約束の地・蒲田
2026/07/20(月祝)に開催された「PHPカンファレンス2026」に参加してきました
自分はPHP未経験であり、触る予定もまだありません
そんな人間がなぜ、わざわざ海の日に約束の地・蒲田まで行ったのか?
ズバリ言うわよ
それは……
「ブース運営という超重要ミッションを完遂するため」
弊社がスポンサーとしてブースを出展しており、その運営という大役を担っての参加でした
とはいえ、せっかくPHPカンファレンスに来たのだから、といくつかセッションにも参加してみることにしました
PHPについて事前に持っていた知識といえば次のことくらいです
- Webで長く使われている
- PHPといえばWordPress
- 「RubyとPHPのエンジニアはメチャクチャ仲が悪いらしい」という都市伝説
そのため、PHP固有のイカした実装テクニックよりも、次のような疑問に近いテーマを扱うセッションを選びました
- 今のPHPってどんな感じなん
- PHPって他の言語と比べてどんな優位性があんねん
- AIが開発の中心になりつつある今、PHPはどこへ向かってんねん
参加した2つのセッション
PHPの今とこれから2026
廣川類さんによる、現在のPHPを幅広く紹介するセッションです
- PHPの利用状況とバージョンのライフサイクル
- PHP 8.6に向けた新機能や改善
- パフォーマンス、セキュリティ、OPcacheの改善
- 静的解析ツールとの連携
- PHP Foundationの活動
- 国内外のPHPコミュニティ
- 技術の未来を予測することよりも、変化を楽しんできた経験を生かすこと
AI時代のPHPer生存戦略
Hayashi Sugikiさんによる、「言語、もうなんでもよくない?」という問いに向き合うセッションです
- AI時代には、人間が得意な言語だけでなく、AIが得意な言語という視点が生まれる
- 長い歴史と大量のコード、教材、事例を持つPHPは、AIが扱いやすい言語とも考えられる
- 「枯れている言語」は、AI時代には必ずしも弱点ではない
- AIは人間より速く、大量にコードを生成できる
- 一方で、要件の整理、レビュー、検証の負荷は減っておらず、人間がボトルネックになる
- 実装だけに閉じた仕事ではなく、ユーザーに価値や感動体験を届けることが開発者の役割になる
- 自分の感動体験を分解し、言語化することで、ユーザー価値を考える観点を増やしていく
えっ?PHPのシェアって70%もあんの!?
2つのセッションで衝撃だったのが、PHPがサーバーサイド言語の約70%を占めているというデータです
「70%ってマジ!?」
デカい数字に弱いチョロい自分はこの時点で「PHPすげぇ、、、俺はPHPerになる!」と考えてました
ただ、Java、Ruby、Pythonあたりを使ってきた自分の感覚からすると、PHPがそこまで圧倒的という印象はございませんでした
そこで出典のW3Techsを確認したところ、この約70%は 「現在存在するWebサイトのうち、サーバーサイド言語を判別できたサイトでPHPが使われている割合」 でした
つまり、「新しく作られるWebアプリの約70%がPHPを採用している」という意味ではありません
PHPで動くWordPressが世界中の多くのWebサイトで使われていることも、この数字には大きく影響していそうです
一方で、PHPのシェアは2022年1月の78.1%から、2026年7月には70.6%まで緩やかに低下しています
約70%という数字は、PHPが今まさに新規開発で大流行していることを示すというより、PHPが長年にわたって世界中のWebサイトを支えてきた結果、と見る方が近そうです
数字自体は正しくても、何を数えた数字なのかによって受け取る意味は大きく変わります
大きなシェアを見ると、つい「今それだけ流行っている」と読みたくなりますが、母数と集計方法まで確認しないと簡単に勘違いしちゃうので気をつけてください
はい、気をつけます
AI時代、言語は「検証しやすさ」へ向かうのか
AIを使えば自分が詳しくない言語でも、それっぽいコードを短時間で生成できます
しかし、コードを生成できることと、そのコードを本番環境で安全に運用できることは別です
型の扱いに問題はないか、既存の設計と矛盾していないか、セキュリティ上の欠陥はないか、要件を正しく満たしているか、、、
AIが生成するコードの量が増えるほど、それをレビュー・検証する人間の負荷は大きくなります
そう考えると、AI時代の言語や開発環境に求められるのは、コードを速く生成できることだけではなく、生成されたコードを機械的に検証しやすいことなのかもしれません
セッションでは、長年にわたってコードや教材が蓄積されてきたPHPは、AIにとっても扱いやすい言語なのではないか、という話がありました
さらにPHPでは、型情報の充実や静的解析ツールとの連携など、コードの問題を機械的に発見しやすくするための改善も進んでいます
こうした変化がAIへの最適化を意図したものなのかは分かりません
ただ、AIがコードを生成するための情報が豊富で、生成されたコードを検証するための仕組みも整っていることは、AI時代におけるPHPの強みになりそうです
AI時代における人間の価値とは
AIがコードを書く速度と量で人間を上回るなら、開発者の価値はどこに残るのか
セッションで示されていたのは、開発者のゴールを「コードを実装すること」ではなく、ユーザーに価値や感動体験を届けることに置くという考え方でした
AIは、与えられた要件をもとにコードを生成できます
しかし、その要件が本当にユーザーの課題を解決するのか、使いやすいのか、また使いたいと思えるものなのかまでは保証してくれません
そもそも、要件どおりに作ることと、ユーザーが喜ぶものを作ることは別です
誰にも使われない機能を、AIが爆速で完璧に実装してくれる可能性もあります
だからこそ人間には、自分たちのプロダクトを実際に触り、「なぜ使いにくいのか」「ユーザーはどこで困るのか」を言語化する力が必要になります
ユーザーの行動を分析し、どこで操作に失敗しているのか、どこで離脱しているのかを見つけることも重要です
また、自分が好きなサービスや作品について、「なぜ好きなのか」「なぜ感動したのか」を掘り下げ、自分の中に感動する観点を蓄積していくという話もありました
AI時代になくなる可能性があるのは、開発者ではなく、実装することだけに価値を置いた仕事なのかもしれません
コードを書く手段が変わっても、何を作るべきかを考え、それがユーザーにとって本当に価値があるのかを判断する役割は、今のところ人間に残されています
AIには、まだユーザーの感動体験までは分からないでしょう
まとめ
PHP未経験のまま参加したPHPカンファレンスでしたが、PHPが今も進化を続けていることや、長年の蓄積がAI時代には強みになり得ることを知りました
約70%というシェアの数字に簡単に釣られたり、AI時代に言語へ求められるものや、これから開発者は何に価値を置くべきなのかを考えたりと、思っていた以上に自分のエンジニア人生について考えさせられる一日になりました
ほかの企業ブースもいろいろ回り、各社のプロダクトや技術の話を聞いたり、ノベルティをもらったり、普段関わらないエンジニアと話したりするのも、カンファレンスならではの面白さでした
そして何より、暑い中でのブース運営はなかなかのハードミッションでした
それでも無事に最後までやり切り、すべてのミッションを終えたあとの打ち上げで飲んだビールは最高にうまかったです
暑さも疲労も達成感も全部込みで味わう、あの一杯のうまさ
AIには、まだ分からないでしょう
そう、まだね