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Power BI Desktop と Report Builder の違いと使い分け

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Last updated at Posted at 2026-10-22

この記事は、自分のブログ「BI探検ノート」の記事を、Qiita 向けに転載したものです。元記事: https://bi.nagashigoto.com/blog/powerbi-desktop-vs-report-builder/

「Power BI を触り始めたら、Report Builder というツールも出てきた。何が違うの?」

結論から言うと、作るものが違います。この記事の「Report Builder」は Power BI Report Builder のことで、SSRS 用の Report Builder とは別のツールです。

結論(30秒版)

  • 画面で触って分析するなら Power BI Desktop、印刷・PDF の帳票なら Report Builder です。迷ったら、まず Desktop から。帳票が必要になったら Report Builder を足します。
  • Report Builder は無料でダウンロードできます。他のワークスペースへ発行するには、Pro か PPU のライセンスが必要です(共同作成者以上のロールなどの権限も必要です)。
  • 閲覧する側にも、ワークスペースの容量の条件に応じて、Pro か PPU が必要です。

確認日: 2026年10月18日(一部は10月19日)。Microsoft Learn の記載にもとづきます。出典は末尾にまとめました。

選び方のフロー

次の3つのどれかです。

  1. 紙や PDF にして、全行を複数ページで配る必要がない → Power BI Desktop
  2. 配る必要があり、画面でも絞り込んだりドリルしたりして見たい → 併用(分析は Desktop、帳票は Report Builder)
  3. 配る必要があり、画面での分析は要らない → Report Builder

Power BI Desktop と Report Builder の選び方。紙やPDFで全行を配りたいか、画面でも絞り込んで見たいかの2つの質問で、Report Builder、併用、Power BI Desktop のどれかに分かれる

違いをひとことで

  • 作るもの: Desktop は対話的なレポート(.pbix)、Report Builder はページ分割レポート(.rdl)です。
  • 得意なこと: Desktop は探索・分析、絞り込み、ドリルダウン。Report Builder は印刷・PDF、全行を複数ページで出力することです。
  • 出力のイメージ: Desktop は画面上で操作するレポート(複数ページも可)。Report Builder は A4 などページ単位の帳票です。
  • 例: Desktop は売上分析、観光客数の推移。Report Builder は請求書、明細書、在庫一覧、財務諸表です。

Microsoft の公式 FAQ では、Power BI レポートは「探索と対話に最適化」、ページ分割レポートは「印刷に最適化した業務レポート」と説明されています。

実際の画面を見てみる

Power BI Desktop

Power BI Desktop のキャンバス。長崎県の市町ごとの観光客数の伸びと人口の増減を散布図にしている。右上に「年」のスライサーがある

中央のキャンバスにグラフを置きます。右上の「年」のスライサーを切り替えると、グラフが画面上で変わります。触って確かめながら作る道具だと分かります。

Power BI Desktop の右側の「視覚化」ペインと「データ」ペイン

右側の「視覚化」「データ」ペインで、グラフの種類や使う項目を選びます。

Power BI Report Builder

Power BI Report Builder の設計画面。表のヘッダーと、データが入る項目 [City] [Year] が並んでいる

こちらは、紙のページを設計する画面です。ページ上部の見出し、表の列、ページ下部のフッターをレイアウトします(フッターには、ページ番号などを式で入れられます)。

表の行には、実際のデータが入る位置を示す項目([City] や [Year])が置かれています。左上には「実行」ボタンがあり、データを流し込んだページごとの完成イメージを見るための機能と考えられます。私の環境では、ウィザードで作ったデータ付きの表は、「実行」でプレビューが開き、PDF に書き出せました(末尾の「確認したこと」を参照)。

上の画面は、説明用に作ったサンプルの帳票です(データベースには接続していません)。

ページ分割レポートとは

Report Builder で作るレポートは、ページ分割レポート(paginated report)と呼ばれます。表の全行を、複数のページにわたってそのまま出せるのが特徴です。ページのサイズ、ヘッダー・フッターなどをきっちり指定でき、PDF、Excel、Word、CSV などに書き出せます。

