はじめに
本記事は、自分が普段使っていて、お薦めしたくてしょうが無い!ってツールをオススメします。
Confluence!
◆お使いのツール名
Confluence(Server版)
※私が使っているのはServer版です。クラウド版ではありません。
クラウド版だと、最新機能がすぐ使えるので、可能ならクラウド版が良いと思います。
オススメポイント
◆この製品・サービスの良いポイントは何でしょうか?*(50字以上)
誰でも使える!(非エンジニアでも使いやすい!)
Confluenceは、Wordライクな、見たままを編集できるツール(WYSIWYG)です。
今まで情報共有といえば、markdownやwiki記法でしたが、非エンジニアにはかなりとっつきづらい。
その点Confluenceは違います。私が所属する部門では、庶務担当も一緒に使っています!
「誰でも使える」というのは、すごく重要な要素です。
誰でも使えるので、新しいツールを嫌がるような人たちにも比較的容易に受け入れてもらえます。
誰でも使えるので、わざわざ使い方を説明する、「説明会」は不要です。
(流石に部門全体適用時に一度だけ説明会はしましたが、以降新規参画する人むけの説明会は開催してない)
補足説明
編集画面
①:ツール類です。Wordみたいに使えます。簡単!
②:複数人で更新できます!GoogleDocみたいでしょ!イマドキ!
③:編集する画面
ミーティングが減る!
Confluenceにはコメント機能があります。もはや対面で説明(という名の資料読み上げ)は不要です。
「読まなきゃ、思いが伝わらないだろう!」なんて前時代的な人には、「ブラウザの音声読み上げ機能」でも紹介してあげてください。
また、「ドラフト状態から公開され」「誰でもコメントできる」ため、資料の方向性がズレてきたと感じたらコメントしてあげればいいだけです。
「こんなに完璧な資料を作ったのに!」なんてフラストレーションからもおさらばです。
補足説明
以下は、部門での審査をConfluence上で行ったものの例です。(ほとんど見せられないから真っ赤に・・・)
本質的なコトだけを対面で行なうようになったので、ミーティング時間が圧倒的に減ってます。
中には、「これ、対面不要で、このままOK!」とかもあります。
圧倒的「見える化」の実現
ウチは、Jenkinsを拡張1して、いろんな情報を取得しているのですが、それをConfluenceで見える化しています。
有休の取得状況など、普段から人が目に見える場所に置くことで、有給取得率も高まっています。
これができるのは、Confluenceに「API」が備わっているからです。API機能により、様々な自動化と連動して見える化を促進することができます。
チームを跨いだコラボレーションが生まれる!
Confluenceは、公開範囲を選べる上、コメント機能があります。(公開範囲:全員公開とか、プロパー限定、プロジェクト限定とか)
私が所属する部門では、可能な限りの情報を全員公開しており、小さな悩みも関係者からアイデアが届きます!
例えば「自動テストに関する悩みを投稿すれば、自動テストをやってるプロジェクトメンバーからアイデアが届く!」みたいな感じ!
「コメント機能」はすごく強力で、今までのようなファイルサーバでのファイル管理には戻れなくなります。
コメントができることで、ドキュメントの陳腐化が防げます。ドキュメントを修正して良いかを悩む必要はなく、コメントを打つだけで良いです。
補足説明
以下の例は、担当プロジェクトも、働いている場所も異なるメンバー同士のコラボレーションです。(質問者は新人)
こんなコラボレーションがそこら中で生まれてます。
個人的には、以下のように「タイムライン表示」があることも、コラボレーションのきっかけになっています。
(ファイルサーバーでは、こんなタイムラインは表示されないので、他人の仕事に興味なんて湧きません。)
見やすく分かりやすいドキュメントが作れる!
