【はじめに】
現代のインフラ環境はクラウド全盛期ですが、そんな中、オンプレミスの実務経験しかない私が、この「大クラウド時代」をどう生き抜くか、自分なりに考えていることを書いてみたいと思います。
1. クラウドも大元は「物理」でできている
私はこれまでクラウド業務に従事したことはありません。しかし、ネットの記事や参考書などで最新のサーバー構築方法を見ていると、「えっ、こんなに簡単なの?」と驚くのと同時に、あまりに簡略化されすぎていて、本当か……?と、どこか不安に近い感覚になることがあります。
管理画面で項目を選択するだけで、すぐにサーバが立ち上がる。
それはとても便利なことですが、その便利さの反面、裏側で「何がどう動いてサーバが形作られているのか」を深く考える機会は、以前より減っているのではないかと感じます。
どんなに抽象化されても、その正体は「誰かが管理している、どこかのデータセンターで動く物理マシン」です。
この「見えない中身」を物理的な構造から推測できることこそが、オンプレで培ったエンジニアの強みだと思うのです。
2. 平面ではなく立体的に考える
クラウドのネットワーク設定画面(VPCやサブネット)を見ていると、「すんごいなぁ……」と、ただただ感心してしまいます。実物のケーブルもスイッチも出てこないからです(当たり前ですが……)。
でも、オンプレ経験がある人には、設定画面の向こうに「見えないLANケーブル」が見えているのではないでしょうか。
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脳内での物理変換:
「このサブネットを作るということは、仮想スイッチにVLAN IDを割り振るようなものだな」「ルートテーブルの設定は、あのL3スイッチのルーティング表を書き換える作業だな」と、これまでの経験をそのまま当てはめることができます。 -
「繋がらない」ときの強さ:
もし通信が通らなくても、闇雲に設定をいじるのではなく、「どこかでVLANが弾かれているのか?」「ゲートウェイの向きが逆じゃないか?」と、物理的なパケットの流れをイメージして、冷静に切り分けを考えられる。
クラウドから入った人には「ただの設定項目」に見えるものが、私たちには「確かなネットワーク構成」として立体的に見えている。これは、オンプレを知っている人の大きな強みではないかと思います。
3. 「壊れるはずがない」を疑う
2025年にあった大規模なクラウド障害からも、考えさせられることが多くありました。
クラウドのいいところは、ハードウェアの保守を自分たちでしなくて済むことだと思います。でも、その便利さに慣れすぎると、「インフラは壊れないものだ」という錯覚に陥ってしまうことがあるのではないでしょうか。
オンプレのみを歩んできた私は、何度もハードウェアの「死」に立ち会ってきました。
いきなりサーバがダウンしてメモリが死ぬ、ディスクが壊れてアラートが鳴り続ける……思い出したくない記憶がたくさんあります。
こうした「ハードウェアはいつか必ず壊れる」という実体験に基づいた恐怖心が、私たちの設計に「慎重さ」を与えてくれます。
「クラウドが保証しているから大丈夫」と鵜呑みにせず、「もしこのリージョンが丸ごと止まったら?」「裏側のストレージが物理的に壊れたら?」と最悪の事態を想定して、二重三重の策を講じる。
この「健全な不信感」があるからこそ、いざという時に本当に強い、粘り強いシステムを設計できるのだと思います。
終わりに
正直、クラウドの知識・経験がない事は、今の時代マイナスな事だと思います。座学だけでは見れないものだらけです。
しかし、インフラの根本が見えているオンプレエンジニアにしか見えないものもあると思います。
今後もインフラの根底を考えながら業務を行う事を忘れない事が大切なのではないかと考えます。