Desktop のレポートは、画面に収まる形でグラフや表を並べます。表が長くなると、スクロールして見る前提です。一方、請求書のように「1枚ずつ印刷して配る」用途には向きません。ここが使い分けの分かれ目です。

Desktop の PDF 書き出しではだめな場面

Desktop にも、[ファイル] > [エクスポート] > [PDF にエクスポート] があります。「PDF が欲しいだけなら、Desktop で足りるのでは?」と思うのは自然です。

この節は公式の記載です。私の環境で試して確かめたものではなく、「Report Builder なら必ずきれいに出る」という意味でもありません。

公式の記載を見ると、次のような場面では、Desktop(Power BI レポート)の PDF 書き出しの制限に当たりそうです。

  • ページ数が多い
    • Desktop の PDF 書き出し: 50ページを超えるレポートは書き出せない(250 MB 超も不可)。
    • ページ分割レポート: 50ページの制限はない。
  • 表が長い(スクロールが出る)
    • Desktop の PDF 書き出し: スクロールバーのあるビジュアルは、最初の行から始まる既定の状態で出る。
    • ページ分割レポート: 今回確認した範囲では、同じ記載はなし。
  • 見た目をそろえたい
    • Desktop の PDF 書き出し: 解像度は 1,280 × 720 ピクセルで、忠実度は保証されない。上下に白い余白の帯が入る。Service と Desktop の結果が一致する保証もない。
    • ページ分割レポート: 今回確認した範囲では、同じ記載はなし。
  • 使えない部品がある
    • Desktop の PDF 書き出し: 認定されていないカスタムビジュアル、ESRI ArcGIS などは非対応。
    • ページ分割レポート: カスタムフォント、カスタム アセンブリ、リンクレポートなどは非対応。

ページ分割レポートの側にも、できないことがあります。たとえば、日時(DateTime)のパラメーターは、Report Builder でどう設計しても、Power BI サービスでは米国形式(MM/DD/YYYY)で取得される、と公式に書かれています。

使い分けの目安は、次のとおりです。

  • ページ数が多い、または全行を複数ページで出す帳票は、ページ分割レポート。
  • 数ページの画面の見た目をそのまま PDF にするなら、Desktop の書き出し。例は、グラフを画像で保存する記事にあります。

ライセンスは必要?

この節は公式ドキュメントの記載です(出典は末尾)。

  • ダウンロードは無料: Report Builder 自体は、ライセンスなしで無料でダウンロードできます。
  • 自分用に試すだけなら無料ライセンスで OK: 無料ライセンスでも、Power BI サービスの「マイ ワークスペース」には発行できます。
  • 他のワークスペースに発行する: Power BI Pro または Premium Per User(PPU)ライセンスが必要です。加えて、そのワークスペースで共同作成者以上のロールと、データセットへの Build 権限が必要です。
  • Premium は必須ではない: ページ分割レポートは、Pro ライセンスの範囲で使えます。Premium 容量の購入は不要です。

見る側については、F64 以上の Fabric 容量か、P1 以上の Premium 容量のワークスペースなら、無料ライセンスのユーザーでも閲覧できます(閲覧できる権限が共有・付与されていることが前提です)。それ以外のワークスペースでは、閲覧にも Pro か PPU が必要です。

早見表

やること 必要なライセンス
Report Builder でレポートを作る Pro も PPU も不要
「マイ ワークスペース」に発行する Pro も PPU も不要
他のワークスペースに発行する Pro か PPU が必要
閲覧する(上の容量の条件を満たす場合) 無料ライセンスで可
閲覧する(それ以外) Pro か PPU が必要

共同作成者以上のロールと Build 権限は、この表には含めていません。出典は、Paginated reports in Power BI: FAQ(確認日: 2026年10月19日)です。

