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UX視点で新規事業アイデアを発想するブレスト手法

Last updated at Posted at 2018-12-01

この記事は ウェブクルー Advent Calendar 2018の2日目の記事です。
昨日は@noko_kさんの「ウェブクルーのスクラムアンチパターン」でした。

 はじめに・概要

私は新卒3年目で、新規事業企画を担当しているディレクターです。
新規事業は日々模索しながら進めており、企画の仕方・UXについて・開発手法・・・などなど、社内外から情報を入れています。
その中で今回は、2018/11/7(水)に参加した、えそら合同会社主催イベント「【UX CARAVAN】新規事業アイデアを生み出すエクストリームユーザーの行動観察とは」にて学んだブレスト手法を社内で実践した事例についてまとめていきます。

 セミナーで学んだブレスト手法

 0. ユーザーを知る

まずは、ユーザーがどういう課題を抱えているか?どういった行動をしているか?というのを、行動観察・インタビューから拾っていきます。
人は1つ1つの行動を”当たり前”に行っていますが、他の人から見てみると”当たり前でない”ことがたくさんあります。
そんな”当たり前”になってしまっている行動の中に、実は必要のない行動・もっと効率できる行動が隠れています。

また、行動や思考、環境が極端なユーザー(=エクストリームユーザー)を観察することで、平均的なユーザーと比較することができます。
比較することで、平均的なユーザーとエクストリームユーザー両方から”気付き”を得ることができ、それが新規事業のヒントになってきます。

※エクストリームユーザーとは

 1. ニーズを汲み取る

ユーザーを知ることができたら、ここからがブレストのスタートです。
行ったユーザーの行動観察やインタビューから、「●●したい」というニーズを洗い出します。

(例)外出先で子どもが怪我をしてしまった場合
「外出先で怪我の治療ができる病院に行き”たい”」
「知らない土地で病院を探し”たい”」
「車が停められる病院が知り”たい”」

 2. ニーズの裏に隠れている常識を考える

1で出したニーズの裏に隠れている常識を、「普通、●●だ」という形式で洗い出します。
必ず何か常識があった上で、ニーズや行動が出てきます。

常識とは、普通には変えられないもの・神様が決めたこと・・・といったレベルでOKです。

(例)外出先で子どもが怪我をしてしまった場合
「”普通”、外出先の病院の場所は知らない”ものだ”」
「”普通”、病院で怪我の治療ができる”ものだ”」
「”普通”、子どもが怪我をしてたら歩けない”ものだ”」

 3. 最高の体験を予想する

1と2を踏まえ、ユーザーにとっては何が最高か?を常識にとらわれずに、「●●できた!」という形式で出します。
常識がなかったとき、ニーズがかなったとき、ユーザーはどういう状態になっているか?
その状態を書き出していきます。

★ポイント
これ以上ない体験であること(魅力)
これまでにない体験であること(新奇性)
既存の常識をくつがえす体験であること(驚き)

(例)外出先で子どもが怪我をしてしまった場合
「怪我の治療が”できた!”」
「知らない土地でもすぐに病院を見つけることが”できた!”」
「子ども歩かずに病院に行くことが”できた!”」

 4. 最高の体験を実現するためのソリューションを発想

3を実現するためには何が必要かを考えます。
まずは具体的なサービスでなくても、こういったものがあれば良いのでは?というアイデアでOKです。

(例)外出先で子どもが怪我をしてしまった場合
「外出先ですぐに近くの病院が分かるアプリ」
「近くの病院まで送迎してくれるサービス」

 5. ストーリーボード(4コマまんが)を作成

1~4を具体的なアイデアにしていくため、4コマまんがを作成します。

1コマ目:1で考えたニーズ「●●したい」
2~3コマ目:4で考えたソリューション
4コマ目:3で考えた最高の体験「●●できた!」

(例)外出先で子どもが怪我をしてしまった場合
ストーリーボード.png

※参考:ストーリーボードを使ったUXデザインのためのアイデア発想法とは?

 社内で実践してみた

上記のフローをセミナーで学び、さっそく社内で実践してみました。

 行った方法

ブレスト会を2回実施。
1回目:ユーザーの課題とテーマを共有し、はじめから”ソリューション”を発想してもらうやり方。
2回目:セミナーで学んだやり方。

ブレスト会1回目のアイデア一部
・テーマ:引越し時に感じた課題を解決するソリューション
IMG_2424.JPG

ブレスト会2回目のアイデア一部
・テーマ:引越し時
・ニーズ:「ダンボールの中身を把握したい」
・常識:「普通、ダンボールは中が見えないものだ」
という設定で実施。
・最高の体験:ふせん黄色
・ソリューション:ふせんピンク
IMG_7715 (1).JPG

 ブレスト手法を比較した結果

ブレスト会1回目は、”ニーズ”と”ソリューション”が混合してしまったことにより、
アイデアのブレスト会 << 引越し時に感じた課題のグループインタビュー会
という内容に途中からすり替わってしまいました。

一方で、ブレスト会2回目は、”ニーズ”や”ソリューション”、”ゴール”が整理されて出てきました。
ステップを分けていることにより、
「いまは”最高の体験”を話す時間です」
「いまは”ソリューション”のアイデアを考える時間です」
というように、いま何を考えなければいけないかが分かりやすかったため、アイデアや発言が活発に行われました。

ブレストではファシリテーションが大事ですが、
どう誘導していくか?どうやってアイデアを発言してもらうか? を考えるのではなく、
こういったステップに分けて行うブレストに”方法を変えるだけ”で、出てくるアイデアの量・質が変化すると思いました。

 さいごに

今回は「ブレスト」に焦点を当てましたが、今後はストーリーボードの活用を予定して新規アイデアをブラッシュアップさせていく予定となっています。
みなさんもぜひ今後ブレストされる際には、この方法を活用されることをおすすめします!

明日の記事は@wc_moriyamaです。よろしくお願いいたします。

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