Cisco IOSのバージョニングに関するメモ。
長くなりそうだったのでこっちの記事から派生。
番号表記
例えばCisco3725の場合、GNS3での推奨IOSは
c3725-adventerprisek9-mz.124-25d.bin
c3725-adventerprisek9-mz.124-15.T14.bin
の2種類がある。
上記の2つはIOSのイメージ名で、実際に表記する場合は
12.4(25d)
12.4(15)T14
のような形式で記述することが多い。
プラットフォーム
c3725
の部分。
Cisco 3725等、機器の型番と一致している。
フィーチャセット
adventerprise
の部分はフィーチャセットと言い、そのIOSが使用できる機能のパッケージのこと。
フィーチャセットにはいくつかの階級があり、基本的に上位のフィーチャセットは下位のフィーチャセットの機能を包括している。
adventerprise
の場合は"Advanced Enterprise Services"。
Cisco ISRシリーズ(800/1800/2800/3800)やわりかし古めのルーター(1700/2600/3700/7200/7300)で採用されているフィーチャセットは以下のようになっている。
-----------> Advanced Security -> Advanced IP Services
/ / \
/ / \
IP Base -> IP Voice -> SP Services ------| |-> Advanced Enterprise Services
\ \ /
\ \ /
-----------> Enterprise Base -> Enterprise Services
基本的な機能 | VoIP/VoFR | MPLS/ATM/VoATM | IBM/IPX/AppleTalk | Firewall/IPSec/IDS | |
---|---|---|---|---|---|
IP Base | ○ | ||||
IP Voice | ○ | ○ | |||
Advanced Security | ○ | ○ | |||
SP Services | ○ | ○ | |||
Enterprise Base | ○ | ○ | ○ | ||
Advanced IP Services | ○ | ○ | ○ | ○ | |
Enterprise Services | ○ | ○ | ○ | ○ | |
Advanced Enterprise Services | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィーチャセット | イメージ名 |
---|---|
IP Base | cXXXX-ipbase-mz |
IP Voice | cXXXX-ipvoice-mz |
Advanced Security | cXXXX-advsecurityk9-mz |
SP Services | cXXXX-spservicesk9-mz |
Enterprise Base | cXXXX-entbase-mz |
Advanced IP Services | cXXXX-entservicesk9-mz |
Enterprise Services | cXXXX-entservicesk9-mz |
Advanced Enterprise Services | cXXXX-adventerprisek9-mz |
ちなみにISRはIntegrated Services Routerの略。
Cisco ISR G2シリーズで採用されているフィーチャセットは以下のようになっている。
-> Security
/
IP Base ---> Unified Communication
\
-> Data
Cisco ISR G2シリーズは企業のネットワークで最も採用されている。
Cisco ASR 1000シリーズで採用されているフィーチャセットは以下のようになっている。
Base(Without Cryptography) -> IP Base -> Advanced IP Services -> Advanced Enterprise Services
バージョン
124
の部分がバージョンで、メジャーバージョン番号が 12
, マイナーバージョン番号が 4
でバージョン 12.4
となる。
メンテナンスリリース番号
25
や 15
の部分がメンテナンスリリース番号。
トレイン
IOSにはメイントレインと呼ばれるIOSを元に、様々な目的に合わせて派生トレインが作られる。
トレイン | 説明 |
---|---|
メイントレイン | 最も安定稼働するトレイン。直前のTトレインがメイントレインの基礎となる。 |
Tトレイン | Technologyトレイン。新機能とバグの修正を主に行うトレイン。メイントレインほど安定はしておらず、必要なRAMの容量もメイントレインより多い。 |
Sトレイン | Service Providerトレイン。特定の企業のコアルータ製品にのみ対応。サービス・プロバイダとなる顧客のために大きくカスタマイズされる。 |
Eトレイン | Enterpriseトレイン。企業向けのトレイン。 |
Bトレイン | Broadbandトレイン。 |
XA/XBトレイン | 文書化される必要のある特別な機能が実装されるトレイン。 |
リビルド番号
d
や 14
の部分がリビルド番号。
リビルドは単一の問題や脆弱性の解決のために作られ、欠陥の迅速な対応や、重大なインフラを運営している企業が変化とリスクを最小に抑えたい等の理由から存在している。