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褒める組織

こんにちは。 mixi AI ロボットチーム の開発マネージャーをしているインコです。

この記事は Engineering Manager Advent Calendar 2018 の18日目の記事です。

この記事では褒める組織を作った話をします。


私の環境

環境が違えばマネジメントの方針も変わります。

ここでは私の環境を書きます。


  • mixi という Web 企業の、研究開発からハードウェアまで関わる新規事業


    • まだ製品は出ていないフェーズ




    • 開発チームのマネージャ

    • 企画やデザインを含む事業全体のスクラムマスター(上記と兼ねている時点で良い SM ではない!)

    • 実装・研究とマネジメントそれぞれ半々



  • スクラム開発

  • 上司から大きめの裁量をもらっている

  • 機械学習の研究寄り人材からハードウェアエンジニアまで多様なメンバー


問題:研究からハードまで扱うチームの情報共有


多様なメンバー

さて、環境にも書いたとおり私のチームは多様な人材がいます。


  • ディープラーニング(もしくは End to End 学習)主義者

  • 元ベイジアン今ディープラーニングな転向者

  • 自然言語処理er (ディープでない)

  • インフラ+サーバーエンジニア

  • メーカーからやってきたハードウェアエンジニア

  • ニューラルネット大好きエンジニア(インコ)

ざっと眺めるだけでそれぞれ全く違う言語を喋ってそうです。


技会

私達のチームには2つの特徴があります。


  • 研究開発: 研究では広さより深さが必要です。各人が自分の専門を深く掘っていく必要があります。

  • 新規事業: 新規事業ではチーム全員が同じ方向を向いてゴールを共有しながら進む必要があります。そうしないと空中分解します。

上のメンバーの多様性と合わせて、チーム内のコミュニケーションを意図的に増やしていかないと各人が自分の領域に閉じこもってしまいやすい性質の事業です。

そこでチームでは初期の頃から技術的知見共有会、略して技会という会を毎週開き、そこでは自由に技術系のネタを話せるようにしています。

ネタは業務上の共有(新しく作ったモジュールの説明だとか機械学習の知見)のような真面目なものから、特に業務に関係ないけど面白かった論文のシェアやデモ、俺の好きなアルゴリズムなどなんでも OK です。

毎回開催時に「今日ネタある人〜?」と聞いて適当に話します。


褒める・感謝する

技会(やその他いろんな会議)をファシリテーションするにあたって気をつけていることがあります。

発表してくれたことをまず感謝すること。褒めること。盛り上がること。

いちばん大事なのは、相手の話に興味を持つことと、それを素直に口に出すことです。

「めっちゃ面白いですね!」といった直球なものはもちろん、「〜〜はどうなってるんでしょうね」みたいな質問も内容への興味を持ってるんだよという姿勢を明確に出すようにします。言い方の例を出すと繕っているような印象になってしまいますが、思ったことを口にちゃんと出すのはとても大事なことです。

私の哲学ですが、「知らないことを恥じる」よりも「知らないことを知ってる人がいて面白い」という感覚を持つことが重要と考えています。知らないことを恥じて勉強するのは良いことですが、その気持が強いと知らないことを人は隠そうとしてしまします。知らないことを開示して、単純にそれを教えてくれたことに感謝しましょう。より知識が増えたらそれをまたチームに還元していきましょう。


褒めることは難しい

褒めるという行為は難しいです。

関係が悪化してしまうと、褒めることは自分を下だと認めることと感じてしまったり、逆に上から目線と感じさせる事になったりしてしまうこともあります。

関係がニュートラルなうちから素直に相手を尊重する文化を作り、育てて行くことが大事だと思っています。

また、上に書いたような事を明示的に伝えて賛同してくれるメンバーを作るのも大事です。

チームで褒める文化の価値を伝えたり、1on1などでそういう行動を取ってくれるメンバーに感謝を伝えたりしています。


褒める文化で起こること

Engineering Manager Advent Calendar でも重要なキーワードになっている「心理安全性」の高い組織ができます。

私のチームでは以下のようなことが起こっています。



  • マウンティングしなくなる


    • 私はマウンティングは防衛本能のようなものだと思っています。他人に否定されないための防衛。

    • 褒める文化の中では、まず最初に自分が受け入れられるところから始まるので防衛の必要性が下がります

    • (ただし、これはもしかしたら元々マウンティングとったりしなさそうな人を採用してるからかもしれません)




  • 自分を開示しやすくなる


    • いろいろな話が共有されやすくなります


      • 自分の好きなもの

      • 今作ってるもので決めかねているところ

      • etc.






  • 他人や他分野に興味を持つようになる


    • 話す方も聞く方も楽しげになってくるので、自然と他分野に興味がわきます

    • よくわからない怖い世界が、専門じゃないけどなんとなく聞いて知ってる世界くらいになります

    • また他人に対する敬意も生まれます

    • これがT型人材を育てやすい環境を作っていきます




  • 建設的な議論の土台になる


    • 浅くはあっても言葉や知識の共通部分ができるため、議論をしやすくなります

    • 肯定的なコミュニケーションを定期的に行っているため心理安全性がたかまり、建設的な対立する意見も言いやすくなります


      • といってもここは個人差があり、真っ向から異論を言いにくい人もいます

      • そういうところは1on1でケアしましょう





スケジュールの都合で開催されないこともありますが、これまで1年以上だいたい毎週技会は開催されていて、話す人がいなくてスキップとなったことはおそらく無い(あっても1,2回?)という高い継続率で運用されています。


課題点

課題点というほどではありませんが、人はそれぞれ発信したいタイプの人もいればそうでない人もいるので、発表者が偏る傾向はあります。

発信はしたくないというタイプの人に無理やり話させるのは良くないですが、発信したいけれども自信が無いという人に対してファシリテーションなどでうまく話をふるのをやっていかないとと思っています。


最後に

マサカリを投げ合う殺伐とした現場もエンジニアの一つの理想形かとは思いますが、私は肯定と相手への興味がベースになっている文化を広めていきたいと思っています。

ポエミーな感じになってしまい恐縮ですが、褒める組織が増えることを願っています。