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Obsidian Copilotのすゝめ:ノート活動を変えるかもしれない壁打ち相手

Last updated at Posted at 2025-03-16

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はじめに

Obsidianは、その柔軟性と拡張性から、多くの人に愛用されている知識管理ツールです。私も、日々のメモやアイデアの整理、そしてビジネス資料の作成まで、Obsidianを活用しています。

近年、目覚ましい進化を遂げているのが、大規模言語モデル(LLM)です。文章の生成や要約、翻訳など、LLMは様々なタスクで人間を凌駕する能力を発揮し始めています。このLLMの力をObsidianと組み合わせることで、知的生産性をさらに向上させることができるのではないか。そう考え、私はObsidian Copilotを導入しました。

Obsidian Copilotは、Obsidian内でLLMを活用するためのプラグインです。まるで優秀な「副操縦士(Copilot)」のように、ノート作成、アイデア出し、文章校正など、様々な作業をAIがサポートしてくれます。

なぜObsidian Copilotを選んだのか(Smart Composerとの比較)

ObsidianでLLMを利用できるプラグインは、Obsidian Copilotだけではありません。例えば、「Smart Composer」というプラグインも存在します。

現時点では、両者に決定的な差を感じているわけではありません。しかし、私がObsidian Copilotを試用している理由は、主に以下の3点です。

  1. 出力の質の高さ: いくつかのプロンプトで比較したところ、Obsidian Copilotは、Smart Composerよりも文脈に沿った、具体的な提案をしてくれる傾向がありました。Smart Composerは、ノートの内容を十分に理解していないかのような、的外れな応答を返すことがあり、この点が気になりました。
  2. 設定の柔軟性: Smart Composerの出力が期待に満たないのは、単に私の設定が不十分である可能性も否定できません。Obsidian Copilotについても、まだ最適な設定を見つけられていないため、現時点では「Obsidian Copilotに確定」とは言えません。
  3. 将来性への期待: Obsidian Copilotは、Smart Composerに比べて開発が活発であり、新機能の追加や改善が頻繁に行われています。今後の発展次第では、Obsidian CopilotがSmart Composerを大きく上回る可能性を秘めていると感じています。

これらの理由から、私は現時点でObsidian Copilotを試用し、その可能性を探っています。

Smart Composerの設定を見直す余地も残されており、最終的な判断は今後の検証次第です。両プラグインの特性を理解し、よい選択をしたいと考えています。

Obsidian Copilotの概要

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Obsidian Copilotは、Obsidian内でAIの力を活用するためのオープンソースプラグインです。主な特徴は以下の通りです。

  • 多様なLLMに対応: OpenAI、Anthropic、Google Geminiなど、様々なモデルを利用可能。APIキーを登録するだけで、ChatGPT Plusなどの有料プランは不要です。ローカルLLM (LM Studio, Ollama) にも対応。
  • チャットUI: Obsidian内でLLMと対話できるチャットウィンドウを提供。
  • コマンド: テキストの簡略化、翻訳、文法修正など、様々な処理をコマンドで実行。
  • カスタムプロンプト: 独自のプロンプトを作成・管理、呼び出し可能。
  • Vault QA: Obsidian内の全ノートを対象に質問応答が可能。ローカルインデックスを使用し、プライバシーに配慮。
  • Copilot Plus (ベータ版): Obsidianに強力なAIエージェント機能を追加 (詳細はobsidiancopilot.com)。

Copilotのチャット機能とVault QAは無料で利用可能です。

導入手順

Obsidian Copilotのインストール

  1. Obsidianの「コミュニティプラグイン」から「Obsidian Copilot」を検索し、インストールします。
  2. プラグインを有効化します。

Ollamaとの連携設定

  1. Ollamaのインストール: Ollama公式サイト から、お使いのOS (Mac, Linux, Windows) に合わせてOllamaをダウンロードし、インストールします。

  2. モデルのダウンロード: ターミナル(またはPowerShell, CMD)で ollama pull <モデル名> を実行し、使用したいLLMモデルをダウンロードします。(例:ollama pull mistral

