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Nutanix Community Edition(ce-2015.11.05-stable)のAcropolis HypervisorのHA機能(その1)

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Nutanix Advent Calendar 2015,12月20日分としての投稿になります。
本記事の内容はこの日付時点の情報(ce-2015.11.05-stable)に基づいています。そのため,今後新しいバージョンが提供された場合に,当該記載と矛盾が生じる場合がありますのでご注意ください。また,さわりはじめたばかりで認識誤り等があるかもしれません。おかしい,なんか違う等ありましたらご一報を。

はじめに

ce2015.07.16-betaでは試験的な実装、ce-2015.11.05-stableではGAとなり、デフォルトでHA機能(Best Effort Basis)が有効になっています。今回は、2回に渡って、Nutanix CE、ce-2015.11.05-stableにおける新しいHAの機能について見ていきたいと思います。

アジェンダ

  • Acropolis Hypervisor(以下、AHV)のHAについて (今回(その1)の内容)
  • AHVのHA動作検証 (その2の内容
  • まとめ (その2の内容

Acropolis Hypervisor(以下、AHV)のHAについて

AHVにおけるHAの概要

AHVにおけるHAは、他のハイパーバイザー製品のHAと基本的な動作は同じで、ノード障害が発生し、そのノードでのVMの動作が困難となる場合には、クラスター内の他のノード上に再起動されると言うものです。
なお、AHVにおけるHAは、デフォルトで有効になっていますが、細かい挙動において、以下の2つのモードがあります。

  • Best Effort Basis
  • Manage VM High Availability

Best Effort Basis

こちらが、デフォルトで有効になっている、AHVのHA機能となります。こちらのモードでは、ベストエフォートとあるとおり、あるノードで障害が発生し、VMの稼動が困難になった場合に、別のノードに、VMを再起動する空きリソースがあるならば、可能な限りそうするよ、と言ったHA機能になります。

Resources are not reserved to handled high availability of VMs. In case of failure, VMs will be revived on best effort basis if resources are available.
enable_ha.png

Manage VM High Availability

こちらは歯車のメニューから「Manage VM High Availability」を選択し、明示的に操作を行う必要があるモードで、Best Effort Basisとは異なり、可能な限りではなく、予めHA用で生じるVMの再起動分のメモリリソースを予約しておくことで、確実なVMの再起動を行うHA機能になります。

Up to XXX.XX GiB of memory will be reserved. You will be protected against the failure of a single host.
enable_ha2.png

どっちがいいのだろう?

単純に考えて、いわゆる業務継続性計画やHA対象となるVMの重要度やサービスレベル次第となるでしょう。Manage VM High Availabilityしておけば,あるノードで障害が発生した場合,HA機能により障害ノードで稼動していたVMの再起動は確実となりますが、それも普段のNutanixの全体リソースの空き次第ということになると思います。

Best Effort Basisの場合

リソースが潤沢なNutanix環境なら、Manage VM High AvailabilityモードでなくてもBest Effort Basisでも再起動できるリソースは十分あるハズなので、HAが動作しないことはないでしょう。

Manage VM High Availabilityの場合

一方で、HAの機能が動作する際に、保険として絶対に再起動させておきたいVMがある場合や高い集約率でNutanix環境を運用している場合などは、Manage VM High Availabilityモードを利用する方が良いでしょう。

ただし、上記のManage VM High Availabilityモードの解説でも述べたとおり、このモードでは事前にメモリをシステムが予約してしまうため、そもそもVM High Availabilityモードを有効にした時点で、通常時に利用可能なリソースが減っているとも言えます。そのため、Manage VM High Availabilityモードの利用を考える場合は、予めそれを込みでサイジングが必要なのだろうと考えます。逆に言うならば,Best Effort Basisの場合に比べて稼動させることのできる最大VM数は,少なくなるとも言えます

参考

うちの環境では、Manage VM High Availabilityを有効にした際に、以下のスクリーンショットでも見えるように約200GBのメモリが予約されています。ただし、これはManage VM High Availabilityを有効にする時点で動作しているVM総数や総VMのメモリ量などによって変化すると思われます。

  • Best Effort Basis時

こちらは,デフォルトのHA機能であるBest Effort Basisモードの場合です。メモリの使用量は,全体の約32%(約140GB)となっています。

image

 

  • Manage VM High Availability時

こちらが,Manage VM High Availabilityモードを有効にした場合です。メモリの使用量は,全体の約48%(約190GB)となっています。

image

 

モード 総MEM(GiB) 予約MEM(%) 予約MEM(GiB)
Best Effort Basis 440 32 140
Manage VM HA 440 48 206

Best Effort BasisとManage VM High Availabilityの切替

Best Effort BasisとManage VM High Availabilityの切替は非常に簡単で、特にコレと言った煩雑な操作を必要とせず、クリック1回、数秒で完了します。
Best Effort Basisは、Nutanix CEが動作する環境であれば、デフォルトで有効な機能なので特に操作の必要はありません。
VM High Availabilityへの切替及びVM High Availabilityから再びBest Effort Basisにモードを戻す際にのみ操作が必要になります。実際の操作を以下に示します。

歯車のアイコンからAHVの管理メニューを表示させ、VM High Availability Enableを選択します。
image

VM High Availabilityの設定に関するポップアップが起動してくるので、Enable HAにチェックを入れSaveでモードを変更します。
VM High Availabilityから再びBest Effort Basisにモードを戻す場合は、同様の操作でチェックボックスをオフにするだけです。
enable_ha.png

次回に続く

明日は、引き続きAcropolis HypervisorのHAの機能の紹介で、いよいよ実機での動作を確認してきます。
 
 

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