運用業務で使う最低限押さえておきたいLinuxコマンド_cdコマンド編
はじめに
「監視オペレーターからいよいよ運用保守の現場に配属!」
そんなとき、先輩から「じゃあ、サーバーにログインして/var/logに移動してログ確認しといて」と言われて、頭の中が真っ白になった経験はありませんか?
こんにちは、わたるです。ハンズオンラボの運営メンバーとして、インフラエンジニア10年目(監視オペレーター2年→運用保守1年→設計構築7年)で活動しています。
私も監視オペレーターから運用保守の現場にジョインした際、Linuxコマンドがまともに打てなくて本当に困りました。最低限のコマンドを知らないと、先輩から「使えないやつ」認定されてしまうのでは…と不安でいっぱいでした。
この記事では、運用の現場に入るのであれば最低限押さえておきたいcdコマンドとそのオプションについて、初心者の方でもすぐに実践できるように解説します。cdコマンドを使いこなすことで、現場でのストレスを少し軽減することができます。
cdコマンドとは?「change directory」の略
cdコマンドは「change directory(ディレクトリを変更する)」の略で、Linuxでディレクトリ(Windowsで言うフォルダ)を移動するための基本中の基本コマンドです。
運用の現場では、ログファイルを確認したり、設定ファイルを編集したり、アプリケーションのディレクトリに移動したりと、1日に何十回も使うコマンドです。
cdコマンドの基本的な使い方
$ cd [移動先のディレクトリ]
たったこれだけです。しかし、この単純なコマンドにも様々なオプションや指定方法があり、それを知っているかどうかで作業効率が大きく変わります。
1. 押さえておきたいcdコマンドの基本パターン
具体的なエピソード
監視オペレーターから運用保守の現場にジョインした初日、先輩から「/var/log/messagesを確認して」と指示されました。
私は慌てて以下のように入力しました。
$ cd var/log
-bash: cd: var/log: No such file or directory
「No such file or directory」のエラーが出て、ディレクトリが見つからない…。先輩は忙しそうで、何度も質問するのも気が引けます。焦る私を見て、先輩が一言。
「先頭に "/" つけてみて」
$ cd /var/log
$ pwd
/var/log
やっと移動できました。
なぜ困ったのか/なぜ重要なのか
実は、ディレクトリの指定方法には**「相対パス」と「絶対パス」の2種類**があります。
- 絶対パス: ルートディレクトリ(最上位の階層)から始まるパス。「/」で始まる
- 相対パス: 現在いるディレクトリから見た相対的なパス
私が最初に入力したcd var/logは相対パスの指定で、「今いるディレクトリの下にあるvar/logディレクトリに移動する」という意味でした。しかし、実際には/var/logは絶対パスで指定する必要があったのです。
この違いを理解していないと、現場で毎回エラーに悩まされることになります。
どう解決したか/どう学んだか
まずは、以下の基本パターンを丸暗記することから始めました。
【cdコマンド基本パターン一覧】
| 移動先 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| 絶対パスで移動 | cd /var/log |
ルートから始まる絶対パスで指定 |
| 相対パスで移動 | cd logs |
現在のディレクトリ内のlogsに移動 |
| ホームディレクトリに移動 |
cd または cd ~
|
自分のホームディレクトリに戻る |
| 1つ上の階層に移動 | cd .. |
親ディレクトリに移動 |
| 2つ上の階層に移動 | cd ../.. |
2階層上に移動 |
| 直前のディレクトリに戻る | cd - |
直前にいたディレクトリに戻る |
| ルートディレクトリに移動 | cd / |
最上位のルートディレクトリに移動 |
このパターンを覚えてからは、「今どこにいるか?」「どこに行きたいか?」を意識するようになり、エラーが激減しました。
2. 意外と知らない便利な使い方
具体的なエピソード
運用業務でログ調査をしていたときのこと。/var/log/application/app.logを確認した後、設定ファイルを確認するために/etc/application/configに移動する必要がありました。
最初は、毎回フルパスを入力していました。
$ cd /var/log/application
$ cat app.log
# ログを確認...
$ cd /etc/application/config
$ cat app.conf
# 設定ファイルを確認...
# また戻る必要が...
$ cd /var/log/application
これを何度も繰り返していると、タイプミスも増えるし、時間もかかる。もっと効率的な方法はないのか?
