本記事では、Appleシリコン(M1/M2チップ)マシン上でParallels仮想マシンがクラッシュする問題について解説し、新しい仮想マシンの作成とWindows 11とMicrosoft Officeのライセンス移管手順を述べます。Parallelsでクラッシュ問題が発生した場合の解決策として、仮想マシンの再構築方法やライセンス移管手順を参考にして、スムーズに作業を進めることができるかとおもいます。
はじめに
1.1. Parallels仮想マシンのクラッシュ問題とその現象
Parallelsを起動していると、何の作業をしていても、5分から10分たつと仮想マシンがクラッシュして落ちる状態になりました。
1.2. 本記事の目的
Parallelsの仮想マシンを作り直す際の障壁は、WindowsとMicrosoft Officeのライセンス移管でした。予想よりはスムーズでしたので、手順を記録します。なお、Microsoft Officeはサブスクリプション版ではなく買い切り版でした。
1.3 環境
- Microsoft Office Home & Business 2021
- Windows 11 Home 64bit 22H2
- Parallels Desktop 17 for Mac Standard Edition 17.1.6 (51584)
- macOS Ventura 13.1
- MacBook Pro (14-inch, 2021)
クラッシュ問題の原因調査
2.1. サポートへの問い合わせ
自力でいろいろやってみましたが、万策尽きたので、サポートに問い合わせをしました。Facebook Messengerでサポートに問い合わせができるので、支援を受けました。
どこか海外からのサポートでした。いつメッセージを送っても、日本時間の夕方5時から7時位のみ返信が返ってくる。日本語は自動翻訳。1日1回のやりとりになる。などゆっくりとしたペースでの支援でした。Standard Editionなのでやむを得ないところはあります。
2.2. トラブルシューティングの結果
やったことで、効果がなかったのは下記の通りです。
- CPUとメモリの設定を初期状態に戻しました。
- Parallels本体をインストールし直しました。
- Parallels本体をいったん削除して、インストールし直しました。
- 自動的に停止モードになるのをオフにしました。
最終的に、新しく仮想マシンをつくると、仮想マシンがクラッシュしないことがわかりました。そこで、新しい仮想マシンに、引越しすることになりました。
仮想マシンの再構築
3.1. 新しい仮想マシンの作成 & Windows 11のインストール
ナレッジデータベース(KB)に記事があり、この通りにやればOKです。文章は、日本語にも切り替えられます。
Parallels Desktopを使用して、AppleM Seriesチップを搭載したMacに新しいシステムをインストールします
Parallelsでは、新しい仮想マシンをつくり、OSにWindowsを指定すると、ARM版のWindows 11が自動的にダウンロード&インストールされます。この体験はさすがに素晴らしいです。
ライセンス移管の手順
結論としては、Windows 11ライセンス入力→MSオフィスインストールで、あまり手間がかからず終わりました。
4.1. Windows 11のライセンス移管
あたらしい仮想マシンにWindows 11をインストールしたのち、KBの下記記事を参考に、Windows 11をアクティベートします。
Parallels DesktopでWindows 11をインストール後にWindowsのをアクティベートする方法について
ポイントは、システム > ライセンス認証 > トラブルシューティング を選ぶことです。
ParallelsでのWindows 11インストールの際、デフォルトではパスワード設定がされません。ライセンス認証のときにログインパスワード入力を求められますが、空(null)が正解でした。
4.2. Microsoft Officeのライセンス移管
Microsoftアカウントにログインし、支払いと課金情報 > すべて > Office Home & Business 2021 を選択し、インストール
を押します。
ダウンロード&インストールが完了し、初回起動時にライセンス確認が行われ、オフィスを再起動するとアクティベートされていました。
その他タスクについて
スムーズにWindows 11を使えるようにするための残タスクがありますが、本記事の範囲を超えるので、リスト記載にとどめます。
- macOSでVBScriptをダブルクリックしたとき、新しい仮想マシンでWindows Based Scrpit Hostが走るようにする
- Edgeで使用する、金融機関の電子証明書を発行する
- USキーボードでIME切り替えをできるようにする
まとめ
Appleシリコン搭載マシンでParallels仮想マシンがクラッシュする問題に対処するために、新しい仮想マシンを作成し、Windows 11とMicrosoft Officeのライセンス移管を実施しました。クラッシュしない新しい仮想マシンの作成と、スムーズなライセンス移管により、予想していたよりは、随分簡単に問題を解決することができました。
Parallelsが対応してくれているので、まだマシな状況ではありますが、ARM上の仮想マシンでWindowsを動かすのはそれなりにハードルが高い状態が続いています。はやくUTMに移行できて、あまり苦労せずに速いAppleシリコン+Windows環境を安定させられるといいのですが。