最近、Unicode巨大地図というポスターを制作しています。これはUnicodeの全文字を1枚のポスターに並べるというかなり無謀なポスターなのですが、制作する上でUnicode文字からそれを表示できるフォントを探すためのノウハウが蓄積されたのでご紹介します。
万能Unicodeフォント
Unicodeフォントの中でも、特にUnicodeのほぼ全文字を網羅的に収録しているフォント。まずはここに収録されているか調べる。
GNU Unifont
Unicodeの全文字を16x16のビットマップフォントで網羅するというプロジェクト。Unicode 6.0 の時点で全文字対応を実現しており、以降Unicodeに文字が追加されるたびアップデートが行われている。
Unicode対応率では他の追随を許さないが、16x16のビットマップフォントというのがやはりネック。Unicode巨大地図には使用していない。
Noto Fonts
GoogleとAdobeが開発しているUnicodeフォント。現在 Unicode 6.1 に完全対応している。ただしCJK文字を始めとしてサンセリフフォントしか対応していない言語も多いので注意。
なお標準のフォントに含まれていない文字がアルファ版に含まれている場合もあるので要チェック。
万能ではないがそこそこ対応率が高いUnicodeフォント
SIL Fonts
少数言語の研究、開発を行う国際SILが公開しているフォントのリスト。各言語のエキスパートがデザインした高品質なフォントが言語ごとに公開されている。
またSILは有名な SIL OFL の生みの親でもあり、公開されているフォントも比較的自由なライセンスで利用できる。
その他
対応フォントを探すためのサイト
FileFormat.info Unicode Character Search
文字コードから対応するフォントを検索できる。例えばU+3371に対応しているフォントはこんな感じ。
そこそこいろんなフォントに対応している。検索結果のフォントにはプロプライエタリなものも多いので注意。
ScriptSource
各言語、書記体系ごとに様々なリソースをまとめたサイト。「Fonts & Keyboards」でそれぞれの文字種ごとに対応するフォントがライセンスとともに一覧されている。
Alan Wood’s Unicode Resources
Unicodeのブロックごとに対応するフォントをまとめたサイト。フォントの網羅度が高い。
その他テクニック
Unicode提案書に記載されているフォント情報を調べる
Unicodeに最近追加された文字や、Unicode提案段階でまだ追加されていない文字などは、フォントの対応状況も悪い。そのような文字は、Unicode提案書に記載されているフォント提供情報を調べてみると良い。
例えば、教会スラブ文字のUnicode追加提案である L2/14-196 の 5. Fonts related の欄を見てみると、
b. Identify the party granting a license for use of the font by the editors (include address, e-mail, ftp-site, etc.):
Hirmos Ponomar font licensed under GNU GPL by Aleksandr Andreev and Yuri Shardt
とある。この情報からこのフォントの提供サイトにたどり着くのは容易い。その他提案書の本文にフォント情報が記載されている場合もあるので要チェック。