初めに
この記事は何?
小学校の PTA の役員として、PTA 業務の一部をデジタル化(プチDX化)した事例です。
地域のITコンサルの一環として、参考になれば幸いです。
黎明期
PTA 内の問題点をヒアリング
PTA メンバーより
- データをUSBで管理している =>紛失が怖い。。
- 配布する書類が多い =>印刷業務が大変だ!
私
- じゃあ Google ドライブで管理して、配布も電子媒体で送信しよう!
1年後
普及活動から1年が経過したが
ほぼ普及しなかった。
検討
聞き込み調査
なぜ普及しなかったのか? をヒアリング。
PTA メンバーからの意見
- そもそも、Google ドライブの使い方が分からない
- 電子媒体での一括送信は、大人の事情があって対応できない
意見を掘り下げてみた
Google ドライブの使い方が分からない 件
- そもそもUIの操作が分からない
- ファイルはどうやって登録するの?
- スプレッドシートやドキュメントの使い方が分からない
- フォームの作り方が分からない
- 権限が複雑
- 閲覧とか編集とかよく分からない
- 保護者に資料を見せるにはどうしたらいいの?
電子媒体での一括送信は、大人の事情があって対応できない 件
- 一括送信は大人の事情で廃案
- LINE Works の活用も考えたが、進んでいない
- 無償プランだと100人限定 =>課金はいろいろ承認をもらう必要がある
- 保護者に LINE Works アプリを入れてもらい、かつ登録してもらう必要がある
- 転出、退会、卒業した場合の対応が必要 =>入学年度ごとにチャットを分ける、という案もあった
考え直し
- 電子媒体での一括送信は、大人の事情や承認周りが大変
- これは代替案に落とし込む(次項で説明します)
- Google ドライブなどの使い方が分からない
- これを何とかする
- 課題を一つずつ潰していこう!
対策実行
代替案から実施
電子媒体での一括送信はできない。
ならば...
印刷はQRコード一枚だけにして、
資料自体はQRコードから読み込んでもらおう!
QRコードを利用できない人向けに、特別対応も添える。
- URLをそのまま併記する
- フォントサイズを大きくする
- フォームなら短縮 URL にして、保護者の入力コストを減らす
- 学校評議員の方には、今まで通り印刷で対応する
- 多くても10件程度なので負荷ではない
中間成果
- 印刷コスト削減
- 今までは、3,4枚 × 児童数 なので、2,000枚を超えることもあった
- 今は 1枚 × 児童数 で済む
- 数百枚単位で削減できた
- 拘束時間の削減
- 今までは、n枚印刷して、さらにホチキス止めしていた =>3時間以上かかっていた
- 今は 1時間以内で 終わる
そもそもUIの操作が分からない 件の解消
ファイルはどうやって登録するの?
- 初めのうちは格納を代行
- そのうち慣れてきて、普通に操作できる人が増えた
スプレッドシートやドキュメントの使い方が分からない
- Excel、Wordとも互換性があるので、手元PCで作成したものを上げてもらった
- ただし、完全な互換性ではないため、資料のズレが起きた
- とりあえず、印刷と公開ができればOKだったので、
この辺りは許容範囲
- 慣れている人には、スプレッドシートなどの操作方法をレクチャー
- 直接 UI で編集できる人もいた
フォームの作り方が分からない
- これも最初は代行
-
フォームはアンケートや募集でよく使うので、一番需要があった
- 相談回数も多かった
- フォームの作り方を現地でレクチャーしたりして、作れる人を増やした
権限が複雑
-
大事な部分なので、会議で時間を割いて全体周知した
- 特に「インターネットに公開 にはしないでね」という点
- フォームの権限については、編集者と回答者で権限が違う理由を説明
- 保護者への公開=編集者の権限 と勘違いする人が多かった
- PTA メンバーの編集権限は、担当領域のフォルダごとに付与
- 誤操作防止、かつ権限はく奪時に管理しやすいように
- 全フォルダの閲覧権限は、PTA メンバー全員に付与(資料共有のため)
-
QRコードなどで参照する保護者共有資料については、
例外的に「インターネット共有フォルダ」を用意- 期限の過ぎたものは、会議などで確認して削除
- 権限の棚卸し
- 利用者と担当領域を表で管理
- 1年ごとに離任者の権限のはく奪、新任者の権限付与を実施
成果のまとめ
- USB 管理の撤廃 =>Google ドライブにデータを移行
- 印刷コストの削減 =>数百枚単位での削減
- 現地拘束時間の削減 =>オンラインで自宅からも作業可能に
- アンケートの効率化 =>フォームの活用で電子化
追記: Microsoft 365 は使わなかったの?
Excel 利用者が多かったので、候補の一つだった。でも...
まず、Microsoft 365 には Office の互換性が強いというメリットがある。
ローカルPCで Excel や Word を使う人が多数なので、
互換性のある Microsoft 365 の方が、資料のズレなどが起こらない。
しかし、それ以上にデメリットも多かった。
- 無償プランだと容量が少ない
- Google ドライブの 15G に比べて 5G しかない
- PTA では写真をよく入れるので、容量は必要
- Microsoft アカウントを持っている人が少ない
- Google アカウントはほとんどの人が持っていたので、普及しやすかった
- 一般に普及していない
- Google ドライブでさえ普及に苦労したので、
Microsoft 365 は普及のハードルがさらに上がる可能性もある
- Google ドライブでさえ普及に苦労したので、
- 引き継ぎ
- 後進に引き継ぐ際、「Microsoft 365 の管理が可能な人」を探す必要がある
- PTA は人材不足なので、極めて難しいハードル
なので、Microsoft 365 の活用は保留となった ![]()