文字の色・サイズ変更はもちろん、グラフもあるし、ソースコードが見やすくなるような機能もあります。
各種機能は「マクロ」と呼ばれ、様々なマクロがデフォルトから存在しており、普通にドキュメントを書くには標準だけで十分です。
どうしても標準では手の届かないところは、アドオンがカバーしてくれるため、今までのツールと同じだけの表現が十分にできます。
改善ポイント
◆改善してほしいポイントは何でしょうか?*(50字以上)
「改善して欲しいポイント」は特に無いです。(細かいことはいっぱいあるけど)
ただ、「初めての人には少し分かりづらいポイント」がいくつかあるのでそれを説明しようかと思います。
「スペース」と「ページ」
まず「スペース」を作る必要があります。
スペースを作る単位は、ウチでは「個人毎」「プロジェクト毎」が多いです。
「ページ」は「スペース」の中に作るものです。
ページは、Wordで言うところの「wordファイル」のイメージが近いです。
個人スペース
個人スペースだとこんな感じです。
ページは親子関係を作れるので、フォルダ階層的に用いることもあります。
プロジェクトスペース
プロジェクトスペースだとこんな感じ。見せられないものばっかりなので、真っ赤ですね。
工程で区切ろうとしてますが、工程じゃないページも見えるので、試行錯誤している感じです。
解消したビジネス課題
◆どのようなビジネス課題を解決できましたか?あるいは、どのようなメリットが得られましたか?*(50字以上)
生産性の改善
情報共有方法が改善され、不必要な打ち合わせが減り、単純に生産性が改善されました。
打ち合わせ自体は全体で見れば50%減っています。
特に上長向けの審査や、情報共有だけを目的とした打ち合わせは、ほとんどなくなりました。
(「ビジネス課題」って仰々しい表現だと「生産性の改善」くらいしか思いつかなかった・・・)
一問一答
満足度評価
問い | 回答 | 補足 |
---|---|---|
おすすめ度(10段階評価) | 10 | 個人的には必須ツールの一つになっている |
あなたはこの製品・サービスをどのような立場で関与していますか? | ユーザー(利用者) | ツールの管理者でもあります。 |
満足度5段階評価:機能への満足度 | 5 | バージョンアップも頻繁で、ユーザー要望の高いものから実装されている点で満足。 |
満足度5段階評価:使いやすさ | 5 | UXが優れている。Wiki記法もMarkdown記法も知らなくても書けるので、システム開発メンバーじゃなくても簡単に使える。 |
満足度5段階評価:導入のしやすさ | 5 | リックソフトさんのサポート込みの評価。既存のままだと日本語文字化けする部分の対処までしてくれる。 |
満足度5段階評価:管理のしやすさ | 5 | ユーザー登録くらいだが、LDAP連携しているので特にConfluenceのために何かしてるとかは無い。 |
満足度5段階評価:サポート品質 | 5 | 回答早いし、QAコミュニティもある。 |
満足度5段階評価:価格(費用対効果) | 5 | 年間1人1万円払う価値はある。(後述:検討者にお薦めするポイントに記載) |
利用期間 | 1年以上〜3年未満 | 2017年9月から使ってます。 |
他製品・サービスからの乗り換え? | 乗り換え | 前はRedmineのwiki。ファイルサーバーを利用。 |
この製品・サービスは適正にバージョンアップを行っていますか? | はい | まだ適用はできてないけど。製品自体はバージョンアップされている。 |
実装に関する質問
「実装」というとニュアンスが違うかも。
「環境構築」「管理画面からの各種設定」「初期導入方針の策定」などを指して表現します。
プログラミング的な実装が必要な部分はありません。(環境構築時に設定ファイルいじったりとかはあるけど)
問い | 回答 | 補足 |
---|---|---|
導入形態は何ですか? | オンプレミス | |
製品・サービスの購入から稼働開始まで、どのくらいの期間を要しましたか? | 2日〜1ヶ月未満 | 2~3日くらいだったはず。 |
利用を開始した時期はいつですか? | 2017年 | 2017年9月からです。 |
誰が主体となり実装しましたか? | 社内担当者(わたし)+その他SIerのサポート | 環境構築だけ支援してもらった(その方が早いので) |
その他SIerを選択した場合は実際に導入をサポートした企業をお答えください | リックソフトさん | 多謝! |
価格と利用実態に関する質問
次年度以降、「サポート」も「バージョンアップ」も「ユーザー数の変更」もしないなら、ライセンス延長は不要。初年度の支払いだけで良い。
後から、「ユーザー数の変更」が必要になった場合、それまでの期間分が計上されるので、少しでも可能性があるなら払っておくほうが良い。2
(ライセンス料払っておけば、バージョンアップもできるし。払わないという選択は、どうしてもお金が無い時だけにしたい・・・)
問い | 回答 | 補足 |
---|---|---|
