はじめに
「社内でLT会を始めてみたいけれど、続けられるだろうか?」
「皆忙しい中で、時間を割いてもらえるだろうか?」
社内で技術共有の場を作りたいと思いつつも、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、株式会社ダイアログが実践している「小さく始めて、無理なく続ける」LT会の運営方法をご紹介します。
設計の基本方針:小さく、カジュアルに
私たちが最も重視したのは、「継続できる形」を作ることです。具体的には、以下のポイントに注力しました。
1. 時間は30分
- 隔週木曜の15:30〜16:00に開催
- 発表10分×2名+質疑応答
- 短時間なので予定が組みやすく、発表準備の負担も最小限
2. リモート開催
- フルリモートのメンバーも参加しやすい
- 移動時間が不要
- 録画を共有することで、後から視聴も可能(資料として蓄積し、後のドキュメント化にも活用)
3. 持ち回り制
- 毎回2名が発表し、負担を分散
- 全員に発表の機会があり、聴講のみの参加もOK
運営のポイント
発表内容の指定はざっくり
持ち回りで発表をしていくにあたり、発表内容は
「技術」と「仕事」に関わることならなんでもOK!! としました。
個人的に学んでいる内容の発表や、カスタマイズ案件で遭遇した問題の対処法など
進行スケジュール
15:30
開始
発表①(10分)
質疑応答(5分)
15:45
発表②(10分)
質疑応答(5分)
16:00 終了
最小限の運営タスク
- 発表順の管理(初回に抽選し、Slackで告知)
- 当日の進行役
- フィードバックフォームの共有(Googleフォーム)
運営自体も「小さく」始めることで、継続的な実施が可能になります。進行役の負担が少ないのもメリットです。
つまずきやすいポイントと対策
1. 発表者の急な予定変更
- 発表順の変更や代打で柔軟に対応
- 調整が難しい場合は、発表順を後ろに回す
- 短時間のイベントなので、調整がしやすい
2. フィードバックの収集
- Googleフォームで簡単に収集
- 回答率を上げるために、事前共有とGoogle Meetのコメントで積極的に告知
- フォームの項目は最小限に(回答者氏名、各登壇者への感想や疑問点など)
- 数値評価(満足度など)はあえて除外
3. 参加率の維持
- カレンダーへの定期予定の登録
- 録画を共有し、後からでも視聴可能に
発展的な活用
このカジュアルなLT会は、より大きな技術共有の取り組みへの「入り口」としても機能します。
- チーム内の関心事を把握
- 詳細な勉強会のテーマ発掘
- 新しい技術への興味喚起
効果と手応え
1. 技術共有のハードル低下
- 発表への抵抗感が減少
- 質問や議論がしやすい雰囲気の醸成
2. チームの相互理解
- メンバーの関心事や取り組みの理解
- 新しい技術のキャッチアップが容易に
3. コミュニケーションの活性化
- 技術的な対話の増加
- チーム全体での知見の共有
まとめ:小さく始めて、着実に育てる
勉強会を企画すると、つい多くの準備や作り込みをしたくなります。しかし、まずは「続けられる形」で始めることが重要です。私たちの例では、
- 30分という短い時間設定
- 2名の持ち回り制
- シンプルな運営方法
これらの小さな工夫が、継続的な技術共有の文化づくりにつながっています。まずは小さく始めて、チームの状況に合わせて少しずつ改善していく。このアプローチで、あなたのチームに合った技術共有の場を作ってみませんか?
おまけ:現在検討中の改善案
- テーマ別シリーズの企画
- 録画アーカイブの活用方法の整理
- より活発な質疑応答の促進
※本記事は、実際の運営経験に基づいて執筆しました。各組織の状況に合わせて、適宜アレンジしていただければ幸いです。