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AWS Backup の設計ポイント:Vault Lock & クロスリージョンコピーで“消せないバックアップ”を作る方法

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Last updated at Posted at 2025-12-16

はじめに

AWS Backup を使い始めても、「それ、本当に“安全なバックアップ”になっていますか?」
という問題が残りがちです。

特に近年はランサムウェア対策として、“消せない”バックアップ(削除耐性) が求められています。

この記事では、AWS Backup を使った

  • Vault Lock(削除不可化)
  • クロスリージョンコピー(災害対策)

の2つの設計を記事にします。

✅ 1. なぜ“消せない”バックアップが必要なのか?

クラウドでもバックアップは消せてしまいます。
典型的なトラブルのケースとしては以下などではないでしょうか。

  • 誰かが誤ってバックアップを削除
  • IAMが侵害され攻撃者がバックアップを消す
  • 同じリージョンが障害・災害により利用不能

AWS Backup は作っておくだけでは不十分で、
“安全に保持”できて初めて意味があります。

その対策が次に紹介する 2 つです。

✅ 2. Vault Lock とは?

Vault Lock とは、
保管されたバックアップを「改ざんできない状態にする機能」です。

ポイント:

  • ルートユーザーでも削除不可
  • 保持期間の短縮不可(延長のみ可能)
  • 誤操作・攻撃の両方から守る

バックアップを WORM(Write Once, Read Many) 状態します。

つまり、
「1回保存したら、指定期間は絶対に消せない」
という強力な仕組みです。

⚠ Vault Lock 設計の注意点

Vault Lock は強力な反面、設定を間違えると危険です。

  • 設定後は 保持期間を短くできない(伸ばすことはOK)
    → 間違えると数年分の保存コストが発生する。

  • Vault Lock を設定した後は “基本的に解除不可”
    → 法的な理由を除きロックは緩和できない。

  • テスト用と本番用に Vault を分けるのが必須
    → 上記の理由から、本番ですぐ設定すると取り返しがつかない。

✅ 3. クロスリージョンコピーの重要性

Vault Lock だけでは “論理削除” を防ぐことはできますが、
リージョン障害・大規模災害 には対応できません。

そこで必要になるのが クロスリージョンコピー です。

例:

  • ✔ 東京 → 大阪
  • ✔ 東京 → シンガポール
  • ✔ APN1 → US East

AWS Backup のバックアッププランでは、以下の設定が可能です。

  • クロスリージョンコピー
  • コピー先のVault Lock適用

この 2 つを組み合わせることで、
物理的に離れたリージョンへ完全性の高いバックアップを保持しつつ、

  • 災害
  • 電源障害
  • リージョン全体障害
  • 誤削除・攻撃による削除

といったリスクに強い、
“削除不可でリージョン分散されたバックアップ” を構築できます。


✅4. 設計パターン(例)

東京リージョン(ap-northeast-1)
 │
 ├─ Backup Vault(通常)
 │     └ バックアップ(短期保持)
 │
 └─ 週次/日次バックアップ → 大阪にコピー
        │
大阪リージョン(ap-northeast-3)
 └─ Backup Vault(Vault Lock 有効)
        └ 長期保持(削除不可)
  • 東京 → 大阪にコピー
  • コピー先は Vault Lock で保護
  • 東京側は短期間保持にしてコスト最適化
  • 削除耐性+災害耐性の両立

✅5. まとめ

AWS Backup を導入しただけでは、バックアップはまだ“守られている状態”とは言えません。
強固なバックアップを実現するには、次の2つが必須です。

① 削除不可の Vault Lock
② 災害に強い クロスリージョンコピー

この 2 つを組み合わせることで、

  • 消えない
  • 壊れない
  • 持ち出されない

といった高度な保護を備えたバックアップ基盤が実現できます。

AWS環境のセキュリティや事業継続計画(BCP)において非常に重要な領域ですので、
今回の内容が設計の参考になれば幸いです。

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