こちらは前回に引き続き、Adobe Dimension CC Advent Calendar 2017 の 14日目(後付け)の記事です。 (後編の記事はこちら。)
2Dデザイナ向け3Dレンダリングソフトである Adobe Dimension CC での出力は、もちろんレンダリング1発で済ませても良いのですが、むしろ PSD で出力して外部ツールで編集するやり方が主に想定されているワークフローかと思われます。フォトショでレタッチなら任せろというユーザー層が多そうですし。
現時点でのPSD出力については個人的にはまだ物足りない部分があるのですが、共にAdobe製品ということで、連携は強くなるでしょうし、現状でも必要最低限の部分は揃っていると思います。
というわけでこのレンダリング結果のPSDファイルで (いろいろ使い方を模索しつつの我流ではありますが)、レタッチを進めてみようと思います。レンダリングの設定は、地面影あり、地面リフレクションなし、環境光あり、日光なし、16bit、画質:中となっています。(32bit、画質:高の方が綺麗なわけですが、作業効率などを考えてこうなっております。) 影は環境光が柔らかいので見辛いですが、よく見るとあります。
記事としては、長くなりそうなので、前後編に分けます。
書き出されたままのPSDファイル
このように丁寧にレイヤー分けされて出力されます。ここからトーンカーブやスタンプ、変形ツールなどを駆使したフォトショップぽいレタッチをガンガンと進めていっても全く構わないのですが、今回は書き出されている特殊レイヤーを活用した編集をしてみます。 下の方の `背景画像` と `レンダリングされた画像` はレンダリング結果そのままなので、すぐにわかると思いますが、`追加レイヤー`内の3つは何に使うものでしょう。 別のレンダリング結果で説明します。シーンにはPBRテクスチャが設定されたぬいぐるみのモデル1体(マテリアルは1種類)を読み込んで配置し、Dimension のライブラリにある円柱を追加で配置しています。円柱は上面を選択して側面と別のマテリアルを設定しました。共に入れ子のオブジェクト(サブメッシュ)は存在しません。左下の`オブジェクト選択もマスク`レイヤーの画像では、オブジェクトが画面上でどの部分を占めているのか色分けされた状態が描かれています。(入れ子のオブジェクトがある場合はそれぞれ色分けされます。) 右下の`マテリアル選択マスク`では、同じように各マテリアルが画面上でどの部分を占めているのか色分けされた状態が描かれています。このレイヤーから似た色調を抜き出して選択範囲[^maskcolor]とすれば、この後のレタッチに便利なマスクとして使えると言うわけです。
元のレンダリング結果のマテリアル選択マスク
はマテリアルが1種類しかなかったのでこのような単色となっています。
この奥行き情報
レイヤーは3D空間的に手前のものが黒く、遠くのものが白く表された画像で、レタッチには一番便利なものだと思っているのですが、どう使うかは後半の記事で解説します。
選択マスクを元にレタッチ
さて、オブジェクト選択マスク
なんですが (このモデルはかなり細かくオブジェクトが分かれておりました) どうもかなりジャギジャギ1しております。ジャギーは残念ですが、これを利用して、レンダリング結果に加筆してみます。(似たような見た目になる部分でも元からマテリアルを分けておくと、ジャギーの少ない マテリアル選択マスク
を同じ用途に使えるので便利かもしれません。というか、このようなモデルなら普通マテリアル別れてますよね。。サブスタンスペインターでPBRペイントしたため部位ごとに質感が異なるものの、全体で1マテリアルになってます。)
ここまでの作業で(と言うほど作業してないが)上記のようになります。
なお、影については3種類ほど日光の方向を変えたレンダリングを (クオリティ低でサクッと) 行い、影部分のみマスクで切り取ってこちらに移植2してきています。光源が多数ある感じが出せたかと思います。
後編に続く!