はじめに
CentOS7にTensorFlowをインストールします。
Pythonの実行環境の作成方法には色々がありますが、どれもPythonに慣れていないと難しく感じてしまいます。
今回はとにかく簡単にインストールして動かせることを目指してこの手順を作成しました。
なお、この手順はCentOS7.2で確認していますが、CentOS6やCentOS7.3以降でも同じ手順でインストールできたと思います。
まず、CentOSに標準で入っているPythonは手を加えないようにしたいので、
Pythonの仮想環境を作成し、そこにTensorFlowをインストールします。
pyenvのインストール
Pythonの仮想環境を作成するツールであるpyenvをインストールします。
pyenvは下記の公式サイトからダウンロードしてください。
https://github.com/pyenv/pyenv/releases
この手順では当時最新の「pyenv-1.0.8」を使用しています。
ユーザのホームディレクトリにダウンロードしたpyenv-1.0.8.zipを置きます。
zipを展開してリネームします。
cd
unzip pyenv-1.0.8.zip
mv pyenv-1.0.8 ~/.pyenv
インストールした場所を環境変数に設定します。
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.bashrc
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
Anacondaのインストール
PythonとPythonのパッケージ管理ツールであるcondaがセットになったAnacondaをインストールします。
ここでインストールするPythonはあくまでAnaconda用のもので、TensorFlowで使用するPythonはまた後でインストールします。
pyenv install anaconda3-4.3.0
pyenv rehash
pyenv global anaconda3-4.3.0
Anacondaを環境変数に追加します。
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/versions/anaconda3-4.3.0/bin/:$PATH"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
インストール後の確認として、conda自体をアップデートして、Anacondaが使用するPythonoのバージョンを確認します。
conda update conda
python -V
今回は、「Python 3.6.0 :: Anaconda 4.3.0 (64-bit)」と表示されました。
Pythonのインストール
いよいよTensorFlow用のPythonをインストールします。
「tensorflow」はこれから作成するPythonの仮想環境の名前ですので、任意の名前にしてください。
また、今回はPython3.6の環境を作成したいと思います。
conda create -n tensorflow python=3.6.0
下記が作成した仮想環境に入るコマンドです。
同じPython3.6.0なのでわかりにくいですが、仮想環境に入るとPythonのバージョンが変わります。
source activate tensorflow
python -V
TensorFlowのインストール
Python3.6用のTensorFlowをインストールします。
TensorFlowのバージョンは下記の公式サイトで確認してください。
https://www.tensorflow.org/install/install_linux#the_url_of_the_tensorflow_python_package
export TF_BINARY_URL=https://storage.googleapis.com/tensorflow/linux/cpu/tensorflow-1.0.1-cp36-cp36m-linux_x86_64.whl
pip install --ignore-installed --upgrade $TF_BINARY_URL
今回は、「Successfully installed appdirs-1.4.3 numpy-1.12.1 packaging-16.8 protobuf-3.2.0 pyparsing-2.2.0 setuptools-34.3.2 six-1.10.0 tensorflow-1.0.1 wheel-0.29.0」と表示されました。
Pythonコンソールに入って動作確認をしておきます。
python
import tensorflow as tf
hello = tf.constant('Hello, TensorFlow!')
sess = tf.Session()
print(sess.run(hello))
TensorFlowが見つからない!といったエラーも出ず、「b'Hello, TensorFlow!'」と表示されればOKです。
「Ctrl + d」でPythonのコンソールから抜けます。
以上でTensorFlowのインストールは完了です!
次回ログイン以降も、TensorFlowの実行環境に入りたい場合は、
下記のコマンドで作成した仮想環境に入ります。(名前は環境作成時に命名したものです。)
source activate tensorflow
TensorFlowの仮想環境から出るコマンドは下記のとおりです。
source deactivate
numPy、OpenCV、pillowのインストール
ここからは任意ですが、TensorFlowでCNNなど画像解析系の深層学習を実行したい場合に必要になるOpenCVなどをインストールします。
作成した仮想環境に入り、numPy、OpenCV、pillowを順番にインストールします。
source activate tensorflow
conda install -c anaconda numpy=1.12.1
conda install -c menpo opencv3=3.1.0
conda install -c anaconda pillow=4.0.0
Pythonコンソールに入って動作確認をしておきます。
python
import numpy as np
import cv2
from PIL import Image
エラーが出なければOKです。
「Ctrl + d」でPythonのコンソールから抜けます。
おまけ(Python2.7をインストールする方法)
Python2.7もまだまだ現役で使われていますので、上記とは別のバージョンのPythonもインストールしてみましょう。
先ほど作成した3.6のTensorFlowの仮想環境に入っている場合は抜けてください。
「tensorflow2」という名前でPython2.7系の仮想環境を作成します。
conda create -n tensorflow2 python=2.7.13
仮想環境に入り、Python2.7がインストールできていることを確認します。
source activate tensorflow2
python -V
それではPython2.7にもTensorFlowをインストールします。
export TF_BINARY_URL=https://storage.googleapis.com/tensorflow/linux/cpu/tensorflow-0.11.0-cp27-none-linux_x86_64.whl
pip install --ignore-installed --upgrade $TF_BINARY_URL
動作確認をしておきます。
python
import tensorflow as tf
hello = tf.constant('Hello, TensorFlow!')
sess = tf.Session()
print(sess.run(hello))
以上でPython2.7でのTensorFlowのインストールは完了です!
numPy、OpenCV、pillowのインストールはPython3.6と同じコマンドでインストールできます。