバーでドキュメントリンクが表示されるように
Ruffが指摘した診断ルールにカーソルを合わせると、
そのルールの公式ドキュメントへのインラインリンクが表示されるようになった。
「このルールって何だっけ」をその場で確認できる。
Getter signature should be (self)の誤検知が修正
コード解析中に誤って出ていたGetter signature should be (self)という
警告の誤検知が修正された。
まとめ
- docstringのコードブロック表示 → 修正
-
空リストで型が
Anyになる → 修正 - PyrightとRuffの診断が止まる → 修正(これが一番重要)
- JupyterのMarkdownテーブル崩れ → 修正
- Ruffルールのドキュメントリンク → 追加
PyrightとRuffの診断が止まっていた問題は影響範囲が大きかったので、
心当たりがある人は早めにアップデートしたい。