なぜ困ったのか/なぜ重要なのか
運用の現場では、特定の2つのディレクトリを行ったり来たりすることがよくあります。
- ログディレクトリと設定ファイルディレクトリ
- アプリケーションディレクトリとバックアップディレクトリ
- 本番環境とステージング環境
毎回フルパスを入力するのは非効率ですし、長いパスを何度も入力するとタイプミスのリスクも高まります。
どう解決したか/どう学んだか
先輩に相談したところ、「cd -」コマンドを教えてもらいました。
$ cd /var/log/application
$ pwd
/var/log/application
$ cd /etc/application/config
$ pwd
/etc/application/config
# 直前のディレクトリに一発で戻る!
$ cd -
/var/log/application
# もう一度実行すると、また戻る!
$ cd -
/etc/application/config
cd -は直前にいたディレクトリに戻るコマンドです。これを知ってから、2つのディレクトリを行き来する作業が劇的に楽になりました。
【よく使う便利な使い方一覧】
| コマンド | 効果 | 使うシーン |
|---|---|---|
cd - |
直前のディレクトリに戻る | 2つのディレクトリを行き来するとき |
cd |
ホームディレクトリに戻る | 作業を一旦リセットしたいとき |
cd ~username |
指定ユーザーのホームへ | 他ユーザーの設定を確認するとき |
cd ../logs |
1つ上の階層のlogsへ | 相対的に移動したいとき |
3. 実務で役立つcdコマンドのオプション
具体的なエピソード
ある日、シンボリックリンク(ショートカットのようなもの)を使った環境で作業をしていました。
$ cd /app/current
$ pwd
/app/current
この/app/currentは実は/app/releases/20250210へのシンボリックリンクでした。しかし、このことを知らずに相対パスで作業を続けた結果、意図しないディレクトリで作業してしまい、設定ファイルを間違えて編集してしまいました。
なぜ困ったのか/なぜ重要なのか
シンボリックリンクは、デプロイツール(Capistrano、Ansibleなど)でよく使われる仕組みです。運用の現場では、リンク先の実体パスを意識する必要がある場面があります。
cdコマンドには、シンボリックリンクの扱いに関するオプションがあります。
どう解決したか/どう学んだか
シンボリックリンクを扱う際に知っておくべきオプションを覚えました。
【cdコマンドのオプション一覧】
| オプション | 効果 | 使用例 |
|---|---|---|
-L |
シンボリックリンクをそのまま辿る(デフォルト) | cd -L /app/current |
-P |
シンボリックリンクの実体パスに移動 | cd -P /app/current |
実際に試してみましょう。
# シンボリックリンクをそのまま辿る(-Lはデフォルト)
$ cd -L /app/current
$ pwd
/app/current
# シンボリックリンクの実体パスに移動
$ cd -P /app/current
$ pwd
/app/releases/20250210
-Pオプションを使うことで、実際のディレクトリ構造を意識した作業ができるようになりました。
正直なところ、これらのオプションを日常的に使う機会は多くありません。しかし、「こういうオプションがある」という認識を持っておくだけで、いざという時に慌てずに済みます。
まとめ
cdコマンドは、Linuxを使う上で最初に出会い、最も頻繁に使うコマンドです。
この記事で紹介した内容をまとめます。
✅ 絶対パス(/)と相対パスの違いを理解する
✅ 基本パターン(cd -, cd .., cd ~)を覚える
✅ オプション(-P, -L)の存在を知っておく
cdコマンドは移動するだけなので、何かを間違えてもシステムに影響が出ることはありません。積極的に移動して、体で覚えてしまいましょう。
最低限のLinuxコマンドの知識をつけることで、運用現場でのストレスを少し軽減することができます。焦らず、一歩ずつスキルアップしていきましょう!
一緒に学びませんか?
私たちハンズオンラボでは、運用エンジニアとして最低限押さえておきたいLinuxコマンドをはじめ、実践的なスキルを身につけるためのハンズオンを定期開催しています。
✅ 完全ハンズオン形式で実機を触れる
✅ 現役エンジニアが伴走してサポート
✅ 初心者大歓迎・質問し放題
「監視オペレーターから運用エンジニアにステップアップしたい」
「実務で困らないLinuxスキルを身につけたい」
そんな方は、ぜひ一度遊びに来てください!
📍 connpassページ: https://zeki-chan-lab.connpass.com/