1. 対象となる楕円曲線
考えている曲線は、実数体上の楕円曲線
$$E:y^2=x^3-3x+1$$
です。
右辺は重根を持たないため、この曲線は非特異。
よって、$E(\mathbb{R})$は楕円曲線としての群構造を持ちます。
2. 楕円曲線上の群構造(実数版)
楕円曲線 $E(\mathbb{R})$では、次の幾何的規則により加法が定義されます。
加法の定義
・2点$P,Q$を取る
・それらを結ぶ直線(または接線)を引く
・その直線と曲線の3番目の交点を求める
・$x$軸対称を取った点を$P+Q$と定義
これにより$(E(\mathbb{R}),+)$は可換群になります。
3. 今回の力学系の定義
今回のアニメーションでは、以下の離散力学系を考えています。
初期点 :$P_0 \in E(\mathbb{R})$
固定され加算点 :$Q \in E(\mathbb{R})$
反復規則 :$P_{n+1}=P_n+Q$
これは、群論的には$P_{n+1}=P_0+nQ$という等差的軌道です。
4. 実数楕円曲線上の軌道の性質
(1) 有限体との決定的な違い
有限体$\mathbb{F}_p$上 → 軌道は必ず周期的
実数体 $\mathbb{R}$上 → 一般に非周期的
今回のように$Q$がtorsion でない場合、
$$ { \lbrace P_0+nQ x \rbrace}_{n≥0}$$
は曲線上を「準周期的」に巡ります。