  3. コンテキストウィンドウの設定(重要): ollama run <モデル名>を実行後、/set parameter num_ctx <コンテキスト長>(例: /set parameter num_ctx 32768)でコンテキスト長を設定し、/save <モデル名>で保存します。各モデルで個別に設定が必要です。 サーバーログでllama_new_context_with_model: n_ctxの値を確認してください。

  4. サーバーの起動(重要): Obsidianからアクセスできるようにするため、以下のいずれかの方法でOLLAMA_ORIGINS環境変数を設定してOllamaサーバーを起動します。

    • CLI (Mac, Linux): ターミナルで OLLAMA_ORIGINS=app://obsidian.md* ollama serve を実行。(fishシェルの場合は OLLAMA_ORIGINS="app://obsidian.md*" ollama serve)
    • macOS App: ターミナルでlaunchctl setenv OLLAMA_ORIGINS "app://obsidian.md*"を実行後、Ollamaをメニューバーから終了し、再起動。
  5. Obsidian Copilotの設定: Obsidian Copilotの設定画面で、「Add Custom Model」を選択し、以下を入力して「add」をクリック。

    • Model Name: Ollamaでプルしたモデル名 (例: mistral)
    • Provider: ollama
    • Verify ボタンを押してsuccessfulとなることを確認し、Add Model ボタンでモデル追加
  6. ローカル埋め込み(オプション): RAGでローカル埋め込みモデルを使用する場合、ollama pull nomic-embed-text (または mxbai-embed-largeなど)を実行。CopilotのQA設定で、モデル名(例: nomic-embed-text)、プロバイダollamaを指定。

これで、Obsidian CopilotからOllamaで動作するローカルLLMを利用できるようになります。

サーバの起動が重要です。setenv してmacOS.appで起動、で普段づかいはOKと思います。ログを見るにはターミナルで OLLAMA_ORIGINS=app://obsidian.md* ollama serve で起動するのがよいです。

LLMの選択と設定

Obsidian Copilotでは、複数のLLMモデルを使い分けることができます。いまのところ、私は下記のモデルを使っています。

テキスト生成モデル

  • gemini-2.0-flash (クラウド):

    • メリット: 高速かつ高品質な文章生成が可能。回数制限などはあるが無料。
    • デメリット: インターネット接続が必要。APIキーを取得する必要あり。プライバシーに関する懸念あり。
    • 使い所: 高品質な文章を素早く生成したい場合。
  • deepseek-r1:14b-qwen-distill-q4_K_M (ローカル):

    • メリット: 比較的軽量で、ローカルで動作。
    • デメリット: gemini-2.0-flashに比べると、生成速度や品質が劣る。
    • 使い所: プライバシーを重視しつつ、ある程度の品質の文章を生成したい場合。
  • lucas2024/llama-3-elyza-jp-8b:q5_k_m (ローカル):

    • メリット: 上記deepseek-r1:14bより軽量。ローカルで動作。
    • デメリット: gemini-2.0-flash、deepseek-r1:14bと比べると、生成速度や品質が劣る。
    • 使い所: プライバシーとスピードを重視し、文章の品質をあるていど犠牲にしても大丈夫な場合。

エンベッディングモデル

  • yxchia/multilingual-e5-large-instruct:latest:

    • メリット: 多言語に対応しており、日本語の文章にも対応可能。
    • 使い所: とりあえずこれでしばらく運用。
  • mxbai-embed-large:latest:

    • メリット: 高い精度で文章の類似度を計算できる。
    • 使い所: しばらくこれで運用して不満はなかったが、multilingual-e5-largeのほうが賢いという話なので実験中。

モデル選択の理由と使い分け

  • 普段使い: gemini-2.0-flashで高速・高品質な文章生成。
  • オフライン作業: deepseek-r1:14b-qwen-distill-q4_K_Mでプライバシーを確保。
  • 速度優先: lucas2024/llama-3-elyza-jp-8b:q5_k_mで質を犠牲にしてスピード優先。
  • RAG利用時: yxchia/multilingual-e5-large-instruct:latest で実験中。いまのところスピードも問題ないと感じている。

おすすめ設定

Obsidian Copilotの高度な設定の一つに、「User System Prompt」があります。ここに、AIアシスタントの役割や口調などを指示する文章を入力できます。

