Claude Code のサブエージェントを Kimi K3 / DeepSeek V4 Flash でネイティブに動かす
想定読者
- Claude をサブスクリプションプランで契約し、CLI(Claude Code)で使っている人
- 週間リミットが厳しく、物足りなさを感じている人
- API の従量課金を契約する覚悟がある人
背景
オープンモデルがフロンティアに追いついてきた
2026 年 7 月 31 日、DeepSeek V4 Flash が正式版がリリースされました。騒がれたのは性能と価格の組み合わせです。エージェント系の 9 つのベンチマークすべてで、自社の上位モデルである V4 Pro を上回りました。Terminal-Bench 2.1 では 82.7 を記録しています。Artificial Analysis の Intelligence Index では GPT-5.6 Luna (max) とわずか 1 ポイント差で、タスクあたりのコストは約 60% 安いという評価です。それでいて API 価格は $0.14 / $0.28 に据え置かれました。
2026 年 7 月 16 日には Kimi K3 が公開されました(オープンウェイトは 7 月 27 日に Hugging Face で公開)。Artificial Analysis Intelligence Index では Kimi K3 が約 57、Claude Fable 5 が約 60。35 の共通評価のうち Fable 5 が 22 勝、K3 が 12 勝という結果で、K3 は長期ホライズンのコーディング、Automation Bench、BrowseComp、SpreadsheetBench 2 でリードしています。総合力では Fable 5 が上ですが、領域によっては上回るという位置づけです。
API 価格
100 万トークンあたりの価格です。
| モデル | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| Claude Fable 5 | $10.00 | $50.00 |
| Claude Opus 5 | $5.00 | $25.00 |
| Claude Opus 4.6 | $5.00 | $25.00 |
| Claude Sonnet 5 | $3.00 | $15.00 |
| Kimi K3 | $3.00 | $15.00 |
| Claude Haiku 4.5 | $1.00 | $5.00 |
| DeepSeek V4 Flash | $0.14 | $0.28 |
Claude Sonnet 5 は 2026 年 8 月 31 日まで導入価格 $2.00 / $10.00 が適用されます。Kimi K3 はキャッシュヒット時の入力が $0.30、DeepSeek V4 Flash は $0.0028 まで下がります。
この表を見ると 2 つのことが分かります。
- Kimi K3 は Claude Sonnet 5 とまったく同じ価格です。それでいて Fable 5 に迫る性能を持ちます。
- DeepSeek V4 Flash の出力は Sonnet 5 の約 54 分の 1です。桁が 2 つ違います。
つまり何が変わるか
Claude のサブスクリプション契約者の多くは、高価な Fable や Opus をオーケストレーション役に使い、Sonnet や Haiku をサブエージェントに回すことで、API 料金と週間リミットをやりくりしていると思います。
ここを Kimi K3 や DeepSeek V4 Flash に置き換えれば、Sonnet と同じかそれ以下のコストで、Sonnet に勝るモデルをサブエージェントとして使えることになります。オーケストレーションは Opus のまま、手数のかかる実装や調査だけを安いモデルに逃がす、という構成が取れます。
問題点
ところが現状、Claude と他のモデルの連携には障壁があります。
CludeとCodexを両方使っている人はその障壁を既に感じているかと思います.Claude に codex に処理させるように依頼して,codexをbashで実行してもらうというように。オープンモデルとの最も簡単な連携は、codexとの連携と同じように,opencode などの CLI に DeepSeek や Kimi の API キーを設定しておき、Claude からその CLI を呼び出して指示を出す方法です。
しかしこの方法はネイティブな連携になっていないため、次の問題が起きます。
- agent view に出ない。 同一ターミナルからどれが動いているのか一覧できない。
- 完了が通知されない。 定期的に Claude を起こしてログを見に行く polling が必要になる。
- 走っているセッションに追指示を送れない。 間違った方向に進んでも止められない。
これは非常に困ります。特に 3 つ目が厳しく、明後日の方向に進んでいるエージェントを黙って見ているか、諦めて殺すかの二択になります。
解決策
Kimi K3 や DeepSeek V4 Flash を Claude Code のモデルとして選べるようにするラッパーを用意しました。
https://github.com/h-seno-tokai/claude-code-model-bridge
導入は 3 コマンドです。
git clone https://github.com/h-seno-tokai/claude-code-model-bridge.git
cd claude-code-model-bridge
./install.sh
API キーを設定します。DeepSeek と Kimi のどちらか一方だけでも動きます。
$EDITOR ~/.claude/model-bridge/.env
export DEEPSEEK_API_KEY=...
export KIMI_API_KEY=...
あとは claude の代わりに claude-ds で起動するだけです。
claude-ds
これで Claude Code の中から、次のようにサブエージェントを呼べるようになります。
Agent(subagent_type="deepseek", prompt="...") # DeepSeek V4 Flash が動く
Agent(subagent_type="kimi", prompt="...") # Kimi K3 が動く
ネイティブなサブエージェントとして動くので、agent view の一覧に並び、バックグラウンド実行の完了通知が届き、走っている最中に追指示を送れます。前述の 3 つの問題がまとめて解決します。メインループは Claude のまま、サブスクリプションのログインもそのままです。
メインのモデルとして使うこともできます。
claude-ds --model kimi-k3[1m]
おわりに
claude で普通に起動した場合はラッパーを経由しないので、これまでどおり動きます。合わなければ claude に戻すだけで元の状態です。
Claude Code 本体には手を入れていないので、本体のアップデートもそのまま通ります。更新後に統合が生きているか確認するスクリプトも同梱してあります。
参考