人・置き場・容量の関係

ライセンスは「人」に付き、容量は「置き場」に付きます。関係を図にすると、次のとおりです。

ライセンス(人に付く)、ワークスペース(置き場)、容量(置き場に付く)の関係。既定は共有容量で、F64以上または P1以上の容量にある置き場なら、権限があれば無料ライセンスの人も閲覧できる

用語のかんたん解説

ほかの用語も含めた一覧は、用語集にまとめています。

早見表に出てくる用語の説明(10語)

公式の記載をやさしい言い方に直しているので、正確な定義は末尾の出典を見てください。

まず、人に付くものです。

  • 無料ライセンス: 自分用のレポートやダッシュボードを作れます。他の人の置き場への発行や、他の人との共有・共同作業はできません(Premium 容量などで共有された内容を見る場合を除く)。
  • Pro(プロ): 1人ごとに付くライセンスです。レポートを発行したり、共有したり、Pro の人と共同作業したりできます。
  • Premium Per User(PPU): 1人ごとに付くライセンスで、Pro の機能に加えて、Premium の機能の多くが使えます。PPU のワークスペースは、PPU の人どうしで共有します。

次に、置き場に付くものです。

  • ワークスペース: レポートなどを置いて、みんなで使う場所です。
  • マイ ワークスペース: 使う人全員に1つずつある、自分専用の置き場です。
  • 容量(キャパシティ): ワークスペースの土台になる、計算資源のまとまりです。大きさによって種類(SKU)が分かれます。ワークスペースは、容量の中にあります。
  • Fabric 容量(F SKU、F64 など): 容量の種類の1つで、名前が F で始まります。F の後ろの数字が大きいほど大きな容量で、F64 は公式の表で Premium の P1 と同じ行に並んでいます。
  • Premium 容量(P SKU、P1 など): 容量の種類の1つで、名前が P で始まります。P1 から P5 まであります。

最後に、作業の言葉です。

  • 発行(publish): 作ったレポートを、Power BI サービス(app.powerbi.com)へアップロードすることです。
  • ページ分割レポート: 印刷や共有向けのレポートです。表の全行を、複数ページにわたって出せます。Report Builder で作ります。

併用するケース

実務では、片方だけで済まないことも多いです。

  • Desktop で分析し、月次の報告用に Report Builder で帳票を作る
  • Report Builder のデータ元として、Power BI のセマンティックモデル(Desktop で作って、Power BI サービスに発行したデータの集まり)を使える

同じモデルを元にすれば、分析用のレポートと帳票で、数字の元データや定義を揃えやすくなります。ただし、帳票側でもデータセット(クエリ)の作成は必要です。

Desktop で作ったグラフを、SNS 用の画像にする手順は、Power BI のグラフを画像で保存する方法(PDF から切り出して SNS 用に)に書きました。

入手先

出典と確認したこと

確認日は、本文の大部分が2026年10月18日、下の出典に基づく節(PDF 書き出し、ライセンス、早見表、用語)が10月19日です。ライセンスの名称や条件、画面は変更されることがあります。

  • 確認したこと: 公式ドキュメントの記載と、Desktop・Report Builder の実際の画面(Report Builder はサンプルの帳票)です。
  • 確認していないこと: 公式の記載を、私の環境で試して確かめてはいません。Report Builder は、10月19日に、15.7.1821.21 で確かめました。ウィザード(「テーブルまたはマトリックス ウィザード」)で作った、データ付きの表は、「実行」でプレビューが開き、PDF に書き出せました。一方、手で書いた RDL の、XML のファイルパスをデータソースにしたものは、「レポートをプレビューできませんでした(オブジェクト参照がオブジェクト インスタンスに設定されていません)」となり、開けませんでした。この失敗の理由は、特定していません。SQL Server など、ほかのデータソースでの動きは、確認していません。

出典(すべて Microsoft Learn)

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