設定場所は、Settings > Copilot > Advanced > User System Prompt です。

例えば、以下のように設定すると、常に日本語で丁寧な応答をしてくれるようになります。

あなたは誠実で優秀な日本人のアシスタントです。特に指示が無い場合は、常に日本語で回答してください。

SS 2025-03-16 13.51.48_opt.jpg

この設定は、特に日本語でObsidian Copilotを利用する方におすすめです。ぜひ一度お試しください。

Obsidian Copilotの活用例

Obsidian Copilotは、以下のような場面で、私のObsidianライフをサポートしてくれています。

  • ノート作成の効率化: タイトルや見出しの提案、本文の自動生成、さらには既存ノートからの関連情報の抽出まで、Obsidian Copilotにお任せすることで、ノートからアウトプットを作成するのが効率的になりました。
  • 文章の校正・改善: 誤字脱字や文法ミスのチェックはもちろん、より自然で洗練された表現を提案してくれるので、文章の質が向上したと実感しています。要約機能も超・便利です(後述)。
  • 関連ノートの提示: Obsidian Copilotは、作業中のノートに関連するノートを自動的に探してきてくれます。これがさりげなく非常に便利で、過去の自分の思考を掘り起こしたり、思わぬ繋がりを発見したりするきっかけになっています。
  • カスタムプロンプトの威力: 特に「要約」や「簡単に言い換える」といったカスタムプロンプトは、日々の作業を大幅に効率化してくれる、手放せない機能となりました。自分でプロンプトをカスタマイズできるので、Obsidian Copilotを自分専用のAIアシスタントとして活用できるのがありがたいです。

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カスタムプロンプトで、文を要約させている例

今後の展望

Obsidian Copilotは発展途上のプラグインであり、今後の進化に期待しています。特に、機能拡張(画像生成、音声入力など)RAGの高度化UI/UXの改善に注目しています。

私自身の活用計画としては、Obsidian Copilotを日々の作業に取り入れ、新しいワークフローを構築したいと思っています。具体的には、

  • 設定の最適化: 自分の作業スタイルに最適な設定を見つける。
  • LLMモデルの選定: 速度、精度、プライバシーのバランスが良いモデルを探す。
  • プロンプトエンジニアリング: 効果的なプロンプト作成技術を磨く。

Obsidian Copilotは、私のノート活動を変える可能性を秘めたツールです。その進化にうまく便乗し、学び続け、共に成長していきたいです。

リンク集

この記事は Obsidian Copilotのすゝめ:ノート活動を変える可能性のある壁打ち相手 - mxt forest に基づいています。最新の情報や更新は、元の記事でご確認ください。

環境

以下のバージョンで実施しました。

  • Obsidian v1.8.9
  • macOS Sequoia 15.3.2
  • MacBook Pro (14-inch, 2021)

おわりに

Obsidian Copilotを導入して1週間が経過しました。私のObsidianを用いたノート活動は、大きく変化しました。一人で作業しているのではなく、誰かと壁打ちしながら物事を進めているような感覚です。

特に、カスタムプロンプトの機能は、作業効率を大幅に向上させました。人に読んでもらうためには、文章の情報量と密度のコントロールが鍵となります。しかし、LLMが作る文章も、人間がつくる文章も、基本的には冗長になりがちです。情報量を落とし密度を上げる作業が必須となります。手作業で行うのも楽しいですが、パートナーがいることで、さらに楽しい体験へと変わりました。

Obsidian Copilotの機能を完全に活用できているわけではありません。RAG機能の高度化や、新しいLLMモデルの登場など、Obsidian Copilotには、まだ多くの潜在能力があると感じています。

Obsidian Copilotは、私のノート活動を変える可能性を秘めたツールである

これが、現時点での率直な評価です。Obsidian Copilotの今後の発展に期待するとともに、私自身もObsidian Copilotを積極的に活用し、その進化に貢献できるよう、継続的な利用を続けていく所存です。この有用なツールは、Obsidianユーザーの方々、特に文章作成に携わる方には、非常に役立つ可能性があると愚考いたします。

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