はじめに
便利メモツールObsidian。さらにラクして使うコツ、なかでも練度のあがってきたものをご紹介します。
Obsidianは、自分だけのナレッジベースを作るためのノートテイキングアプリであり、非常に人気があります。その一方で、AIによるテキスト生成エンジン、ChatGPTも非常に注目を浴びています。
概要
ObsidianとChatGPTを同時に使用すると、知識の取り込みと整理がとても簡単になります。しかし、ChatGPTとのチャットの結果を直接Obsidianのノートに貼り付けると、フォーマットが崩れてしまうことがあります。たとえば、箇条書きの順序が消えたり、一部のテキストが正しく表示されなかったりします。これは、せっかくのナレッジを整理しておく際に、大きな障害になります。
上のスクリーンショットは、ChatGPTからの出力をObsidianに直接貼り付けたときの例です。箇条書きが消えてしまっており、テキストが読みにくくなっています。
これを解決する方法として、Chromeの機能拡張であるMarkDownloadを使う方法をご紹介します。MarkDownloadを使えば、ChatGPTのウェブ画面から任意の範囲を簡単にObsidianのノートに貼り付けることができます。
上のスクリーンショットが、MarkDownloadを用いたときの例です。箇条書きやコードブロックなどの要素が維持されており、読みやすく、再利用も容易です。
以下に、具体的な手順を説明します。
機能拡張の準備
まず、ChromeまたはVivaldiを使用している場合、以下のリンクからMarkDownloadのページを開き、機能拡張をインストールします。
コピペ操作
ChatGPTとのやりとりを部分的にコピペしたい場合
まず、ChatGPTのウェブ画面で、コピーしたい部分を選択します。次に、ブラウザの上部にあるMarkDownloadのアイコン(機能拡張ボタン)をクリックします。新しいウィンドウが開き、選択したテキストが表示されます。ここでSelected Text
タブをクリックし、そのテキスト全体を選択(ctrl/cmd + Aが便利です)してコピーします。最後に、Obsidianのノートに貼り付けます。
上記画像は、操作の流れを示しています。灰色になっているのがChatGPTのウェブ画面で選択した部分、紫色がMarkDownloadのウィンドウでコピーするために選択した部分です。
ChatGPTの一連のやりとりを全てコピペしたい場合
全てのテキストをコピーしたい場合は、以下の2つの方法があります。まず一つ目、ChatGPTのウェブ画面でテキストを選択した状態でMarkDownloadのアイコンをクリックし、開かれたウィンドウでEntire Document
タブを選択します。二つ目、ChatGPTのウェブ画面で特にテキストを選択せずにMarkDownloadのアイコンをクリックします。この場合、デフォルトで全文が選択されます。
Markdownload以外の選択肢
ChatGPTとのチャットの結果を効果的にObsidianに移す方法は、いくつか存在します。たとえばObsidianのChatGPT用のプラグインをインストールし、Obsidian上でChatGPTを直接操作することも可能です。しかし、これにはそれなりの設定が必要であり、また課金体系が変わってしまうという副作用も存在します。
ChatGPTの最近のアップデートでは、一つの回答を直接コピーできる新機能が追加されました。これは便利な機能ではありますが、一連のチャットのやり取りをObsidianのノートに貼り付けることはできません。
それに対し、Chromeの機能拡張MarkDownloadを使用すると、通常通りChatGPTをウェブ画面から利用しつつ、簡単な手順で任意の範囲をObsidianのノートにコピペできます。操作の手軽さと、ユーザのニーズに応じて柔軟にコピペが可能な点から、MarkDownloadの使用をお勧めします。
また、MarkDownloadの開発者はObsidianコミュニティにも貢献しており、自身もObsidianのヘビーユーザーであるということも、このツールを信頼する大きな理由です。
おわりに
この記事では、ObsidianとChatGPTを一緒に効果的に使うための手法、特にChromeの機能拡張MarkDownloadの使い方について解説しました。
このツールを使用することで、ChatGPTから得た知識を手軽にObsidianのノートに移すことが可能となります。学んだり、知識を整理したりするにあたって、ChatGPTとObsidianが相乗効果を発揮し、学習や知識管理のプロセスをより効率的で、より楽しいものになることを願っています。
参考リンク
環境
ここで書いていることは、下記のバージョンで実施しました。
- Obsidian 1.3.5
- macOS Ventura 13.3.1 (a)
- MacBook Pro (14-inch, 2021)