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設計書づくりをAIと共同作成して効率化した話

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TL;DR

  • 初稿到達のリードタイムが短くなり、レビュー着手が前倒しに。
  • 章立てと書式の揺れが減り、レビューの論点が「文章校正→仕様の妥当性」にシフト。
  • ただし誤推論の混入図版の手作業は残り、人手レビューは不可欠。

なぜ効率が上がったのか(構造的な理由)

1. 認知負荷のボトルネックを外せる

空のConfluenceページを開いて「最初の段落」を捻り出す作業は、創作的で時間も精神力も持っていかれます。
Claudeで章立て+粗い本文を先に用意することで、私たちの作業は**“編集”**に寄ります。編集は判断密度が高く、チーム貢献にも直結。結果として初稿が早く出て、ステークホルダーの合意形成も前倒しできます。

2. レビューの摩擦が減る

見出しレベルや表の並びなど、体裁の不一致はレビューの集中を阻害します。
ChatGPTで取り込みやすい体裁(見出し階層・表・コード)に揃えると、レビューは仕様や根拠にフォーカスしやすくなります。

3. 「未確定の見える化」で合意が早まる

AIが埋め切れずに残すTODO前提の穴が、逆にメリットになります。
「どこがまだ曖昧か」を早い段階で共有できるので、レビュー→決定→反映のサイクルが回しやすい。


Before/After(定性的な差分)

Before:Confluenceに一から手入力

  • 章立てから手探りで開始 → 立ち上がりに時間
  • 体裁崩れ(見出し/表/コード)の調整に時間
  • 初稿の公開が遅れ、レビュー開始が後ろ倒し

After:Claude下書き → ChatGPT体裁 → Confluence

  • 骨子+叩き台が即時に出る
  • 章立て標準化でレビューの視線が揃う
  • 取り込み後の体裁崩れが小さいため、修正のコストが下がる
  • 初稿公開が早まりレビュー主導の進行

実務で効いた“運用ルール最小セット”

  • AI下書き=叩き台:最終責任は人。一次情報(PR/コード/要件)で裏取りする。
  • TODOは消さずに活かすTODO: 担当/期限 をConfluenceのタスクに変換して回す。
  • プロンプトをテンプレ化:章立て・用語・非機能の閾値・禁則を固定し、揺れを抑える。
  • 図版は後差し替え前提:横幅 800–1200px / 200–300dpi の目安をチーム標準に。
  • 差分運用:再生成は「差分だけ反映」。既存本文を壊さない指示を徹底。

トレードオフと対策

リスク/デメリット 具体例 最小対策
事実誤認の混入 API前提の取り違い、戻り値の“それっぽい”補完 裏取り担当を決める/PRやテストコードへの参照リンクを同時に記述
図の手作業 画面・処理フローは精度にばらつき 画像は後差し替え。キャプションと占位だけ先に置く
社内標準の取りこぼし 用語・命名・閾値が曖昧に プロンプトに**辞書(Do/Don’t)**を入れる/用語集への参照を付与
情報統制 秘匿値や接続先が露出 マスキング徹底/サンプル化。取り扱いレベルを章頭で宣言

効果の測り方(数字で説得力を持たせる)

2スプリントだけで良いので、下記の前後を記録して比較すると意思決定に効きます。

  • 初稿到達リードタイム:素材準備開始 → Confluence下書き公開
  • レビュー開始まで:初稿公開 → 初回コメント
  • 体裁修正件数:取り込み後に直した見出し/表/コード/画像の数
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