導入にかかった初期費用をお選びください | 100〜249万円 | ライセンス+リックソフトサポート:約100万円3 |
年間費用をお選びください(ソフトウェア保守やサポートサービスを含む) | 50〜99万円 | ライセンスのみにしたので初年度より安くなってます |
想定する投資回収期間をお選びください | 6ヶ月以上〜1年未満 | 使い慣れるまでの期間を投資回収期間と表現します。 |
社内の何人が利用していますか? | 50人〜99人 | 全社でなく1部門での利用。部門全員(99名)で利用している。 |
ユーザーの何%が積極的に利用していますか? | 71〜99% | 部門内全員を100%として。部内の情報共有はこのツールで行われているので、使ってない人はいないはず。(100%という確信が無いので、71~99%と回答。) |
その他オススメポイント
◇検討者にお薦めするポイントがあれば記入ください
製品としてのお薦めポイントは既に記載済みなので、検討者向けに伝えたいことを。
大事なのは「文化」
ここまで持ち上げておいてあれですが、「所詮ツールでしか無い」です。
ウチの部門でここまでコラボレーションが広がったり、打ち合わせが減ったりしたのは、それを支える「文化」があったからだと思っています。
会議を減らす動きになったのは、Confluenceを導入してしばらくしてから、上長が急に宣言したので、実現できた感じです。
コラボレーションは、よくコメントする人が居て、そこから「あ、こうやって使って良いんだ!」が広まった感じだし。
ただ、Confluenceがあることで、こういうアイデアが生まれやすい文化になったとも言えます。
導入は「全体」に
文化の醸成は、狭い範囲では難しいです。
少しお金はかかりますが、「一気に全体適用」を強くおすすめします。
ウチも最初は単一プロジェクトで使ってましたが「便利だね」くらいでした。
部門全体に適用した結果「コレは必須だ!」みたいなレベルにまでランクアップしています。
サポートをつけよう
利用者的には使いやすいですが、サーバー版の構築などはリックソフトさんなどのサポートをつけるのが良いです。
デフォルト設定だと、日本語データがプレビュー表示できないので、そこらへんの対応とかをしてくれました。
そういう細かいこともそうですし、アドオンの相談もできるので、少なくとも初年度はサポートをつけることをおすすめします。
リックソフトさんとの契約であれば、「日本語Atlassianコミュニティ」も使える。(海外製品特有の「英語コミュニティしかない!」みたいな状態ではないです。)
ちなみに、Confluenceへの改善要望とか、不具合とか、Confluence Issuesに公開されています。
アドオンを活用しよう
Confluenceはアドオンが豊富にあります。
無料アドオンもあるので、是非活用しましょう。
「Confluence アドオン お勧め」とかで検索するといろいろヒットします。ありがたく参考にしましょう。
- JIRA / Confluence の必須プラグインはこれだ
- お勧めのConfluenceアドオンはなんですか?
- Confluence でエンジニア受けするアドオンのご紹介
- Atlassian Confluence の必須プラグインはこれだ!! 〜2017年版〜
ウチで導入しているアドオンはこちらです。(自分以外が入れたのもあるので、知ってるやつだけコメントします。)
- テーブル系
- markdown系
- confluence-markdown-macro
- mermaid-plugin:mermaid.jsで描画できます。便利。
- Confluence PlantUML Plugin:日本語表示が少し苦手なので、mermaid.jsの方がよく使う。
- 見た目系
- Advanced Children Display for Confluence
- PDF Macros for Confluence:標準PDF出力はちょっとイケてない。それを修正できます。
- Multivote for Confluence:投票ツール。ちょっとした希望調査とか、これでやります。
- コミュニケーション
- Reactions for Confluence:「いいね」以外にもリアクションできるようになります。
- Awesome Icons:ちょっとしたアイコンが使えるようになる。
- その他
導入手順はこちら。
さいごに
本当にConfluenceはお勧めです!絶対入れるべき!
ただ、注意して欲しい点として、ツールである以上、使い手に左右されます。
できれば、単なるツールではなく、組織の文化を変える手段として、Confluenceを使えればサイコーだと思います。
以上です。
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ライセンス更新もそうですが、金額に関する話は、ベンダーさんに確認を取ったほうが良いです。記載しているのはあくまで、現時点の情報です。 ↩
-
1,088,000円(現時点のリックソフト公式価格) ↩