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「AI 使え」はパワハラ。

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「定時で帰れ」はハラスメント

ホワイトハラスメントということばがある。

入社1年以内の中途社員の13.6%が「ホワイトハラスメント」を経験。具体的には「仕事を残して定時で帰るように言われた」など。ホワハラ経験者は未経験者よりも転職意向が高い

出典:マイナビ.「「中途入社1年以内の社員に聞いた“ホワイトハラスメント”に関する調査」を発表」(2026/04/09)- https://www.mynavi.jp/news/2026/04/post_52911.html


なぜハラスメントだといわれるのか。

ひとことでいうと、成長する機会を与えてもらえないからだ。

「行動やキャリアの選択を制限されている」と思われるらしい。


おれは、よかれと思った配慮が要因のケースが多そうだなと思った。単純なコミュニケーション不足だと決めつけたいが、「Z 世代」というラベルが悪さをしてそうでもある。


だってさ、

どうせプライベートを大事にしたいんだろ?

残業させると、インターネットに悪口をかかれるんだろ?

辞めたとき「そういえば」と軽いノリでおれの名前が出るんだろ?

─── そりゃ、危うきに近寄らずになっちゃうよね。


ハラスメントにあたるのは、「本人の意思を確認しないまま過度な配慮・サポートをすること」みたいだけど、聞いても「大丈夫です頑張ります」しか返ってこないじゃん。

それを信用して、でも潰れちゃって、あと出しジャンケンよろしく「じつはキツかった」みたいなことを人事にいわれ、こっちが悪者になるじゃん。

「本人はイヤだったみたいですね」みたいなことをいわれるじゃん。


新入社員ならなおさらで、戦力にならないひとを残業させる意味もない。

「ぼくいります?」とかいわれたらイラっともしてしまうだろうし、あたふたしている若手をフォローする手間のほうがかかる。忙しいときほど、よけいなノイズは排除したい。

そもそも育つやつは勝手に育つ。


だから、おれもいつもホワイトハラスメントをしている。

まぁ、いろいろ書いたが、この記事では「定時で帰れ」がハラスメントになるかもしれない、というのがポイントになる。


「AI 使え」はハラスメント

最近、PM に「資料なんて AI に作らせればいいよ」といわれる。

強制はしたくないのか、「そんなの AI に作らせたらすぐだよ(笑)」と冗談みたいにいわれる。こっちは「AI 使えよ」と命令されているのと同じに感じるんだが……


おれはまぁ、それでもいい。

もう7年?8年?もエンジニアをしているワケだから、自分で設計もできるし、テスト仕様書も書けるし、運用も考えられるし、マニュアルだって作れる。


だけど、若手はまだ自分ではできない。

おれが違和感をおぼえるのは、部下が自分でまだできないことを、部下に AI につくらせるように指示する上司の姿勢だ。

上司はべつに経験があるのだから、そりゃ自分でもできるだろう。自分でもできる作業は、代わりに AI にやってもらっても問題ない。むしろそっちのほうがいい。


だから逆に気が付けないのか?

自分でできないことを、AI にやらせても意味ないってことに。

だって、作った本人が「これでいいのか」判断できないんだぞ?


「AI にテスト仕様書つくらせてみたんですけど、これでいいですかね……?」と自信なさげに部下に聞かれる。

単体テストの作成をお願いしていたが、出てきたものは数項目ぽっちの結合テストもどきだった。本人は AIに指示をだしただけ。これが求められていたものなのか判断がつかない。

まぁ、ぜんぜんダメなのだが……

あたりまえだろう。経験がないんだから。


もともとは時間をかけて教えるつもりだった。

テストについて説明して、フォーマットを渡して、大項目・中項目だけ作成させてからレビューして、肉付けしてもらう。そういうプロセスを考えていた。

そうはならなかった。


─── で、忙しい現場ってのは、これを簡易レビューだけ済ませて OK してしまうこともある。目次のレビューだけして、AI に肉付けさせて終わりだ。

(うちの会社のことではない。)

そうなると、部下はスキルを獲得できない。

考慮漏れで、プロジェクトが炎上する可能性は高まるし、部下が「なぜ」を理解しないまま進むから、いざというときに役にたたない。


AI の回答を、そのまま出してくる若手は話題だ。

(そういう新語も生まれている)

ミート・プロキシ(meat proxy)とは、生成AIの回答やコードを、自分で検証や理解をしないまま、そのまま他者に中継・転送する人を指す新語やスラングです。

出典:生成 AI の要約


そういう若手に対して「ダメなやつだ」という意見ばかりが出る。が、おれは「上司がそうさせてるじゃん」と感じている。

まだなにも分からない若手に、「AI で作って」とだけ言ったら、AI が出したものを信じるしかないじゃん。むしろ、そういう指示を受けたとき、部下にそれ以外のなにができたのか。

速度を優先されているのに、出てきたものが正しいのか確認することに時間をかければよかったのか。それはそれで「あいつは作業が遅い」というクセに。

どうするのが最善だったのか教えてほしい。


--


話は冒頭のホワイトハラスメントに戻る。

「成長する機会を与えてもらえない」のがハラスメントに繋がるのだったら、「AI 使え」もハラスメントになるのではないか、ということだ。


「AI を使えば早いよ」

「AI に聞けばすぐ出てくるよ」

「こんなの AI にやらせればいいよ」

─── って、こんなザツい指示をしておきながら、


AI に作らせました。(これでいいか判断つかないけど)

AI に書かせました。(内容をあまり理解してないけど)

AI に考えてもらいました。(何がいいのか分からないけど)


いざ出てきたものが微妙だったら、最近の若いもんは、と文句をいう。「自分で考えない」とか「生成AI の使い方がなってない」とか「常識がない」とか、個人のせいにする。

「なんでこんなものを出してきたの?」とつめられても困る。

「いや、AI がそういうので」以外にないだろ。それとも(思いつくかぎり最悪の回答になるが)「確認する時間がありませんでした」とでもいえば納得するのか。

(「だったら相談してくれよ」といわれたら、「ああこいつバカ(な上司)なんだな」と思ってしまうだろうし、キライになってしまうんだろうけど。)


まぁ、そういう上司も上司だが、そうならざるを得ない理由はすでに述べたつもりだ。おれがホワイトハラスメントをしている、バカな上司側であることも書いた。

若手には「はやくスキルを習得して一人前になりたい」と思っているひともいる。それは分かっている。なんなら、そういうひとのほうが多いんだろうなとすら思っている。

だけどさ、一部の声でかいヤバいやつが、強いカードを切りまくってるんだ。怖いもんだから、やつら全員を「Z 世代」とラベリングし、のらりくらりと過ごしたい。


おれはこれからもきっと、部下の考える機会を奪う。成長する機会も奪う。

転職もかってにすればよろしい。


この流れは止める方法があるなら、誰か教えてほしい。


以上。

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